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リアクション
「──タネ子様、今回こそは貴方の頭、頂きます」
神野 永太(じんの・えいた)のパートナー、燦式鎮護機 ザイエンデ(さんしきちんごき・ざいえんで)が、タネ子を睨みつけていた。
「ザイン、食べるの好きですからね」
「はい、大好きです!」
「前はザインがタネ子の頭を密かに狙っていたのは分かりました。しかし今回は管理人公認! タネ子の頭入手のため、頑張りましょう」
「あの時は、タネ子を食べられませんでした……だから今度は、真剣に、本気で、タネ子に挑みます!」
真剣な面持のザイエンデの口の端から涎が垂れる。
「ざ、ザイン……」
永太は呆れながらも拭いてやった。
「ありがとうございます!」
「タネ子の頭を入手したら、持参した缶ビールを飲みながら宴会ですよ」
「はい! 頑張ります!」
「宴会良いねぇー」
霧雨 透乃(きりさめ・とうの)が言った。
「全く。そんな話聞いてたらお腹ぺこぺこになっちゃったよ。タネ子は変だけど植物なんだからきっと美味しいよね!」
パートナーの霧雨 泰宏(きりさめ・やすひろ)と緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が、顔を見合わせて笑った。
「まあ、体の頑丈さには自信があるから囮になってやる。無事採ってきたら食べさせて貰うぜ」
「透乃ちゃんに誘われて着いて来ましたが……正直あまりタネ子を食べたいとは思えないんですよね…」
「…ん? 陽子ちゃん何か言った?」
「いえ。なんでもないです」
「にしても、宴会マジで良いな。楽しみだ」
「首の辺りを叩けばいいってことでしょ? でもそう簡単に辿り着けないと思うから、やっちゃん囮になってね」
「はいはい…分かったよ」
「──皆タネ子さんを食べたいからってぇ、可哀想なことさせすぎよぉ…お互いに理解しあったらぁ? フフ」
雷霆 リナリエッタ(らいてい・りなりえった)は悪魔的な笑みを浮かべた。
「噂のタネ子さんって、食虫花じゃなくって食用花でしたのね……」
佐倉 留美(さくら・るみ)がリナリエッタの隣でぼんやり呟いた。
「せっかく百合園の近くまで来たわけですし……参加させていただく事にしましょう。それに、途中の道が大変でしょうしね。艶かしく蠢く触手達…なんだかとっても萌…」
留美はオホンとわざとらしく咳をして誤魔化した。
「私は囮役にはなりたくないわぁ。タネ子の頭によじ登って、銃で首元を狙うつもりなんだよねぇ」
リナリエッタの意見にうんうんと留美は頷き。
「そうなんですか。でも大変なことになってますわね。さすがにあの触手を何とかしなくては先に進めないでしょう。わたくしが囮になって阻止いたします」
「タネ子の網焼きを食べたい〜! 食べたい〜!」
何故か棒読み調で騒ぐリナリエッタ。
「ここは私に任せて、どうぞお先に行ってくださいませ」
留美はごくりと唾を飲んだ。
「──触手なら、自分達も参戦します!」
鬼崎 朔(きざき・さく)が突然叫んだ。
「美味しいと評判のタネ子さんの頭! ぜひとも食したいです! そのためにも触手の囮になって皆の安全を! だから頑張ってきてください、お願いします」
「うぇええ? ボク達囮の方なの!? や、やだ! ボク、触手に対抗する術無いのにどうやって対処しろって言うの!」
パートナーのブラッドクロス・カリン(ぶらっどくろす・かりん)が慌てふためいた声を出した。
「スカサハ達、囮役をすることになったのであります! 触手さんなど、スカサハの本気に比べれば、なんてことないのですな! 里也お姉さま、これは…スカサハ本気出していいのでありますか?」
「もちろん」
パートナーのスカサハ・オイフェウス(すかさは・おいふぇうす)が尼崎 里也(あまがさき・りや)の言葉に安堵の色を見せた。
里也の手には、何故かカメラが握られている。
エロイの大好きな写真家の確信犯。その名は里也。
(囮役の人たちが触手に捕まった時のセクシーショットを撮らせていただくのでありますな!)
