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クロネコ通りでショッピング

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クロネコ通りでショッピング
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リアクション

 
 
 
 クロネコ通りをメイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)たちと歩きながら、フィリッパ・アヴェーヌ(ふぃりっぱ・あべーぬ)は感慨深く呟いた。
「メイベル様たちと一緒に散歩でこんなところに来るとは思いませんでしたわ。久しぶりですわね」
「あら、フィリッパさんはここに来たことがあるんですかぁ?」
 周りを物珍しそうに眺めていたヘリシャ・ヴォルテール(へりしゃ・う゛ぉるてーる)が、フィリッパの呟きに気づいて尋ねる。
「ええ。メイベル様と契約する以前のいつぞやに来ましたわね」
 懐かしく眺める店の中には見覚えのあるものも見受けられる。その1軒に目を留めて、あら、とフィリッパは微笑んだ。
「ムカシヤさんもあの時のままですわね」
「ムカシヤさん……?」
 フィリッパの言葉にメイベルも足を止め、店の扉を眺める。何か心惹かれるものを感じて、ここに入りましょうかとメイベルはムカシヤの扉を開けた。
「何を売ってる店なんだろうね」
 セシリア・ライト(せしりあ・らいと)はメイベルの後について入っていったけれどフィリッパは、
「ワタシは外でお待ちしていますね」
 と、ムカシヤの斜向かいにあるオープンカフェへと向かった。ヘリシャもフィリッパと共に外で待つことにして、カフェでコーヒーを頼む。
「フィリッパさんが以前来た時には、ムカシヤさんはどんなお店だったのでしょう〜?」
 ヘリシャに聞かれると、フィリッパはカップを口に運ぶ手を止めて微笑した。
「あの店は……心の琴線に触れるものが置いてあるのですわ。……それは本人にとって必ずしも良い物とは言えないのですけれど」
 果たしてそれが良いものかどうか。開けてみるまで分からないのがもどかしい。
「良いお買い物が出来ると良いのですが……」
 そう言ってフィリッパはゆっくりとお茶に口を付けた。
 一方メイベルは、こんにちはと声をかけて店に入ったものの、置いてあるものすべてが箱に入ったままなのに戸惑っていた。とりあえずぐるりと店内を見渡してみる。
 セシリアの方はといえば、メイベル同様に店の様子に面食らったものの、すぐに1つの箱に目を留めた。その箱を見ているだけで心がざわざわして落ち着かない。
(この箱には何が入ってるんだろう……)
 けれど、セシリアはその箱に手を出そうとはしなかった。
 箱の中身は分からない。けれど何故か、この箱を開けてはいけない気がする。箱に入っているものを目にしてしまえば、封印されている間に消えてしまった記憶が呼び覚まされてしまうような気がして。
 セシリアは箱から視線をはずせないまま、じっとその場に佇んだ。
 メイベルも気になる箱を見つけていた。
「すみません、中を見せて頂いてもよろしいですかぁ?」
 尋ねてみると、店主はわずかに顎を動かした。それを肯定と取って、メイベルは箱を手に取った。
 ……中から音が聞こえる。郷愁を誘うような音色が。
 思い切って箱を開けてみると、そこには古ぼけた小さなオルゴールがあった。
 メイベルはオルゴールをよくよく見てみた。脚の部分に小さな傷がある。その傷に気づいた途端、メイベルの胸はちくんと痛んだ。
 ……シンシアの大切にしているものだからと気を付けて扱っていたはずなのに、ついつい音に気を取られてオルゴールを机にぶつけてしまった。ごめんなさいと謝るメイベルにシンシアは、こんな傷どうということもないと笑ってくれたけれど、そのオルゴールを見るたび、いつも胸が痛んだ……。
「シンシアさんのオルゴール……?」
 けれどあのオルゴールは、シンシアと一緒に墓に埋めたはず。こんなところにあるはずがないのに。
 けれど、メイベルの手が、耳が、このオルゴールはシンシアのものだと告げている。
 疑問は尽きないけれど、ここでこうして巡りあったのも不思議な縁のなせる業なのだろう。
「これを買わせていただきたいのですが……」
 声をかけると、それまで置物のように動かなかった店主が顔をあげ、金額を口にする。その代金を払うと、メイベルはオルゴールを大切に胸に抱いて、店を出たのだった。
 
 
 
