天御柱学院へ

なし

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蒼空学園へ

デーモン氾濫!?

リアクション公開中!

デーモン氾濫!?

リアクション

「アロケル! 悔い改めなさい!」
 シスター服のヴェールをなびかせた冬山 小夜子(ふゆやま・さよこ)がパワーブレスでパワーアップした鉄甲で、アロケルの刃の腹を叩き軌道をそらし、逆にアロケルに拳で一撃を食らわせると、さっと退却する。
「…小娘が」
 ぐらっとなったがさすがは大公爵の名を冠する悪魔。すぐに体勢を立て直してしまう。
「ここは狭い。場所を移そうではないか」
 そういうと、アロケルは馬を駆り、そのまま窓を蹴破ってガラスが降り注ぐ中、校庭に降りてしまう。どおん! と激しい地鳴りと共に、馬の手綱をさばくアロケルに生徒達は畏怖心を抱く。それを知ってか知らずか、
「こわっぱども、かかってくるが良い」
「くそ!」
 生徒達も次々、校庭へ降りていく。
 すかさず、シーマ・スプレイグ(しーま・すぷれいぐ)が2階から飛び降り、アロケルに飛びかかろうとする。
「ボクの名はシーマ・スプレイグ…悪魔アロケル、尋常に勝負」
 完全武装で近接し、アロケルの剣を誘うと、牛皮消 アルコリア(いけま・あるこりあ)がクロスファイアでアロケルに攻撃を仕掛ける。
「アロケルさん、貴方は誰か誘惑をしたの? それとも誰かに誘惑されたのかしら? 貴方が何故、このアキバ分校に姿を現すことになったのかしら」
「我は誘惑したのでも、されたのでもない。そう、我を使役するものに召還されただけだ。かの日のソロモン王のようにな」
 アロケルはアルコリアのクロスファイアを馬でかわしながら、剣を振り下ろす。それをシーマが受け止め、ランゴバルト・レーム(らんごばると・れーむ)が物陰から援護攻撃をかける。
「アル殿、シーマ殿、慢心めされるなよ?」
 一方で、鬼院 尋人(きいん・ひろと)が愛馬アルデバランで乱入してくる。西条 霧神(さいじょう・きりがみ)も白馬で同行している。尋人は騎士としてのプライドと功名心がそれなりに高いタイプであった。アキバ分校の騒動を聞きつけ、悪魔との対峙を望み、駆けつけたのだ。霧神は尋人の背後を守り、インプが近づかぬように守護している。
「尋人は猪突猛進…心配です。でも、怪我をした時でいいのでちょこっと血を私にくださいね」
「薔薇の学舎の騎士は悪魔など怖れない。尋常に勝負」
 尋人はそれだけ言うと、アルデバランを駆り、ランスで一撃勝負をアロケルに挑む。
「騎士道だと? 小僧が、この悪魔大公爵に太刀打ちできるとでも思うたか」
 アロケルは鐙を踏み込むと、手綱を自分の方に引き寄せ、悪鬼のような馬を操り、尋人の渾身の一撃のランスを剣で巻き取り、はね飛ばしてしまう。
「なに!?」
 騎士として、その身に深手を負おうと悪魔アロケルと戦うことを望んだ尋人であったが、アロケルの尋常ならざる強さと剣捌きにさすがに驚きを隠せない。 
 尋人の形勢不利、とみたシーマが剣を捨て、ランスバレストでアロケルに突進攻撃を仕掛ける。
「貴公を…穿つ!」
 だが、剣捌きはアロケルの方が数段上であった。シーマの突進も手綱を上手く捌き、身を翻すアロケル。
「危ういところであったぞ、小娘…じゃがまだまだ剣捌きでは我には勝てまい」
 ランゴバルトはシーマの援護に、サンダーブラストをアロケルに向かって放つ。するとさすがのアロケルも顔をゆがめ、動きが緩慢になったようだった。
「どうやら、実体化してまだ、時間が経っておらぬゆえ、力が安定しないようじゃな…よし、攻撃の手を緩めるでないぞ!」
 ランゴバルトの叫びに他の生徒達も士気が上がる。
 葛稲 蒼人(くずね・あおと)は長い髪を無造作に後ろに束ねた一見、美少女と見まごう美少年である。
「剣の達人のアロケル…正道邪道混じっている俺の剣で倒せるのか或いは何処まで通じるか試してみたい…」