危うく笑いそうになって、里也は口を押さえた。
「タネ子さんの所に行くには触手の森を通らないと行けないんですよね……自分達が囮になります。可愛い子たちに囮なんて危険なことはさせたくありません。…その代わり、自分達の分…ほかの方々よりも多めで…」
最後の方は恥ずかしそうに、朔は言った。
「大の甘党なので…タネ子さん…甘いと嬉しいです…」
「──行っくぞぉ〜!」
突然、脇をすり抜けて東條 カガチ(とうじょう・かがち)が触手へと突進していった。
タネ子の頭収穫の予定だったが、変更して触手を齧ってみることにした。
思い立ったが吉日。ここで食わねば食い倒す会の名が廃る!
「タネ子さんとは初顔合わせだもんね。奴の恐ろしさなんか知らないよ。とりあえず突っ込んでやるぞぉ──あっ!」
「……」
案の定、カガチは触手に捕まってしまった。
第一号だ。
「あ……ぁぁあ、あんっ! そこらめええ!!!」
「ぇえ………」
男の渋い声が、辺りに響く。
……な、萎える…
「男の娘ならともかく、ただの女装や男性が乱れるくらいならいっそ私が!」
神代 明日香(かみしろ・あすか)が飛び出した。
(そうは言ってもただでは転びませんけどねー。百合園に普段いないし役にたたなくちゃー)
明日香は胸パッドを着用し、AからBになったメイド服姿でやって来た。
「あなた! 渋い声で喘いでも、こちらとしてはギャグにしか聞えませんですぅ!」
「そんなこと言ってもさぁ〜…あ、あんっ」
「……私が行きますぅ! ──わっ」
いきなり触手に足を取られ、明日香はその場に崩れた。
だがその時。
何かの拍子にパッドが地面に落ちてしまった。
「あ……」
「あぁ……!」
そこにいた全員が、転がっていくパットに釘付けになる。
慌てて明日香は拾い上げ──…そしてゆっくりと、皆に笑顔を向ける。寒気がする程の殺気を含んだ──
その笑顔に、触手までもが後ずさった。
「あなた達は……今、何も見ませんでしたよねぇ〜?」
みんな赤ベコのように首を縦に何度も振った。
「こ、怖いわ……」
アリア・セレスティ(ありあ・せれすてぃ)がそう呟いた瞬間。
触手は狙っていたかのように襲いかかってきた。
それでもアリアは応戦する。
「くっ……前回は可哀想だから手加減したけど、今回は本気なんだから!」
アリアは【破邪の刃】で触手を切り裂いた。
だが、やがて数に圧倒され触手に呑み込まれてしまう。
「……ま、また酷い目に……あ、あぁ、前回よりも数が……いやああああ!」
盛大に復活した触手の森の奥に引きずりこまれていく。
「ダメッ! そんなところ、入ってこないで! やあああああ!!」
触手の先から零れる不気味な粘液。
それが衣類に付着すると、まるで水に溶けるかのように──
「ひああぁあ!? 離してぇ、お願い……ぁん! 見えちゃう! 見えちゃうぅ!!」
「アリアさま……」
真口 悠希(まぐち・ゆき)が、触手に玩ばれているアリアを見て、口元を手で押さえた。
視線を反らしたいのに反らせない……!