 クロネコ通りにはびっしり店が建ち並んでいる。
 どこも面白そうなものが売っていて、神和 綺人(かんなぎ・あやと)たちは店先を覗いてはどこの店に入ろうかと、相談しながら歩いていた。
「あ、あのお店入ってみようよ」
 ふと目に留まった店を綺人が指さす。
「このお店に入るのですか?」
 多くの店の中から綺人がこの店を選んだのは何故だろうかと、神和 瀬織(かんなぎ・せお)は『ムカシヤ』と書かれた小さなプレートを眺めた。何の店なのかも分からない、客を呼び込もうという気がないような店構えだ。
 それは外観のみならず、店に入っても同じだった。
「箱ばかりですね……」
 瀬織が店内を見回して言うと、綺人も頷く。
「うん、ずいぶんたくさんあるね。でも、何で箱だけ?」
「中身が分からないと、買いようがないです……」
 これでどうやって買い物しろと言うのかと、クリス・ローゼン(くりす・ろーぜん)は箱ばかりが積み重なる異様な店内を眺め渡した。中身が分からないものを購入出来ない。かといって、かたっぱしから箱を開けていくのもはばかられる。
 けれど、綺人はその中から1つの箱を見いだしていた。
 古びているけれどしっかりした作りの、細長い箱だ。
「店主さん、この箱開けてもいい?」
 綺人は店主にことわってから、箱を開けてみる。
 中に入っていたのは……刀だった。
 綺人より先にユーリ・ウィルトゥス(ゆーり・うぃるとぅす)が怪訝そうに呟く。
「……何故この刀がここに……?」
 それは、綺人の実家にあるはずの刀。綺人の兄が、『あの子にはまだ早いから』と言って蔵に封印したことを、ユーリは憶えている。
 店で売られているはずのないものなのに、刀は確かにここにある……。
「これは綺人の父親のもの……しかも、妖刀といわれていた曰く付きの刀。今もあの屋敷の蔵で厳重に保管されているはずです」
 それは共に蔵に封印されていた自分もよく知っている、と瀬織は眉をひそめた。
 あの蔵から持ち出された? いや、それは考えられない。けれど現に刀はここにある。
「一体これはどういうことなのですか? 店主さん?」
 瀬織の問いに、店主はわずかに首を傾けた。分からない、ということなのだろうか。
「本当に……ここは不思議なところですね」
 起きるはずのないことが起きる場所。
 あるはずのないものが売られている場所。
 それがクロネコ通り。
「アヤのお父様の刀なのですか?」
 この中で1人だけ、刀のことを知らないクリスが尋ねた。
「うん。初めて父さんに会った時、僕が真剣を扱えるようになったらくれるって約束してくれたんだ。……結局約束は果たされなかったけれど」
 幼少の頃、綺人は母子だけで生活していた。この刀を見せてもらったその時が、綺人が父に会った最初の時。そして……最後の時となった。
 約束は果たされることなく父は他界し、刀は屋敷の蔵に封印された。無銘の打刀であるそれには呪いがかけられており、人が扱うには危険すぎたから。
 そう説明する綺人の話を、クリスは刻み込むように聞いた。
 複雑な家庭環境らしい綺人にその過去は聞き辛かった、という所為もあって、クリスが綺人から父親の話を聞くのは初めてだ。
 その一端でも聞くことが出来、綺人のことがまた1つ分かったようで、クリスは嬉しかった。
「この刀、買おうかな」
 綺人は箱から刀を取り出してみた。しっくりと手に馴染む気がする。
「……買うのは良いが、綺人、扱いには気をつけろ……。お前やお前の家族には呪いは効かないが……他の人間には効くんだからな」
「うん、ユーリ、分かってるよ。でも、なんだか父さんが引き合わせてくれたみたいに感じるんだ。もう、僕が持っていてもいいんだよ、って。――すみません、これ下さい」
 購入することに決め、店主に代金を支払っている綺人を眺めつつ、ユーリは思う。
(……呪われた刀を息子に贈る父親……会ってみたかったな。……綺人に似て、大人しい性格だったとは聞いているのだが……)
 綺人の父が何を考えてその刀を譲ると言ったのか、真実を知る父は既にこの世の人ではない。
 けれど、その思いはきっと刀に宿り綺人に伝えられるのだろう。
「お待たせ」
 笑顔で戻ってくる綺人の顔が曇ることがありませんようにと、パートナーたちは心に祈るのだった。
 
 
 
