なし

リアクション

　
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「ペンネーム、三下軍師さん。
　俺の友人にＧ・ＴとＴ・Ｔの二つの本名を持つヒーローがいるんです
　そいつは意中の相手がいるのに呼吸するかのごとく他の女性に恋愛系フラグを乱立させてます
　この野郎のハーレム状態をぶち壊す方法はありませんか？
　それとクィーンヴァンガード所属のＴ・Ｋも同じ症状を持つんで出来れば万人向けの方法をお願いします
　また、夏になると湧いてくる……。げふんげふん。
　今度、一緒に叩き潰しに行きましょう。丸めた新聞紙なら私が用意します。
　だいたい、今年【シャンバラン、ショオォォォック！！（Ｖ）】歳になる私でさえ彼氏がいないというのに、生意気ですよね」
　絶妙のタイミングで、電子兵機レコルダーが、用意しておいた音素材でピー音を入れる。だが、それがピー音でいいのか！？
「なんでここで変な音入れるのよー。まだ隠すような歳じゃないのよー。もういい、次行くもん。
　ペンネーム、蒼学のヴァルキュリエさん。
　契約相手の友人におっぱい党なる怪しげな政党を立ち上げた方がおられるのです
　先日も浴衣コンテストなるものを開催して審査員になっていましたが後で聞くと胸の大きさなどを見ているおっぱいポイントで優勝者を決めてたんですよ！
　このような人にはどんな天誅が効果的でしょうか？」
　またおっぱいですか。今日は、おっぱいとリア充死ねみたいな投稿ばっかですよねー。
　それは、対抗して、お尻党をあなたが立ち上げるしかないでしょう。頑張れー」
　
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「ああ、素麺が美味しい……」
　黙々と素麺を啜りながら、閃崎　静麻（せんざき・しずま）がちょっとじじくさく言った。
　武神牙竜と樹月刀真の突き刺すような視線をさらりと受け流す。ここは、我知らず我関せずを貫き通すのが吉だ。
「ええっと、お素麺の追加を茹でてきますね」
　そそくさと、レイナ・ライトフィード（れいな・らいとふぃーど）が台所へと逃げだした。
　それにしても、ここに集まった者たちは実に分かりやすい。これでは、誰が何を投稿したのかがバレバレだ。
　
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「ペンネーム、パパメガネさん。
　最近友人のＫ月Ｔ真くんのリア充っぷりが目に余ります
　隙あらばフラグを立て、暇があれば（性的な意味で）何かを掴み、気が向けば十二星華の唇を奪うという、
　凄まじいやりたい放題っぷりです
　それは凄いですね。十二星華の誰とキスしたのかしら。それによっては、刺客が山ほど襲いかかってきそうですね。やっぱりここは伏せておいた方がいいのかな。
　このまま彼を放置したら、いつか恵まれない男達に爆発させられるのではないかと心配でなりません
　どうにかして彼のフラグをバキバキにへし折り、何の変哲も無い一般人に戻してあげたいのですが、
　どうすればいいでしょうか？
　別に羨ましいわけではありません。純粋に彼の心配をしているだけです。別に羨ましいわけではありません
　大事な事なので二回言いました
　本当ですか？　うらやましくない？　うらやましくない？　大事なことなので二回言いました。
　わ、私だってうらやましくなんかないもん。
　大丈夫です。そんな男は、いつかパートナーの女の子に後ろから撃たれるに決まっています。保証します。後で、福神社に不幸になるようにみんなでお参りに行きましょう。あそこなら、そういった呪いはききそうですものね。
　さて、次はペンネーム、グレネードの花嫁さん。
　パートナーが光条兵器を使ってるところを見たことがありません。
　もしかして光条兵器ではなく、私の身体目当てで契約してきたのでしょうか。
　今現在そのパートナーと同棲しているのですが、そう考えると不安で不安で、
　毎日身奇麗にしてからでないと夜も眠れません。私はどうすればいいのでしょうか？
　身綺麗って……。ここはやっぱり、リア充死ねというべきなんでしょうか。ふう……」
　
