天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

イケメン☆サマーパーティ

リアクション公開中!

イケメン☆サマーパーティ

リアクション


イケメンコンテストの真相に集う人々

「……時間だ」
 コンテスト参加者によるパフォーマンスが終了を迎え、残すは結果発表だけとなる。
すでに辺りは夜空が包み、夏の星座を煌めかせている様を見つめながら、ルドルフは笑う。
「結果発表は、僕からさせてもらおう」
 ステージに上がる姿を見守る観客の全てに、緊張感が走る。
 コンテストの結果もそうだが、噂の褒美が何なのか、誰の手に渡るのかと気になることはたくさんある。
「コンテストを制す者……それは、美しい輝きに満ちあふれた者こそ相応しい。それは――君だ」
 前方を指さすルドルフにつられ、誰が選ばれたのかとざわめきが起る中、一際輝く者がいた。
「なんだ……?」
 恭哉が驚いて自分の胸元を見れば、確かに朝は固い蕾だった白い薔薇が咲き始めている。
 それは、1人にとどまらず連鎖反応のように会場中に広がっていき、参加者の胸に白い輝きを灯らせていった。
「花は話しかけると美しく咲くように、思いに応える力がある。輝きは全て、君たちの内側に宿る物だ」
 1日分の思いを汲み取り、夜に光を放ちながら咲く不思議な薔薇。最初はその実験のために企画したお祭りだった。
 けれど、その咲き方にも多種多様で、同じ輝きを放つ薔薇はない。
 楽しい、嬉しいという気持ちに溢れた者は輝くように咲き誇り、使命感をもって行動した者は凜と咲く。
 誰かを慈しみ、守りたいと思う心。その全てが素直に出ると言われ、各々見比べる参加者たち。
「美しく咲かせてくれた君たちを、僕は尊敬している。今はこの薔薇の輝きしか見せることは出来ないが、薔薇の美しい季節が巡ってきたら僕の自慢の庭園で君たちを待っているよ」
 この祭の様子を取材していたミヒャエル・ゲルデラー博士(みひゃえる・げるでらー)アマーリエ・ホーエンハイム(あまーりえ・ほーえんはいむ)は、星空が舞い降りたかのような光景を写真に収め、ルドルフの言葉を一字一句漏らさずノートに書き込んでいく。
「なるほど。これは記事の配分を改めねば……男子校だと思い女性を対象にした記事にするつもりだったのがとんだ誤算だ」
「腐女子向けを狙ってたんですよね。そっちはそっちで企画練り直しますか?」
 それはそれで面倒だ。特に、最近の教導団週間ニュースではその手の話題が好評だし、少しは何かを入れたいところなのだが。
「ふむ、男装の麗人というのもイケますな……今度これで一本何か撮りましょうかねぇ」
 アマ−リエの姿を見て、良いことを思いついたと言わんばかりに上から下まで眺めるが、当の本人は納得がいかない様子。
「な、なんで私があなたのためなんかにっ! どうしてもネタに困ってるなら、考えてあげないこともないけど……」
「助かりますよ。……しかし、楽しまなかった者の薔薇がどうなるのか、興味ありますねぇ」
 ドーン! ドドーンッ!!
「おいアクア、見ろよ花火だ! あんな大きいの久しぶりに見たよな」
「ここにも空にも、光る花がいっぱいです……すごい」
 目を輝かせる来場者で満ちあふれた、イケメン☆サマーパーティ。その幕は静かに下ろされた。



「エリオ、例の方々はどうなった?」
「ああ、命に別状はなかったらしいが予想通りだ。最後くらいは美しくなってもらわなきゃな?」
 人の心に応える花。そこに輝きがなければどうなるのか。
 楽しもうとしなかった者や胸に挿さず感情を十分に伝えられなかった者は、蕾ごと落下して爆発に巻き込まれてしまうらしい。
 けれども、美しくありたいと思う薔薇が最後の力を振り絞って輝きを求めて行き着く場所。
 一瞬の輝きを夜空に残し、満足に散っていくという結果が一部の参加者より確認されたのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

浅野 悠希

▼マスターコメント

初めまして、GMの浅野悠希です。
こういった形式のノベライズは初めてなので、判定にとても悩みました。
ダブルアクションになっている方も、極力は要望に応えてみようと努力してみたつもりですが、まだまだ改善点はあったかと思います。
自分の予想以上に様々な事を企画して頂き、とてもお祭りらしくなったこと、大変嬉しく思います。
楽しみにして頂いていたイエチェリニのお茶会が噂止まりであったことは大変申し訳ないのですが、お誘いの声にあるようにバラのシーズンを楽しみにしていてくださいね。
これからも、戦闘には関係のないシナリオを企画していくと思いますので、パートナーと仲良くしてみたり息抜きをしたい方は参加して頂けると嬉しいです。
ご参加、本当にありがとうございました!