 時には1日のんびりとした休日も必要だ。
 そう思ったルイ・フリード(るい・ふりーど)は、今日はマリオン・フリード(まりおん・ふりーど)の好きなところ、どこにでも付き合うことにした。
「久々のお休みなのですから、たくさん一緒に楽しむのですぅ」
 マリオンはルイの手を取って、ぐんぐんとイルミンスールの森を歩いていく。
「はは、マリー、そんなに急がなくても時間はたっぷりありますよ」
 ルイが笑顔でマリオンに言ったとき、目の前をクロネコさんが走って行くのが見えた。
「あ! 噂のクロネコさんですぅ! お父さん行こう! トラップ・トリック・トリップ!」
 マリオンはしっかりとルイと手を繋いだまま、クロネコさんを追って茂みへと飛び込んだ。森の小道は一転して、賑やかな街の風景へと変わる。
「わぁ〜楽しそうなところ〜♪」
 はしゃぐマリオンの様子に、ルイは小耳に挟んだことのある噂を思い出す。目の前を横切ったクロネコゆる族。そしてマリオンの唱えた呪文。ということは。
「ここはクロネコ通り? 噂では聞いた事ありますが、まさか本当にあったとは……」
 賑やかなるも夢、まるで幻のような雰囲気だと通りを見渡していると、ふと1軒の店が目に付いた。
「あれ、お父さん何処見て……『ムカシヤ』?」
 ルイの視線をたどって、マリオンは扉にかかったプレートの名前を読んだ。
「気になるお店ですぅ」
「入ってみましょうか」
 どちらともなく引き寄せられて、マリオンとルイはムカシヤに入った。
「たくさんお箱があるのですぅ。このお箱、見ても良いですかぁ?」
 マリオンが気になる箱を見つけるのとほぼ同時に、ルイも目が離せない箱を発見していた。
「見せて貰っても良いでしょうか?」
 どちらにともなく店主がわずかに頷いたのを確認すると、2人はそれぞれの箱を開けた。
「これは……」
 細長い小さな箱を開けたマリオンは、そこにアクアマリンのペンダントを見つけた。失ってしまった、死んだ母から貰ったペンダント。もう二度と手にすることはないのだろうと諦めていたのに。
「今度は何があっても失わないですぅ。だから買っても良い? お父さん。……お父さん?」
 反応がないのをいぶかしみルイを振り仰いだマリオンは、ルイの頬に伝う涙に目を見開いた。
「この古びた篭手は地球に居た頃の師匠のものなんです」
 ルイは箱の中にある篭手に愛おしげに触れた。
(……あの頃私は弱かった。なのに、師匠に鍛えられ強くなったと過信してしまった。いい気になって一人暴走し、危ういところを師匠に助けられた。だがその所為で師は……。師の生きた証、ここに受け継ぎます)
 流れる涙をルイは拭う。
「店主さん、この2つの箱を下さい」
 代金を払って受け取った箱は、妙に重く感じた。
 マリオンに小さい方の箱を渡しながら、ルイは誓う。
(マリーの母親さん、あなたの娘は渡しが強く、強く育てます)
 そして自分は大きい方の箱をしっかりと腕に抱えた。
 師匠のことは、悲しいけれど大切な想い出だ。過去を捨てるのではなく、それを受け入れて前に進もう。昔の自分より、今のこの瞬間の自分より、心も身体も強くなる為に――。
 
 
 
 自分が呪文を唱えてクロネコ通りに引っ張り込んだというのに、こちらに到着すると白絹 セレナ(しらきぬ・せれな)はさっさと九条 風天(くじょう・ふうてん)を置いて店巡りを始めてしまった。
「私は必要なものを見繕ってくるから、その間適当にそこらの店にでも入っていてくれ」
「白姉……って行ってしまいましたか」
 通りに取り残され、風天は苦笑した。セレナの買い物を待つ間、家で留守番している坂崎 今宵(さかざき・こよい)に何か土産でも買っていこうかと、風天は一番最初に目に付いた店に入っていった。
 何を売っているのかも確認せずに入った店内にあるのは箱ばかり。ハズレの店に入ってしまったかと、出て行きかけた風天の目がふと1つの箱に留まった。
「見せてもらってもいいですか?」
 店主に断ってから箱を開けてみるとそこには……銃が2丁収められていた。
「これは、ボクと彼女の……?」
 まさかこんな所にあるはずないと思いながら確かめれば、スライド部分にはナイフで彫られた星のマーク。そのマークを風天が見間違えるはずもない。確かにそれは、初めて風天が手にした銃と、彼女の銃だ。
 ……幼少の頃、風天は強盗に家族を殺され、自身も気が付くとテロリストの暗殺者養成所に売られていた。彼女もまた、その養成所で生活していた。
 口のきけない彼女は、よく夜空を見ていた。月明かりに輝く銀の髪が印象的だったのを憶えている。
 幾度目かの任務を共に終えた風天が、いつものように空を見上げていた彼女に近づくと、彼女は上を指さした。
 空にあったのは降るような星たち。彼女はひょいと風天から銃を取り、ナイフでスライド部分に星のマークを彫った。そして同じ位置に星のマークが彫ってある自分の銃を見せて笑顔になった。
 どんな意図で彼女がそうしたのかを風天は尋ねなかったけれど、恐らく、彼女なりの相棒と認めた証だったのだろう。
 ……組織から抜ける際、風天は長年の相棒だった彼女と決闘することとなった。風天を背後から狙っていた暗殺者に気づいた彼女は、瞬時に狙いを変えて風天を救った。風天はそれに気づいたものの、すでにトリガーは絞られ……発射された弾丸は彼女を貫いた。
 風天の腕の中で満足そうな笑顔をみせて彼女は息を引き取り、セレナが全てを潰し終わった後、簡単な墓を作って埋葬した。
 その時、風天は彼女と自分の銃を箱に置いてきた。撃つ指を止められなかったことを悔やんだ風天はそれ以降、銃を手にしていない。そしてきっとこれからも風天が銃を持つことはないだろう……。
「ここにいたのか風天」
 風天がじっと銃に目を落としていると、背からセレナの声がかけられた。近づいてきて風天の持つ箱をのぞき込んだセレナは、買うのかと尋ねる。
「いえ、今のボクにはもう必要ないものですから」
 自分で足りぬことならセレナや仲間たちもいるからと、風天は銃の入った箱に蓋をした。
「それに……ボクにとっては命のやりとりをするのに、銃のトリガーはあまりに軽すぎます。――材料を買うんでしたよね。行きましょうか」
「ああ。買う物は多いから覚悟してくれよ」
 はいはい、と笑うと、風天は何も買わずにムカシヤを後にしたのだった。
 
