リアクション
【歪夢の跡】
アールキングの根が、中心から急速に黒く腐り、崩れていく。
虚無霊やイコンを蝕んでいた樹部も同様だった。
アールキングを滅ぼしたエリザベートらを乗せた艦が
アールキングの欠片がナラカの底へ降り注ぐ中、イーダフェルトへと帰還してくるのが見えた。
「……私の命はまた長らえた」
アールキングから離れていく蟲龍たちを率いながら、
ダイヤモンドの騎士は、アールキングが深々と突き刺さっていたパラミタ大陸の裏側を見上げた。
「お前にも、まだ生きろと言っているのだろう。
多くの命で作り上げられているこの世界は」
第三龍騎士団アーグラは、ダイヤモンドの騎士にそれだけを告げた。
■
光条世界は『滅びと創世のサイクル』を、この世界に定めた。
ナラカより産み出された浮遊大陸たちは、一定の周期に従って全て滅び、ナラカへと還る。
そして、また新たな浮遊大陸たちが産まれ、世界は安定を保つのだという。
アールキングは、その新たなサイクルに君臨する大世界樹になろうとしていた。
光条世界が定めた滅びを逃れ続けているこの状況を「誤った世界」とし、
多くの命と共に全ての大陸が滅び、正しくサイクルが行われるようになる世界を「真の世界」として。
「そんなことは、どうでもよかったかもしれないですねぇ〜。
ただ、ヤツは“自身が王となれる世界”を『真』としてただけじゃないですかぁ〜?」
エリザベートは不機嫌そうにボヤき、その小さな手をぐ、ぱ、と閉じて開いた。
「私の中にあった力“ロゴス”はコーラルネットワークに帰ったですねぇ……。
あんな危険なもの、二度と触りたくないですがぁ〜」
ぽて、と床に腰を落としたまま、彼女は、
ざっくりと見当をつけたザンスカールの方角へ首をかしげた。
「先代イルミンスールの仇、討ってやったですぅ〜。……疲れた、ですぅ」
零し、エリザベートはまた、すぅ、と眠りについたのだった。
大変お待たせしてしまい、誠に申し訳ございません。
ペリフェラルシナリオ「【終焉の絆】禍つ大樹の歪夢」リアクションをお送りいたします。
今回のリアクションは、
「蟲龍関連」「アールキング内部」を逆凪まこと マスター
「イーダフェルト」「グランツ教本部」を夜光ヤナギ マスター
に執筆いただいています。
■逆凪まこと
はじめましての方ははじめまして
二度目以上の方はまたお会いできまして光栄です
この度はアールキング関連と言うことで、執筆に参加させていただくこととなりました
気がつけば随分長いこと関わっていただけに、感慨があります
(しかし、イコン戦……だ、と……! どうしてこうなった←)
こういった場所で書かせていただくのも初めてで、緊張し通しでしたが
此処まで沢山イコンを拝見する機会も無いので
貴重な経験をさせていただきました
■夜光ヤナギ
どうも、夜光ヤナギです。
今回は「【終焉の絆】禍つ大樹の歪夢」の一部を担当させていただきました。
イコン戦とアールキング戦、両方を書かせていただきました。
どちらも楽しかったのですが、特にアールキングは決着ということで色々試行錯誤を。
彼が生命となり、種となり、また何らかの違う形で生まれてきたら、その時は別の再会があるといいなぁと、そんなことを思っております(何言ってるんだ?)。
それでは、長くなってもアレなので、このへんで。
P.S コーヒーよりも紅茶のほうが徹夜向きかもしれない。