天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

決戦! 秘密結社オリュンポスVSヒーロー戦隊

リアクション公開中!

決戦! 秘密結社オリュンポスVSヒーロー戦隊
決戦! 秘密結社オリュンポスVSヒーロー戦隊 決戦! 秘密結社オリュンポスVSヒーロー戦隊 決戦! 秘密結社オリュンポスVSヒーロー戦隊

リアクション

「……オリュンポスの連中が普段からやらかしてる事を考えると大丈夫だとは思っていた。
 んで、実際にここにきてみりゃヒーローやら怪人やらショーみてぇな事態になっていて何が起きてるのかよく解らなかった。
 んだからとりあえず、アリッサとハデスのヤツをどつけばいいって思ってここに来た……」
「ベルクさん、痛い! 痛いですよ!」
「だが、蓋を開けてみりゃうちのフレンがいるにも関わらずレーザーぶっ放す奴がいた。これがどういうことかわかるか? ポチ?」
「……許されざることですね」
「ほう、気が合うじゃねぇか。その通り、許されねぇよな。って、わけだ。この喧嘩、買ったぁ!!!」
 そこからいきなり『紅の魔眼』を使ってからの『クライオクラズム』を爆発させるのはベルク・ウェルナート(べるく・うぇるなーと)。そしてその脇に抱えられていて、そのあまりの魔力に吹き飛ばされて宙を舞い、現在フレンディスの胸の中にいるのは忍野 ポチの助(おしの・ぽちのすけ)だ。
「お二人も来ていたんですね」
「ご主人様がサロンパスだかコロンブスだか知りませんが、中々アリッサさんをを迎えに行ったきり帰ってこなかったので、探しに来たんです!」
「それは、心配をかけて申し訳ないです? ……マスターも心配して下さったのですか?」
「……じゃなきゃここまで来ねぇよ! ああもう! ったく、おい無機物クソガキ! ハデスの前にお前から苛めてやるよ」
「あ、いやちょっと! 帰る、帰るから!」
「今更、おせぇ!」
 ベルクが躊躇なく魔法を放ってくる。その攻撃はアリッサだけではなく、一緒にいたエリスたちを巻き込む。
「ちょ、ちょっと! あたしたちは関係ないでしょ!」
「フレンに攻撃したろ? ほらみろ、十分な攻撃理由になるだろうが!」
 存分に暴れまわるベルク。そんなベルクをポチの助を抱きながら見るフレンディス。
「私のために戦ってくれるとは、恐悦至極ですね……それになんでしょうか? こう、気持ちの奥底に得体の知れない、言葉では表現しきれない感情があるのは」
「きっと気のせいですよ!」
「そうなのでしょうか。……ハデスさんなら何かご存知でしょうか」
「知らないと思います。絶対に!」
「おらおらぁ! にげねぇとボッロボロで洋服が飛散しちまうぞぉ!」
「や、やめてー!」
「やめなさい! こっちはただでさえ際どい薄着なんだからー!」
 暴れるベルクに正体不明の気持ちを抱えながらもマイペースを貫くフレンディス。その姿を遠くから見て、何やら呟く者がいた。

「魔法少女は必殺技を使った
 ロボットは滅多打ちにされている

 吸血鬼の攻撃
 モブ怪人に15648のダメージ
 モブ怪人は倒れた
 吸血鬼はLvが上がった
 吸血鬼は乱暴度が上がった
 吸血鬼は気が立っているようだ

 金狼はマイペースを貫いている
 家出娘の衣服が多少破れた」


 呟くようなナレーション?をしていたのは東 朱鷺(あずま・とき)。今回は表をパートナーたちに表舞台を任せ裏からナレーション的なことをしつつ、バッチの力見極めていた。

「悪の女幹部は巻き込まれている
 吸血鬼の攻撃
 しかし、かわされてしまった。
 
 悪の女幹部の攻撃
 魔法少女はミスリルバットを使った
 悪の女幹部の攻撃は効かなかった
 悪の女幹部は地団駄を踏んでいる」


 どこかのゲームを思い出すナレーション。
「……おっと、少し夢中になりすぎていたようですね」
 ようやく自我を取り戻した朱鷺。『ホークアイ』と『加速薬』を使用しながらバッチの力を間近で見極めていた際、夢中になりすぎて先ほどのナレーションをしてしまったようだ。
「だが、バッチの力……これほどまでは思いませんでした」
 実際にその眼で見ていた朱鷺は素直にそう思う。全てのヒーローや怪人に何の条件もなく力を増幅させることが可能であり、普段では不可能と思われることもできてしまう。
 これだけの力を秘めているのにも関わらず、本体は軽く小型のバッチ。
 更に言えば、危険物という形ではないためどこにでも持ち運びができる。
「普通の兵器よりも強く、厄介なものです。それにしても、余波がここまでくるとは。さすがに危険ですね……」
 そうは言いつつ後ろには引かない朱鷺。バッチの力がそうさせるのだ。使っていなくともその強大すぎる力は、誰をも惹きつける。

「―――シュバルツは進行を開始した
 ハデスは笑っている
 陶器も笑っている
 
 ヒーローたちはハデスのほうを向いた
 吸血鬼は笑っている」


 こんな風に、惹きつけられてしまうのだ。

「フーハハハハハハ! まさかあのロボまで撃退するとは、恐れ入ったぞヒーロー諸君! よもや最後の手段……このシュバルツヴァルトとドクター・ハデス、更に下にいる怪人が貴様等に絶望をくれてやろう!」
「我もいるぞ!」
 遂に動き出したドクター・ハデス、マネキ・ング。そのハデスを乗せたシュバルツがその重い口を開ける。
「……我に怪人の力など要らぬ。千年以上の時を生きてきた我に、小細工など無用也
 新たに得たこの種モミ剣士の力で、ハデス殿を守り抜いてみせる也。行くぞ」
 そう言いながら前進を止めないシュバルツ。更にその下には【カロンの小舟】に乗ったルビー・フェルニアス(るびー・ふぇるにあす)がいた。
「腐腐腐、腐腐腐腐腐、腐腐……私は、腐敗の使者。少しずつ少しずつ弱っていくあなたたちはどんな表情を見せてくれるのかしら? 楽しみだわ、腐腐腐」
 シュバルツヴァルドという大きな波に乗ってこちらにやってくるルビー。
「疲れ切っているお前たちに、シュバルツヴァルドを止められるかな? フーゥハハハハハハ!」
 ハデスが勝ち誇ったように高笑いをする。何度目かの、しかし圧倒的な絶体絶命。
 しかしピンチがあればヒーローは駆けつける。何時も、どんなときもそれは絶対だ。