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オオカミさんにご用心

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オオカミさんにご用心
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「わぁ……広い!」
 タオルを巻いたまま更衣室から出てきたのはホイップ・ノーン(ほいっぷ・のーん)だ。
 エルと一緒にやってきたホイップは旅館で偶然出会った美羽とメイコに誘われ、この大きな混浴露天風呂に来ていた。
「あ、ホイップさん!」
 話しかけてきたのは、こちらもタオルを巻いている朝野 未沙(あさの・みさ)だ。
「あれ? 1人?」
「他の人もいるんだけど、私が一番早かったから先に来ちゃった」
 ホイップがそう言うと、未沙は内心ほくそ笑んだ。
(チャ〜ンス!)
「ねえ、ホイップさん。実は今、メイド修行中なの。協力してもらっても良いかな?」
「もちろん! どうすればいい?」
「ありがとう! じゃあ、ホイップさんここに座って。あとはあたしに任せて」
「うん」
 未沙はホイップの髪を濡らすと、手でシャンプーを泡立てる。
 十分に泡だったところで、ホイップの髪を洗い始めた。
「どこかかゆいところとかある?」
「ううん、気持ちいいよ〜」
「良かった♪」
 洗い終わるとしっかりとシャンプーを流す。
 それから、はちみつの入ったヘアパックをたっぷりと髪になじませる。
「わぁ、良い匂い」
「うん、カミツレとラベンダーの香りだよ。リラックス出来て良いよね」
「うん」
 2、3分置いてからヘアパックも洗い流す。
「さてと……今度は体洗うね」
「え!? 良いよ……そんなことまで」
「良いの、良いの。あたしのメイド修行なんだもん。それとも嫌?」
「う、ううん……えっと、じゃあお願いします」
 未沙はその答えを聞くと、ネットを使ってボディソープを泡立てる。
 きめ細かな泡がたくさんできると、ネットから泡を取り、自分の手に乗せる。
 その泡と手で未沙はホイップの体を洗い始めた。
 ホイップにタオルを少したるませてもらって、背中を洗う。
 しっかりと前を隠したまま、背中側のタオルだけをたるませている状態だ。
「ホイップさんの肌、相変わらずすべすべ〜」
「そ、そうかな?」
「うん♪ 洗ってて気持ち良いもの。それに……ちゃんとくびれが出来てる」
「きゃっ」
 未沙は腰からお腹へと両手を滑らせる。
「それに……もしかして、また大きくなった?」
 お腹よりも上に手を持って行き、柔らかなふくらみを手のひらで念入りに洗う。
「ひゃ……ぅ……。そんな事ないと……思うけど……」
「そんな事ないと思うよ? ちゃんと下着屋さんで測ってもらったほうが良いよ? 合わない下着はよくないんだから」
 未沙は右手を胸に残したまま左手を下の方へと円を描きながら動かしていく。
 太ももの内側へと手を入れようとすると、ホイップは慌てて足を閉じるが、泡のせいですんなりと入ってしまう。
「もう……ホイップさん可愛いんだから♪」
 ここからというところで、他の人たちも温泉に入ってきた。
「ど、どんな状況!?」
 コハクは見ないように後ろを向き、火焔は鼻血が少し垂れていた。
 ホイップはというと、メイコと美羽たちに助けられたのだった。
(残念。もうちょっと楽しみたかったのに)