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第1章
秋の風爽やかなジャタの森。
鳥がさえずり、猪が時々突撃している音が聞こえる。
そんな中、1人の男性が鼻歌雑じりにもぞもぞ動いていた。
「ふんふ〜ん。私ってば天才ですね」
誰かがキノコを採っている。
マスクをし、隠れ身のスキルまで使って用意周到だ。
同時刻、空京。
ホイップの元に人が集まっている。
「皆さん、宜しくお願いします」
頭を下げてお願いをする。
「今回も頑張ろうね!」
カレン・クレスティア(かれん・くれすてぃあ)がホイップの肩をぽんっと叩く。
「うん! あれ……なんか少し元気がない?」
「そんな事ないよ! 気のせい、気のせい」
ホイップは少し、心配そうにしながらも他の人達に話掛けに行く。
そんな様子をジュレール・リーヴェンディ(じゅれーる・りーべんでぃ)が誰にも解らないくらい微かに表情を曇らせた。
「……頑張ってね」
「サトゥ、それは俺の後ろに隠れて言うことじゃないだろう」
「だって、まだよく知らない人なんだよ。アル君!」
サトゥルヌス・ルーンティア(さとぅぬるす・るーんてぃあ)がアルカナ・ディアディール(あるかな・でぃあでぃーる)の後ろに隠れながらホイップに応援の言葉を贈る。
「ジャタ松茸はこんな形。主に広葉樹の根元に生えているみたいですわ」
スターシークス・アルヴィン(すたぁしぃくす・あるう゛ぃん)が買って来ていたキノコ図鑑を広げて皆に見せる。
ジャタ松茸は地球にある松茸と似た色形で、裂くと本物は抹茶色。
モドキは紫色となっている。
こうして調理班に見送られ、キノコ狩り班は出発となった。
更に、同じ時刻。
空京のあるお屋敷の中。
今回の依頼者、美食家のドロウの元へ辿り着いた者が居た。
通された部屋で、ダージリンを出されている。
「ほむほむ……では、美しいお嬢さん達はその方を招きたいと」
細マッチョ老紳士なドロウは真っ直ぐに九弓・フゥ・リュィソー(くゅみ・ )と肩の上のマネット・エェル( ・ )を見つめる。
「はい! お願いします!」
「お願いしますですわ!」
「ほむほむ、宜しいでしょう。構いませんよ。美しいお嬢さんの頼みならばいくらでもお聞きしますよ」
2人とも、ちょっと恥ずかしそうにしつつ喜ぶ。
「じゃあ、行ってくるね!」
席を立ち、勢いよく屋敷を飛び出していく。
「ほむほむ、若者はこうでなくてはいけませんな」
嬉しそうに老紳士がその様子を見守る。
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