 その気持ちから、蒼人はこの戦いに臨んでいた。
 隠れ身のスキルを利用し、光条兵器を使用してアロケル正面からぶつからず、その手や足を攻撃し動きを鈍らせ、隙を見て急所を狙うことを繰り返した。じわじわとではあるが、その攻撃はアロケルを苛立たせた。すばしこく隠れ身を使っているため、体の大きなアロケルはどうしても後手後手になってしまう。
「ちょこざいな…」
 蒼人の攻撃の最中、パートナーの神楽 冬桜(かぐら・かずさ)はパワーブレスやヒールを用いて、蒼人のサポートに回るとともに、一般生徒の退避もさせていた。
「一般生徒の人はボクたちに近づかないで! 逃げて!」
 、
「剣の達人アロケル。奴と対峙することで自分自身の力がどの程度か見極める良い機会だぜ。必ず倒してみせる…」
 葉山 龍壱(はやま・りゅういち)は轟雷閃を使い、轟雷を放つとアロケルに目掛けて振り下ろすが、アロケルはそれを大剣で受け止める。
「小僧、なかなかの腕だ。それは認めてやろう。だが、我を倒すには生きている年数から違いすぎる」
「そんなことなど関係ないぜ! 俺はどれだけボロボロになろうと、おまえを必ず倒す!」
 ギリっと切り結ぶと、アロケルの圧倒的な力で龍壱は吹き飛ばされてしまう。
「ご主人様!」
 空菜 雪(そらな・ゆき)が駆け寄る。龍壱のためにパワーブレスをかけ、献身的に尽くしている雪は、傷ついた龍壱の回復に当たる。
 天領 月詠(てんりょう・つくよみ)が回復のために雪がヒールを施している間、龍壱をアロケルから守る為、火術を使い援護していた。
 さすがのアロケルもダメージが響いているようで、生徒たちから精気を吸わせたインプを呼び寄せ、精気を吸い取っている。
「インプたちを近づけちゃダメだわ!」
 夏野 夢見(なつの・ゆめみ)はその姿を見て、インプを排除しようとする。
「おお、嬢ちゃん頼みますぞ」
 ランゴバルトが夢見のサポートにあたると、シーマが援護をする。アルコリアも攻撃の手を緩めない。冬山 小夜子も生徒達を退避させ、夢見がインプを攻撃しやすいように心配りをする。
 シャープシューターでアロケルの周りにいるインプたちを打ち落としていく夢見。
「悪魔とは、幽鬼の類でござるか? ううむ…拙者そういったものは苦手でござる…」
 夢見に引っぱり出されたビビリの英霊、張遼 文遠(ちょうりょう・ぶんえん)が夢見の背後から攻撃する。
「張遼、あれはお化けじゃなくてやたら強いゴブリンよ! 終わったらご飯おごってあげるからね! 頑張れ!」
「うう、コワイでござる〜数がどんどん増えてござる〜!! この御仁たち、離れてくだされ!」
 数の多さに驚きビビリまくっている張遼はスプレーショットを構えると、蒼人やアルコリア、シーマたちに注意を喚起し、引き金を引く。
ラルク・クローディス(らるく・くろーでぃす)は、アロケルの剣の攻撃範囲を遠ざけつつも、間合いをとりつつ射撃を行った。
「強い奴と戦えるなんて機会はそうそうねえもんだ…これぐらいやんねぇと強くなれねぇだろうしよ! とはいえ、流石に悪魔に接近戦を挑む程バカじゃねぇぜ?」
「ほほう、おぬしの体も顔つきも立派なものじゃな…それなりに経験は積んでいよう…しかし、所詮は人間。まだまだ我には叶うまい!」
 大剣をラルクに向かって振り下ろしてくるアロケル。
「ち…流石の剣速だな…」
 とっさに避けるラルクの背後から、アイン・ディスガイス(あいん・でぃすがいす)がアシッドミストをアロケルに吹きかけると、防具がじわっと溶ける。
「おかしな術を使うドラゴンめ…」
「ただのドラゴンじゃねえ、ドラゴニュートだ」
 アインはにやっと笑うと更に火術を繰り出す。アロケルの一瞬の隙を突き、ラルクが爆炎波を浴びせかける。
「うっしゃ! そこだ!! ボルカニックバレット!!!」
 激しい爆炎がアロケルを包み上げてしまうが、それでもアロケルは炎の中から姿を現してきた。
「なんてバケモンだ…」