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ダイエットも命懸け!?

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ダイエットも命懸け!?

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エピローグ

 ツァンダのやや外れにある草原。
 大きなシートの上に座る少女が五人。
「うわ。これ、美味しいのね」
 カップケーキを食べた九弓・フゥ・リュィソー(くゅみ・ )は思わず呟いた。
「あはは、九弓さん、それさっきモンブラン食べた時も言ってたよー?」
 彼女が食べているケーキの作り手である朝野 未沙(あさの・みさ)が恥ずかしそうに笑って言った。
「だって美味しいんだってば。これ店に置いても売れるよ」
「そ、そうかなあ。褒めすぎじゃないかな」
「そんなことないわ。だってまだ食べたいもの」
 褒めた後、ケーキを咀嚼する。丁度飲み込んだその時、目の前にコーヒーが置かれた。
「どうぞ」
 視線を上げると、朝野 未羅(あさの・みら)がにこにこ笑顔で立っていた。コーヒーを飲んで一息つくと、秋の風が髪を撫でて行く。心地よさに目を細めた。
「へへ、褒められちゃった」
 未沙は嬉しそうに笑って、小谷 愛美(こたに・まなみ)の隣に座る。愛美は「よかった!」とまるで自分が褒められたかのように喜んだ。
「美味しいもんね、これ! こんなに美味しいケーキがあんなに簡単に作れちゃうなんてびっくりしたもの。未沙さんって天才?」
「そっ、そんなこと! ないです、よー」
「なんで語尾がそんな謙虚なの?」
「褒められたのが嬉しいけど恥ずかしい……未羅ぁ〜」
「どうしたの? お姉ちゃん」
「うぅ。顔が熱いから隠れさせて〜」
「未羅ちゃんのお姉さんは可愛いよね」
「自慢のお姉ちゃんなの」
 得意げに小さな胸を張る未羅。その未羅の背に顔を埋めて「やめて〜、恥ずかしい。恥ずかしくて死んじゃう」と言って足をじたばたさせた。
「あまり暴れたりしないで。ケーキやコーヒーがこぼれたら嫌だわ」
 九弓に注意され、未沙はじたばたをぴたりと止める。
「ごめんなさ――ってえぇ!? 九弓さんまた食べてる!」
 いつの間に用意したのか、九弓はモンブランを食べていた。
「マネットに買ってこさせたの」
「さっき食べてたよね?」
「食べて美味しかったから買ってこさせたの」
 九弓の傍でにこりと笑うマネット・エェル( ・ )
「買ってきましたあ☆」
 彼女が持っている箱は大きくて、覗くと――本当にたくさんあった。 
「すごい、たくさんね」
「はい♪ 今回、行方不明の方を捜しに行かれた方全員に行き渡るように買ってきましたあ☆ 食べますか?」
 甘い匂いが鼻腔をくすぐる。美味しいのはわかっていた。一度食べたから。
「(食べたら、太っちゃうかな?)」
 その思いが一瞬手を止めた。
「別に食べたくないなら食べなくていいわよ? あたしが食べるから」
「きゃー! 食べます、食べる! 食べたいです!」
 マネットから皿にモンブランを乗せ、フォークを添えて渡す。受け取って座ると、未羅がコーヒーを淹れて待機していた。
「未羅も一緒に食べる?」
「うん。食べたいの。でもお姉ちゃんの分が減っちゃうの」
「一人で一個食べるわけにいかないもの。カップケーキも食べてるし」
「じゃあ、半分こするの」
 にぱ、と二人が微笑みあう横で。
「いいなあ仲良しで。マリエルは独り占めしちゃうから、あんな女の子らしくて可愛いやり取りしたことないよ。ちょっとしてみたいなー……」
 と、愛美は呟くのだった。


 ややして。
 行方不明者を無事に連れ戻した後、未沙たちが草原に居ると聞いて、出かけていた全員が集まってきた。
「わ、お茶会ですか?」
「美味しそうぅ〜!」
「あれ? こっち手作り?」
「モンブラン〜! 食べたいっ、食べてもいい?」
 女性陣はかしましく華やかに騒ぎ。
 それを見て、男性陣は「結局動いても食べるんだな」と苦笑し。
 ちょっとしたティーパーティが開かれた。

「未沙さ〜ん!」
「マリエルさん? やだ、口元にマロンクリームついてるよ?」
「あぅ」
「拭いてあげる。じっとしてて」
 未沙は、マリエルの口元に着いたマロンクリームをハンカチで拭いながら話を促した。
「で、そんなに急いでどうしたの?」
「あのねぇ、あたし、モンブラン好きだけどね?」
「? うん?」
「未沙さんのケーキ、もっと好きぃ〜!」
 花が咲いたような笑顔を浮かべ、マリエルは言った。
「あたしねぇ、未沙さんのケーキもっといろいろ食べてみたいなぁ〜♪」
「ふ、太っちゃいますよ?」
「……う゛ぅ。でも、美味しくてぇ〜。……んっ、食べたらまた戦って身体動かすから大丈夫かもぉ♪」
「そんな簡単にいきませんよ、普通。まあでも、あたしが作るのは低カロリーだし……たまになら、全然平気だと思いますよ?」
「ほんとぉ!?」
「はい。また、作りに行きますね♪」

 食欲の秋。
 食べても食べても食べたいなら、いくら食べても大丈夫なようにあなたも運動しませんか?


担当マスターより

▼担当マスター

灰島懐音

▼マスターコメント

皆様はじめまして。ゲームマスターを務めさせていただきました灰島懐音です。
参加してくださった皆様に多大なる謝辞を。

さて、内容です。
食欲の秋ですね。栗とか、美味しいですよね。秋の味覚、サイコーですよね。
うっかり食べ過ぎると悲惨です。なんかもう、いろんな場所が可哀想です。
そうなる前に動こうぜ、脂肪燃やそうぜ! ついでに人のためにもなろうぜ!
そんなお話です。

私事なのですが、マスターは初めての経験で、もうなんか右も左もわからないどころか上も下もどこもかしこもわかりませんでした。
シナリオの不親切な部分で皆様に疑問を植えてしまったのが申し訳ないです。
それでも参加ボタンをポチッと押してくれた貴方には、もう本当に感謝してもしきれないです。
初仕事をノリノリで終わらせることができました。
拙いものですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

それではまた会える日が来ることを願って。