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【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル

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7)非不未予異無亡病 近遠(ひふみよいむなや・このとお)

非不未予異無亡病 近遠(ひふみよいむなや・このとお)は、すっかりスタジオ観覧に来たつもりでいたのだが。

非不未予異無亡病 近遠(ひふみよいむなや・このとお)さん、本番です!」
スタッフが呼びに来て、慌てて振り向く。

「近遠さん、スタジオ観覧ではなかったのでございましょうか?」
アルティア・シールアム(あるてぃあ・しーるあむ)が言った。
「その様ですね。そのつもりだったんですけれど」
近遠がうなずく。
非不未予異無亡病 近遠(ひふみよいむなや・このとお)さーん」
「ほらほら、呼ばれてますわよ。早く行かないとスタッフの人も困ってますわ」
ユーリカ・アスゲージ(ゆーりか・あすげーじ)がうながす。
「では、皆で行きますか?」
せっかく皆で来ているのだから、と近遠が提案した。
「うむ、先方が良ければ、それも良いのだよ」
イグナ・スプリント(いぐな・すぷりんと)がうなずいた。

こうして、大所帯でのゲスト参加をすることになったのである。

★☆★


「まあ、にぎやかでうれしいわ」
トッドさんは、にこやかに、近遠とパートナー達を迎え入れてくれた。
「ありがとうございます」
用意されたのは、温かい煎茶だった。
スタジオの冷房が強めに効いていることを、トッドさんが配慮してくれたのだろう。

一同がお茶を飲んでいる間に、写真が映し出された。

お花見の一コマ

「まあ、きれい!
お花見している場面ですね。
近遠さんがご一緒のパートナーの皆様をどう思っていらっしゃるか、
詳しく聞かせてくださらない?」

「これは、先日の『お花見』の写真であるな」
「その様ですわね」
「綺麗……でしたけれど、何かものかなしくもあったのでございます」
イグナとユーリカが言い、アルティアが遠くを見るようにつぶやいた。

「え〜、皆さんをどう思ってるか?ですか……」
近遠は、少し考えてから、答えた。
「そうですね、家族の様だと思っていますよ。
そろそろ一年と少し……ですけれど、色々と一緒にやって、
色々と支えられて来ましたけれど、パートナーの魂の絆……って言うんです?
ふとした事で、
長年の付き合いの様な……そんな何を考えている? 何をしようとしている? みたいなのが、
お互いに判る事があって……ですね」
「まあ、それはすてきね!
お互いのことをよく理解して、大切な存在として接していらっしゃるのね」
「そうですね。
ボクは契約者になる前は、日中は外に出ることが自由にできずに、
本を読んでいることも多かったので、
契約者になったことで自由に動けるようになったのも、
パートナーのおかげと思っています」
近遠は、自分の身の上についても語った。

「では、次の質問です。
あなたの将来の目標はなんですか?
それに向けて、今、どのような努力をされていらっしゃいますか?
まだはっきりしない、漠然としたことでもかまいません」

「将来の目標……ですか?
夢……みたいなものですけれど、知りたいものは、ありますね。
根源法則……とでも言いましょうか?
地球とか、パラミタとか、ニルヴァーナとか、ナラカだとか……
或いは、科学だとか、機晶技術だとか、魔法だとか、超能力だとか……
そんな個別の物に縛られない、より根源的で汎用的に働いている原則……と言いましょうか?
事象を根っ子から支えている現象の、規則性……みたいな物、ですかね……それを知りたいなぁ〜と」
「まあ、難しいことをお考えなのね。
それは、どのようにすればわかるのかしら」
「それに向けての努力……は特にしてない、ですね。
物事を一期一会の気持ちで見つめ、
観察・考察するのは性格・性質みたいなもので努力でやるものでは無いですし。
好奇心に身を委ねて知識を貪る事も……学習・学問とは言えても、勉強・努力……とは言えませんしね」

「そういえば、近遠さん……勉強とは、強く勉める事……苦痛・苦難に厭わず努力する事だって、
以前言っていたのでございます。
そして、勉強は……嫌いだし、なるべくしたくない……とも」
アルティアが、つぶやいた。
「確かに、あまりそういうイメージは、無いではあるな。
我は……もう少し、そういう所にも精を出すべき、だとは思うのだよ」
イグナは、ヴァルキリーの戦士らしく、腕を組んで言った。
「近遠ちゃん、以前は勉強なんてした事が無いし……
今も、なるべくならしたくないって言ってますわね」
ユーリカが言った。
「少しもしたことがないのか?
それはどうなのだ」
イグナが眉間にしわを寄せる。

「痛い所をつきますね〜、本心ですけれど」
苦笑しながら、近遠が言った。
「それでも、例えば以前方々に頼んで回ったザナドゥでの件とか……
責任とか義務感みたいなものはありますし、
嫌でもやらないといけない事は判っていますし、やろうとする様にしてますよ?」

「近遠さんは、近遠さんらしくあることで、
目標に近づいていけるのかもしれないわね」
トッドさんが微笑した。
「そうだといいのですが」
近遠も、トッドさんに笑みを返した。

「まあ、なんでも楽しいのが一番なのですわ」
ユーリカも笑い。
「いいのか、それで?」
生真面目なイグナが首をかしげ。
「やはり、近遠さんは、近遠さんらしくあられるのが、
一番なのでございましょう」
アルティアが、静かに言った。