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MNA社、警備システム開発会社からの依頼

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MNA社、警備システム開発会社からの依頼

リアクション

 剛利たちが戦闘している隙を縫ってフラッグに向かう二つの姿。
 柊 真司(ひいらぎ・しんじ)リーラ・タイルヒュン(りーら・たいるひゅん)である。
「あっちが暴れてくれるおかげで前進できたが、それもどうやらここまでのようだな」
「いいんじゃない? 今までが上手く行き過ぎていただけよ〜」
「そうだな。他にフラッグに向かって行ってくれてる人もいるようだし、ここは一つ引きつけるとしよう」
「賛成。さあて、対機動兵器戦、楽しんでいくわよ〜」
 二人の前に現れたのはまたも強行型の無人機。この地点は広く動き安いため、強行型にも守りやすい地形なのだ。
 無人機がマシンガンを二人に撃つ。無論、おいそれと当たる二人ではない。
 しかし無人機のマシンガンはあくまでも囮、本命は強行型の最大の武器であるブレードによる一撃必殺。
 無人機がブーストを使い、一気に真司に詰め寄る。しかし。
「おいたはだめよ? 私がお相手するわ〜」
 その腕に竜を携えたリーラが強烈なブレードの一撃を止める。【ドラゴニックヴァイパー】で作り出したドラゴンの頭の噛み付きで止めたのだ。
 そのまま顎の力で砕き潰そうとするリーラだが、無人機はそれを許さない。
 すかさず照準をリーラに定めて、マシンガンで正確に狙い打つ。
「ざーんねーん。私のドラゴンは双頭なのよ〜」
 もう一方の腕にも【ドラゴニックヴァイパー】を使用してドラゴンを作り出し、マシンガンの弾を弾くリーラ。
 その一瞬、ブレードを咥えていた方のドラゴンの力が逸れたのを見逃さなかった無人機がブーストを逆噴射し、緊急離脱。
「あら? 中々考えて戦うものね〜面白くて結構よ」
「なら、俺も混ぜてもらうとしよう」
 今まで攻撃を仕掛けていなかった真司。だがただ動いていなかっただけではなかった。
 『行動予測』を使用して、無人機の回避地点を算出、ブーストの瞬発力を考慮して真司も『歴戦の飛翔術』を使用。
 完全にガラ空きになった無人機の斜め上空から、【魔銃ケルベロス】と【M9/Av】を使用しての『魔弾の射手』によるそ超連速射撃。
 瞬く間に無人機の装甲に弾痕がついていく。だが、装甲に物をいわせて耐え切る無人機。
 激しい弾雨が終わった後、上空にいる真司をブレードで一閃する。
「元々これで倒せるとは思っていない。だからこの攻撃も当たらない」
 継続中の『行動予測』から、ブレードの一閃を『銃舞』で交わす真司。
 一旦無人機から距離をとった真司。そこへリーラも合流する。
「攻守共に悪くはなく、戦い方にも無駄がない。どうするの〜?」
「……さっきの攻撃で確信した。やはり関節部はどうしても装甲が薄くなっている。そして奴等の最大の弱点。センサー」
「私たちでいう目ね〜そこを潰しちゃおうって魂胆?」
「面倒でなくて何よりだ。俺がセンサーを潰すから、フォローを頼むぞ」
「もう少し遊んでいたいけれど……仕方ないわね〜」
 作戦を決めた二人。それとほぼ同時に攻めてきた無人機。
 自身の攻撃を止めたリーラは厄介と判断し、真司に攻撃を絞る。
 しかし、真司は動かない。それどころか無謀にも無人機へと突っ込んでいく。
 これに対して無人機も、更に前へ出てしまう。そう、そこは既に。
「私の間合いよ?」
 両腕を【ドラゴニックランス】に変異させて、無人機へ強烈な突きを放つ。
 それも装甲部分ではなく、装甲と装甲のもろい部分である関節部を貫いたのだ。
 こうなってしまうと最早串刺し状態で無人機は身動きが取れない。
 そして無人機のセンサーが最後に捕らえたのは。
「お前はまだ赤子だ。戦場への迷い子。負けるのは至極当然だ」
 両手に銃を構えた真司の姿だった。
 
 センサーを破壊し、一機を行動不能にした真司たちに負けまいとフラッグ奪取へと向かうのはレリウス・アイゼンヴォルフ(れりうす・あいぜんう゛ぉるふ)ハイラル・ヘイル(はいらる・へいる)
「他の者も奮戦している。俺も敵を殲滅せねば申し訳がたたん」
「いや、目的違ってるから」
「違ってなどいない。俺が奴等を殲滅している間にハイラル、お前がフラッグを奪取する。
 これだけ開けている土地であれば戦闘は避けられまい」
「……へぇへぇ、お前がそういうのならいいよいいよ。お好きにどうぞ」
 レリウスとハイラルは【フロイデ】に搭乗し、空から一気にフラッグへ向かう。
 それを確認した強行型無人機の三機目がショットガンで二人を堕とそうとする。
「くっ、あのでかさの散弾銃は少々手痛いか。これ以上の強行はできん」
「どうするんだ」
「ここで降りる。奴は俺が引き付ける。その間お前は【フロイデ】に乗って機を伺え。タイミングだと思えば、あとは任せる」
「了解了解っと、あんま無茶すんなよ?」
 ハイラルの言葉を聞いたかも定かでないまま、レリウスが【フロイデ】から飛び降りる。
「俺が相手を勤めよう。とは言っても、人の言葉を解する事はないか」
 機動兵器、レリウスの両者が向き合ったまま動かない。
 どう動くか、どちらが動くのか。先の読みあい。下手に動けば後手に回ることになる。緊張感が当たりを支配する。
 その静寂を破ったのは機動兵器だ。ショットガンの照準をレリウスに合わせる。
 それを受けたレリウスは散弾銃の特徴から考慮し、後ろに飛び跳ねる。
 しかしショットガンはフェイク、機動兵器はショットンガンを下げブーストを使用して前進、その片腕にはブレードを構えている。
「賭け引きもできるか。大層なシステム、だが俺もお前にひとつ引っ掛けている。おれは一人じゃない」
「その通り! 本日の天気は晴れ時々爆弾日和だぜ!」
 【フロイデ】で待機していたハイラルが『破壊工作』を使用して、レリウスがいた飛びのく前にいた地点に爆弾の雨を降らせる。
 突然の急襲に突撃をストップさせられ、足が止まる機動兵器。それだけで終わるレリウスではなかった。
「お前等は、機動兵器、だろ? ならば止まったらそこにあるのは死だと思え」
 爆弾の雨を掻い潜り機動兵器に『ランスバレスト』を使用する。
 しかし、その攻撃をブレードで防がれてしまう。ブレード、更にその下にある装甲にダメージは分散され、致命傷にはならなかった。
「咄嗟に武器を盾にするとは、機転も利くようだな。申し分ない性能だな」
「けど悪いが、フラッグは頂くぜ? もう守ってる奴はどこにもいないからな」
 レリウスの攻撃に機を取られている機動兵器、そのタイミングを利用してハイラルがフラッグに猛突進していた。もうフラッグは目の前である。
「これで終わりだ!」
『残念ながら、そうはいかないわ』
 突如としてハイラルの前に現れたもう一機の機動兵器。
 そしてそれに搭乗するは技術者を目指す才女天貴 彩羽(あまむち・あやは)だった。