リアクション
夕日が落ち、静まり返った夜の暗闇の中。
間接照明に照らされたジゼル中央に囲み、女性達が彼女を見つめている。
吹き飛ばされた衝撃で、ジゼルは意識を失っていた。
「私達……間違っていたんだわ」
ぐったりと動かないジゼルを見降ろして、誰かが口を開いた。
それをきっかけに女性たちは皆見つめ合う。
「そのせいでジゼル様が私達の犠牲になってしまったんですわ」
「そうよ、お互いに許し合わなきゃ」
「こんな事二度とあっちゃいけないんだわ」
「皆、許しあいましょう!!」
女性達は手を取り合い、彼女達の上に、ジゼルを持ち上げる。
するとジゼルの胸元にあったアクアマリンの欠片が俄かに輝きだした。
「ここは……皆! 分かってくれたのね」
青い光に包まれたジゼル何時の間にか目を覚ましていた。
「あれは……」
喧騒から遠くから場所、ベンチの上からその光景を目にしいた弥涼総司静かに口を開いた。
「聞いた事がある、この業界に古より伝わる伝説」
その言葉を繋げて紡いだのは国頭武尊だ。
「その者、青きブラジャーを纏いて肌色の大地に降り立つべし……」
美しい光景に、強盗団の男達の目からは涙が零れ落ちた。
「……俺達、自首するよ」
強盗団達はその光景を見ながら、すがすがしくもすっきりした表情だ。
「わっしょい、わっしょい」
「うふふふ、うふふふふ」
「わっしょい、わっしょい」
柔らかな胸が上下に揺れる肌色の大地の上で、ジゼルはいつまでもくるくると回っていた。
*
「本当に申し訳ありませんでした!!」
女性達の前で土下座する強盗団。
「ま、分かればいいのよ分かれば」
どうやらこれ以上ないくらい猛省しているようなので、今更攻める者など一人も居なかった。
「ね、立って? もう大丈夫だから」
そんな強盗団達に、ジゼルは手を伸ばしてやる。
彼女の慈悲深い笑みに、強盗達は号泣している。
「すまねぇ、ありがとう」
一人の強盗の男がジゼルの手を取った。
が、土下座中に痺れた脚は縺れ、
「うわあ」「きゃああ」
ジゼルを巻き込んで倒れてしまった。
そして、小さな衝撃の後、強盗の手はジゼルの胸の上に乗っていたのだ。
「あ……」
「あ?」
「い……」
「い?」
「いやあああああああああああああ」
ジゼルの叫びは魔力を含んだ歌と為り、力を持って青く輝くと
爆発した。