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「身奇麗って何！？　覚悟完了！？　言っとくけど手なんか出さないし今までも出した覚えないからな！？」
　放送を聞いた如月佑也が、これ以上ないといったふうにあわてる。
「そうだっけ？記憶喪失だから覚えてないや。てへ♪」
　自分の投稿じゃないと否定することもなく、アルマ・アレフ（あるま・あれふ）がちょろりと舌を出して笑った。
「待っ、違うから。そーいうんじゃないから！」
「ほーう、どこが違うっていうんだ、この口か……」
　まだ頭から蕎麦を滴らせた樹月刀真が、ゆらりと如月佑也に近づいた。
「いいだろう。実践してやろう。光条兵器を取り出すときはこうだ！」
　樹月刀真は如月佑也の腕をつかむと、その手をアルマ・アレフのたっゆんな胸に押しあてた。
「まあやだ、思い出しちゃうじゃない」
　アルマ・アレフが、恥ずかしそうに樹月刀真ごと如月佑也を押し飛ばす。
「だから、俺は何もしていないと……」
　否定しかけて、如月佑也は樹月刀真と共にオゾンの臭いを感じて戦慄した。
「刀真のぶわぁかあぁぁぁぁ！！」
「んぎゃあ！」
　漆髪月夜の放電実験で、樹月刀真と如月佑也に天誅が下された。
　
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「リア充なんて、雷に打たれちゃえばいいのよー！！
　はっ、ごめんなさい、現実に帰りましょう。
　次の質問は、ペンネーム、カタリーナさんからです。
　拝啓　残暑厳しき折、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
　さて、本日は折り入って質問があり、お手紙を差し上げました。
　お仕事柄、話すことには慣れてらっしゃると存じていますが、
　人と話す際に緊張を和らげる秘訣はございますか？
　私は臆病な性質が災いして、友人はおろか、パートナーとさえ目を合わせて話すこともままなりません。
　暑熱耐え難き時節、夏風邪など召されませぬよう、ご自愛ください。　敬具
　これはこれは御丁寧に。ぺこり。
　さて、パートナーとさえ話せないというのは大変ですね。
　そうですねえ、ここはひとつパートナーと一緒にサイオニックにクラスチェンジしてはどうでしょうか。
　サイオニックになれば、精神感応で目を見たり言葉を使わなくても会話ができるそうですから。凄いですよねー。
　でも、ちゃんと訓練を積まないと、思ったことがパートナーにだだ漏れにもなるみたいですから、ちょっと大変かも。
　くれぐれも、変なことは考えちゃだめですよ。恥ずかしいこととか考えたら、すぐにばれちゃいますから。
　でも、そんな精神感応なんか使わなくったって、パートナー同士は強く結ばれているものなんです。たとえ言葉なんか交わさなくても、今何を考えているのか、顔を見ればすべて分かって……、あっ、それじゃ、ますます顔を合わせにくくなっちゃうかなあ……」
　
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「お姉様、どうしたのですか？　出てきてください」
　イルミンスール魔法学校で、学生寮の扉の一つをどんどんと叩きながらマリア・ハッツフェルト（まりあ・はっつふぇると）が真夜中だというのに叫び続けた。
「嫌なのだよ、恥ずかしいんじゃん！」
　扉のむこうからセルシア・フォートゥナ（せるしあ・ふぉーとぅな）の声がする。
　二人してラジオを聞いていたのだが、マリア・ハッツフェルトの飼っているカラスの名前の投稿が聞こえてきたとたん、突然、彼女は廊下に出されてしまったのだ。
「そんな、カタリーナの名前を使ったことなんて、怒っていませんからー。この前何かお手紙を書いてらしたのは、ここに送るためだったの……」
「嫌ー、ばれてるじゃん」
　固く閉ざされた扉のむこうから、セルシア・フォートゥナの声だけがむなしく響いてくる。
「お話が苦手なことなら、大丈夫よ！　姉さまはお綺麗ですもの、今のままで充分素敵な………」
「そういう問題じゃない！」
「じゃあ、いつもと違う口調でお手紙を出されたのが恥ずかしいのですか？　凄く丁寧で素敵なお手紙でしたよ。お姉様、とにかく入れてください。あーん」
　騒ぎに何事かと集まってきた他の学生たちを見回して、マリア・ハッツフェルトは泣きそうな声で叫び続けた。