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リアクション
イケメンコンテスト・選考に集う人々
イケメンコンテストの受け付けが終了したのか、中央広場を囲うように張り出される写真たち。
北都が全員分張り出したことを確認すると、投票用紙の配布を行う。
「さぁ、一次選考の開始だよぉ〜! 好みの人を見付けてよね!」
自分はパートナーであるクナイに投票するべきなのだろうが、こうして写真を眺めているとほんの少しだけ迷ってしまう。
中にはイケメン加工を施している人もいるようだが、薔薇学のイベントに相応しく爽やかな好青年に投票したいと思うのも本音。
「ま、クナイなら1票くらいなくても1次審査くらい通過するよねぇ?」
選ばれた人だけがそのステージに立つ。ちらりと横目で見てみると、RebellionのメンバーからROSIERへと明け渡され、撤退と設営が同時に行われているようだ。
早川 呼雪(はやかわ・こゆき)が自身で使うピアノを運び込み、朱 黎明(しゅ・れいめい)もまたパートナーが使うマイクの調整を行っている。
先程が派手なパフォーマンスだったため、機材の音量調節や壊れている部分がないかなどのチェックは入念にしておかないとトラブルに繋がりかねない。
「ネア、大丈夫です。普段のあなた通りに振る舞えば」
確かにアイドル候補として歌もダンスも披露出来る。けれど今回はクラッシック歌曲バンドと今までとはひと味違った歌にネア・メヴァクト(ねあ・めう゛ぁくと)は緊張の色を隠せない。
「足をひっぱらぬよう、精一杯努めさせて頂きますが……ゴザルザ様には特にご迷惑をおかけしないか心配ですわ」
音源を元に1人で歌うのとは違い、同じステージに演奏する人もいれば一緒に歌う人もいる。その感覚に慣れないネアは、不安でしょうがないが、ゴザルザ ゲッコー(ござるざ・げっこー)は気にした様子もなく水のペットボトルをネアへ放り投げる。
「拙者1人では出せぬ音を、貴公と奏でられたらと思っているでござるよ」
喉のケア用の水分や歌詞カード・カンペを念入りに準備しながらも仲間への気遣いを忘れないゴザルザに、リーダーのシャンテ・セレナード(しゃんて・せれなーど)は嬉しくなる。
「そうですよ。僕も人前での演奏は初めてですし、皆さんで楽しみましょう」
そのにこやかな微笑みに、一緒に演奏するのだからと呼雪も笑おうとするのだが、言葉を紡ぐので精一杯だった。
「ああ、こっちこそよろしく」
いつも通りの仏頂面に見えるが、数日一緒に練習してきた仲間たちにはささやかな表情の変化が見て取れて嬉しくなる。
「さぁ、手分けして準備を進めましょう!」
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