悠希は頬をぴしゃりと叩いた。
「今日は……ボク自身が身も心も静香さま同然に! ボクは桜井 悠希です! 静香さまの様なえっちじゃない清らかな心で周りを見れば……」
アリアのあられもない姿を見て、少し前屈みになりつつも悠希は大きく息をついた。
「赤面…鼻血、出ないですっ! 静香さま…ボクやりました!大成功ですっ!」
「危ないですわっ、悠希さん!!」
「え?」
留美の悲鳴に似た声が聞えた瞬間、悠希の腕に巻きついてくる触手。
「えぇ!? いやぁぁんっ…今のボクが襲われたらまるで静香さまが触手にやられてるみたいで……ああっ、でもそれは見たいかも…!」
悠希は必死に抵抗するが。
「ひああああんっ…もっと、してっ…」
「──……もしかして、助けない方が良いんだろうか?」
悶える悠希を見ながら、レイディス・アルフェイン(れいでぃす・あるふぇいん)は頭をかいた。
「悠希はもうちょっと放っておくとして──…っ!」
レイディスは、視線の先にいた、ほとんど衣服を身に着けていないアリアの姿に顔を真っ赤にして、慌ててそっぽを向いた。
「あああ、あの粘液、衣服…溶かしちまうのか?」
ちょっとオイ待て。ヤバイだろ!?
「もう許してぇ! やだ! そこ、触らないで……ふあぁあああん!」
「!?」
アリアの泣き叫ぶ声が聞える。
「殺気看破を発動、近寄る気配を頼りに触手を斬るッ!!」
レイディスは、チェインスマイトや轟雷閃で切り払っていった。
「だ、大丈夫か? ──!? わ、悪い! 見るつもりじゃ……」
間近で視界に入れてしまったアリアの裸体から、目を背ける。
忘却せねば。
そして。
「……と、とりあえずこれ、着とけよ」
レイディスは着ているブラックコートをそっと掛けてやった。
◆
「──さぁ〜撮影会の時間なのだよ。触手コレクションの作成だ……」
毒島 大佐(ぶすじま・たいさ)が、触手と戯れている皆の姿を、こっそり嬉しそうに撮っていた。
しかし残念ながら、そのデジカメはカガチには向けられていなかった。
男は眼中に無いらしい。カガチ残念。
大佐は照準を合わせる。
「あ?」
あまりにも夢中になりすぎていた為、近くに行きすぎて触手がまとわり付いてきた。
「邪魔!」
大佐は七首でバッサバッサ切り倒し、軽く爆炎波をかまして燃やしてやった。
「我の邪魔はさせないのだよ」
「本当だよね」
「?」
声のした方を見ると、スケッチブックを抱えたジョゼット・オールビー(じょぜっと・おーるびー)が、笑顔を向けた。
「そこ、結構見える? 絶好のポジション??」
「え? あ、まぁ……」
「触手に絡まってる少女とかって滅多に描く機会ないからさ」
そう言いながら、ジョゼットは大佐の隣に腰を下ろした。
「こんなカオスな温室絵にしない訳ないじゃん!」
「我もそう思う。最高なのだよ」
「あ! ねーねーお姉さんこっち向いてー! ……うんうんキレイじゃん!」
ジョゼットは触手に絡まれている人達に、ポージング注文をし始めた。
◆
「ここは自分が囮になります。危険ですから、秋日子くん達は下がっていてください」
東雲 秋日子(しののめ・あきひこ)のパートナー要・ハーヴェンス(かなめ・はーべんす)が、身を挺して前に出る。
要はサーベル型の光条兵器で応戦し、触手から皆を守るために自らを囮にした。
要の指示に従い、一旦は後方で待機したい秋日子だったが。
(守られてばっかりじゃダメだよね。っていうか、もし要が触手に捕まったら色々とヤバい気がする……)
秋日子は触手とやりあっている要を見守りつつも、要が触手に捕まってしまった場合を妄そ…もとい想像する。
「……エロい…かも」
(じゃなくて!! もし服が溶かされでもして、要が男だってバレたら…退学させられる!?)
