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第7章 その視線の先を見るものは・・・

「いろんな種類を作っていたら時間がかかっちゃったよ。次はチョコレートのスコーンを作ろうかな」
 館にいる真は振るっておいた小麦粉やベーキングパウダーなどの粉類を、バターにまぶしながらある程度ゴムベラで刻んでからパン粉状になるまで手ですり合わせる。
 刻んだチョコを混ぜた後、くぼみを生地の中心に作り卵と牛乳を入れてから周囲を崩し混ぜ合わせる。
「こんな感じかな?」
 まとめた生地を冷蔵庫に入れて30分ほどねかせる。
「―・・・もう出してもいいみたいだね」
 携帯で時間を確認し、冷蔵庫から出す。
 生地を小麦粉をまぶしたまな板に乗せ、三角になるように切り、170度に温めたオーブンの中に入れて15分ほど焼く。
「出来たっ!熱々のうちに食べてもらおうかな」
 冷めないうちにと皿に乗せて寝室へ持っていく。
「どうぞ」
「ありがとう・・・ございます」
 作ってもらったスコーンを、はむっとオメガが食べる。
「―・・・美味しい」
「美味く出来るかちょっと不安だったけど、喜んでもらってよかったよ」
「へぇー、上手く作ったな」
 垂が出来立てのスコーンを見る。
「プレーンもあるよ。どんな味が好きか分からないからいろいろ作ってみたんだ」
「そう・・・なんですの?」
「雨の日が苦手な友達がいてね、雨が降ると不機嫌になっちゃんだよ」
「どうして・・・ですの」
「術が上手く発動しなくて、プシュンッって消えちゃうんだ」
「面白いねーその人♪」
 くるくると回りながらミニミニが興味津々に真の話を聞く。
「外に何かいるか?」
「今のところいないねぇ」
 小声で言う垂に窓の外を警戒する栞が言う。
「皆が戻るまで警戒を怠るなよ」
「分かってるって」
「―・・・オメガさん?」
 じーっと霧を見つめる魔女に真が声をかける。
「(魂が引き合っているのかな?その光景が魂を通して見えているのかな)」
 ゴーストタウンにいる魂が見ている様子は、彼女も見えているのかもしれないと心の中で呟く。 
 その頃、マンション内ではある異変が起きている。
「な、何!?何も見えないわよ」
 闇に包まれたルカルカたちはダークビジョンでも見えなくなってしまう。
 ドッペルゲンガーと遭遇したことで、魂の心が不安定になってしまったのだ。
 また来る捕まえに来る。
 その恐怖の言葉に魂から暗闇が発生し、皆と逃げようと包む。
「(意識が・・・。―・・・オメガ、私たちから手を・・・離さないで、逃げないでね・・・)」
 オメガの手をぎゅっと掴んだまま、泡たちは気を失った。
 十天君たちとドッペルゲンガーから逃れるために、生徒たちとどこへ逃げるのか。
 それはまた、目が覚めてからのこと。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

おやすみなさい、とお疲れさまです。
次回のガイドで目が覚めた場所が分かります。
友情をぶち壊そうとする連中から逃げた場所ですね。

秦天君のスペックは、ほぼ何も設定していないので素手です。
次回も武器なし、技なしの素手ですよ。
とりえは身が軽いと言葉、というくらいでしょうか。
柏天君につきましては、次回のガイドで分かるかと思います。

一部の方に称号をお送りさせていただきました。
それではまた次回、シナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。