 
 
 三笠 のぞみ(みかさ・のぞみ)がしばらく地球に呼び戻されていた所為もあって、沢渡 真言(さわたり・まこと)と幼馴染み同士で買い物をするのは久しぶりだ。
 最近は落ち着いてきていたのぞみも、今日は嬉しさを隠しきれずに、あちらの店を指さしては笑い、こちらの店のショーウインドウに釘付けになり、とクロネコ通りを楽しんでいる。
「噂でしか聞いたことないんだけど、ここにはおしゃべり姉妹のやってる喫茶店があるんだって。何だか面白そうだよね」
「でしたら、そこまで行ったらお茶にしましょうか」
「うん、そうしよっ」
 真言に元気よく頷いた後、のぞみはちょうど視線の先にあった扉に目を留めた。
「……あれ? ここ何のお店なんだろ?」
「ムカシヤさん、ですか。何か昔にまつわるもの……アンティークでも売っているのかも知れませんね」
「アンティークかぁ……入ってみようよっ」
「そうですね。ではどうぞ」
 真言はムカシヤの扉を開き、のぞみを店内に通した。
「あれ? アンティー……ク?」
 入ってみた店内は、想像していたのと全く違う。素敵な小物は影も形もなく、あるのはただ箱ばかり。拍子抜けするのぞみに真言もそっと囁く。
「どうやら違うようですね……」
「こんなに箱ばっかり、何が入ってるのかな?」
 のぞみはすぐ近くにあった細長い箱を手に取った。軽い箱の中でしゃらっとかすかな音がする。
 何だろうと開けてみれば、中には銀のロザリオが2つ入っていた。
「これ、うちの中学の……」
 のぞみと真言が通っていた中学では、入学時にそれぞれのイニシャルが彫られたロザリオが贈られる。箱の中に入っているのは、そのロザリオと全く同じデザインだった。
 まさかと思いながらロザリオを確認すると、それぞれにのぞみと真言のイニシャルが彫られている……。
「変なの。あたしのロザリオは実家に置いてきたはずなのに。……真言?」
「あ……そ、そうですね」
 何の気無しに振り返って見た真言は、食い入るようにロザリオを見つめていた。のぞみに呼ばれると、真言は返事こそしたが、目はずっとロザリオに釘付けになったままだ。
 のぞみは知らないけれど、真言はパラミタに来る前に自分のロザリオを中学校に返還していた。もう二度と、手に取ることはないだろうと思っていたロザリオを前にして、様々な想いが湧き上がってくるのを真言は止められない。
 パラミタに来る前……真言は執事になるため、遠くの場所で修行する為に退学することになっていた。それが、パートナーと契約したことによって変更され、のぞみとともにイルミンスールに来ることになったのだ。
 執事になろうという決意をした時、真言はロザリオを返還し、長かった髪も切った。それだけ真言にとって、重い決断だったのだ。
 無意識に真言が髪に触れると、それに気づいたのぞみが昔を懐かしむように言う。
「昔からずっと、真言は髪を長くしてたのにね」
 同じことを考えてくれたのだと、真言はのぞみに微笑を返した。様々な要因と出来事があったけれど、それが自分とのぞみを結びつけていてくれる。のぞみと2人で来たクロネコ通りでこのロザリオを見つけたのも、また何かの巡り合わせなのだろう。
「真言はそれ、買うの?」
「ええ。今度こそ、ずっと手元に置いておこうと思います」
「だったらあたしも買おうっと。実家にあるロザリオがどうなってるのか、ちょっと気になるけど、ま、いいよねっ」
 2人は自分のロザリオをそれぞれ購入すると、店を出て喫茶店のある方へとまた歩き出した。思い出話にゆっくりと花を咲かせるために。