「それはだめぇーーー!!」
秋日子は駆け出した。
要を守るために立ち向かって行ったが、大声を出したせいであっさり触手に捕まってしまった。
「あ、秋日子くん!? ──ぅわっ!!!?」
秋日子に気をとられた要自身も、触手に捕らえられた。
「ぐぅ……っ」
引き千切ろうと力を込めれば込めるほどに、拘束が強まる。
先から涎のような粘液を垂らした触手が、徐々に近づいてくる。
「いや…いやぁあぁ……!」
秋日子が弱々しく首を振っている。その横で、唇を噛み締めながら触手に耐える要。
「…そこ……いやぁーらめぇぇええ!!!」
とうとう堪えきれなくなった二人は、誰ともなしに助けを求めた。
「──あたしの武器はランスだけじゃないわ、光条兵器のマントだってあるんだから! 覚悟!」
カロル・ネイ(かろる・ねい)が、触手を切り払っていく。
(『触手VSビキニアーマーの騎士』これは燃えるわね)
カロルはくすりと笑った。
「ほらほらどうしたの!? これでおしまい?」
じりじりと間合いを詰めていく。ぐったりとしている秋日子と要を見ながら、カロルは腕を伸ばした。
「助けに来たわ! 手を伸ばして! ふふん、他愛も無……って、えええ!?」
伸ばしかけた手に巻きつく触手。
ビキニアーマーの隙間へと入り込んでくる!
「……ううぅん……ぁぁぁあああん」
カロルの口から艶のある声が漏れた。
「光学望遠ズーーーーーム!!!!」
どりーむ・ほしの(どりーむ・ほしの)は高画質デジタルビデオカメラを構えながら叫んだ。
「ふふふ、みんな可愛いわ……」
太腿に絡みつく触手、スカートの中に入り込む触手、胸元から服の中に入り込む触手、口の中に入る触手、露出する白い肩、白い胸元、落ちる下着、太股を伝う大量の汗──
「素晴らしいですっ…タネ子さん…うちにも一つほしいですわ!」
触手に捕まった女の子たちは抵抗しても振りほどけず、裏腹に、身体は反応している……
「あたしはその全てをカメラに収めたい!」
「きゃ〜っっ! どり〜むちゃん、たすけて〜!!」
「?」
炎術やアシッドミストで、どりーむに襲い掛かる触手を退けていたパートナーのふぇいと・たかまち(ふぇいと・たかまち)が、触手に捕まっていた。
「たすけて〜!!!!」
「………」
「ど、どりーむちゃん…?」
「ふぇいとちゃん、かわいいわっ!」
飛び上がらんばかりの喜びの表情を浮かべると、どりーむは即座に照準をふぇいとに合わせた。
「どりー…きゃっ! 変なとこ触んないでっ、ひゃぁっ」
袖から服の中へ触手が入り、太股やお尻に触手が絡みつく。
「ひゃんっあ、あ、だめだめっ、そこはどり〜むちゃんしか…だ…めなの〜」
「いいわぁ〜」
「──応援に来ました!」
霧島 春美(きりしま・はるみ)が触手に向かって駆けていく。
「ニャンコ! ニャンコはデビュー戦なんだから、気合い入れて行こうね。みんなを助けて真のヒーローになるのよっ」
パートナーの超 娘子(うるとら・にゃんこ)が、その言葉を合図に高い場所へと駆け上る。
「本日がデビュー戦☆触手狩りの輝けるヒロイン、ウルトラニャンコここに参上!! ……あれ誰も聞いていない…」
キョロキョロと辺りを見回すが、皆自分のことで手一杯で娘子の台詞は耳に入っていなかった。
駆け出した春美も既に触手の餌食になっていた。
「ぁ、いやっ! …でも、ちょっと気持ちいいかも……」
恍惚の表情が見え隠れする春美。
(せっかく徹夜でポーズも考えたのに。春美すら聞いてくれてないし…っていうか、触手にからまれてるのにどうして楽しそうにしているんだろう?)
このやるせない気持ちを触手に向けてやる。
「にっくき触手をショック☆シュート(だじゃれ)!」
娘子は春美の援護を始めた。
「──皆さんっ! 大丈夫ですか!?」
神楽坂 翡翠(かぐらざか・ひすい)は声を張り上げた。
(とりあえず、助けないと、やばいですよね? 色々と……)
「お〜絶景、絶景だな。見事だ」
パートナーのレイス・アデレイド(れいす・あでれいど)が笑いを含んだ声で言った。
触手に巻き込まれた人を見て拍手をしている。
「冗談を言ってる場合じゃありませんよ。……もうマズイでしょう。弱いので、役に立たないかもしれませんが……」
翡翠は触手に絡まって動けなくなっている人の側へと駆け寄った。
腕を掴んで引っ張り出そうとしていると──…不幸属性発動=触手に巻き込まれてしまった。
服の間から覗く白い肌。
弱点の背中の傷へと、触手が伸びていく。
「あれ……あいつ、あの場所って……」
レイスの顔が曇る。
「な? やば、そこは……!」
傷に触れられた瞬間、翡翠の意識が飛んだ。
「あ〜…やらたよ……面倒だが、行くか……」
レイスは捕まっている翡翠を救出に走り出した。
◆
「うわっ!!」
ルイ・フリード(るい・ふりーど)は眼を覆った。パートナーのリア・リム(りあ・りむ)が驚いた顔を見せる。
巫女装束姿の美しい少女、橘 柚子(たちばな・ゆず)が光術でルイの目をくらまし、氷術で足を滑らせるよう地面を凍らせ雷術でスタンガン代わりの電撃を発し、ルイを捕縛した。
「え? え? ええぇええぇ? なんですかこれは????」
「ここで会うたが100年目……」
「柚子……ちゃん?」
「この間は本当に怖かったどすなぁ……怖くて怖くて……」
柚子はぞっとするような綺麗な笑みルイに向けた。
「ギルティ オア ノットギルティではなくギルティです……タネ子さんの餌になってもらいます!」
「ふ……ふわぁああぁあああ!!!!!」
ルイは暴れた。
ジャングルの王者風に素っ裸に腰蓑一丁という男前スタイル(股間の紳士は見られない絶対領域仕様)が返って仇になってしまった。
武器になるようなものが何も無い!!
「リア! リア!! 助けてください!」
まるでSMプレイのような格好になっているルイに、リアは後ずさりする。
(食欲は置いといてと今回僕はルイとあまり一緒に行動したくないというかなんというか【あの格好】はちょっと……。当の本人はいたって真面目であるし生暖かい目で見守りつつ突っ込みを抑えつつ…と思っていたのだが)
「………」
タネ子に食われたって害は無いし。
それに──
柚子の笑みが、怖い。
頷いて、ルイを柚子に差し出した。
「おおきにどすぇ〜」
「こぅらぁあああああぁあああ!」
柚子にずるずる引きずられ、ルイはタネ子の前に転がされた。
「ひぅ!」
目の前にやってきたタネ子が口をあけ──
「貴様ら待ちかねたぞ!!」
中から突然仁王立ちの変熊 仮面(へんくま・かめん)が現れた。そして貧血でも起こしたのか……倒れる。
──タネ子の中で萎びていたのは全裸に薔薇学マントの変熊仮面。
調子の悪いケルベロス君を尻目に温室に侵入し、タネ子に食われていたのだ。
柚子に助けてもらうと、腕組みをし、首ブリッジの姿勢からいきり立った。
「百合園の温室って言うから、
『お姉さま?食虫花が暴れてましてよ?』
『うふふ…。それではお行儀良く躾けないといけませんわね。』
『スカートはひるがえさない様に…』
うふふ♪うふふふ♪っての期待してたんだぞ。何が触手だ! 何が黄金水だ! バーカ! おまえらバーカ!!」
「……羨ましかったんでおまんな?」
「うっ! うぅうううるさい!! というわけで一からやり直してもらおうか! まず誰か食われろ!!」
「………」
柚子がルイに冷たい視線を送る。
リアは哀れみを含んだ眼でそれを見ていた。
「よし、貴様だ! 素っ裸にしてやる──ってええぇぇぇええ!? なんでもう素っ裸なんだ!?」
「人のこと言えないでしょうが!」
「うぬぬぬ……俺様の楽しみ奪いやがってぇ…」
(この人達には近づきたくない……)
リアは深い深い溜息をついた。
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