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MNA社、警備システム開発会社からの依頼

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MNA社、警備システム開発会社からの依頼

リアクション

『相談は終わったみたいだな。それじゃ行くぜ!』
「あなたの相手は私たちよ。援護お願いね」
「はいですぅ」
 エヴァルトの相手をするのは日奈々と千百合の二人。
「行きます……ですぅ」
 日奈々が『神降ろし』を自身にかけてから、【召喚獣:サンダーバード】を行使。
 狭い通路は瞬く間に機動兵器と召喚獣で埋め尽くされんばかりだった。
『機動兵器に乗っててもでかいもんだな! さすが召喚獣だ!』
「戦うのはその子だけじゃないけれどね」
『おっと。悪いが即座に倒れるわけにはいかないんでな』
 ハンドガンから放たれる弾雨が千百合を襲う。
「まともに喰らえばひとたまりもない。だからこそ、使わせてもらうわ」
 腕につけている腕輪が形を変えて、淡い光を放つ大盾となる。【魔式光盾】、あらゆる攻撃から使用者を守る物。
『……こりゃハンドガンじゃ役不足か。ならブレードで!』
「そうは……させんませんですぅ」
 ブレードの切っ先が千百合に向かう前に日奈々が動く。
 召喚獣でブレードの動きを妨害、更に自身は『天のいかづち』を使いエヴァルトに攻撃。その追撃として召喚獣も突進。
『ぐおっ!? こいつは強烈だな……』
 痛烈な召喚獣の突進をブレードを盾にして何とか食い止めるエヴァルト。
『一回距離を取るか、ほらよ!』
 ブーストを使い床を焦がしながら後方へ。その際、ハンドガンの弾倉を代え、空になった弾倉を日奈々に投擲。
「そうはさせないわ」
 弾雨から逃れた千百合も機敏にそれに反応、すぐさま日奈々の下まで引き返し『光条兵器』を展開し空弾倉を真っ二つに切り落とす。
『あちゃー、もっとも会いたくなかった光条兵器か……まあやるしかないよな!』
 エヴァルトがあることか壁を蹴り、無人機では置こうなうこともできまい機動で二人に向かう。
「中々懐に入らせてもらえないけど、攻めに転じるのなら話は別。日奈々は相手の隙を作ることに専念してね」
「はいですぅ……無理は、しないでくださいね」
「大丈夫、日奈々には絶対に触れさせない」
「そういうことではなくてぇ……でも、ありがとうですぅ」
 言い交わして、千百合が大盾を構えて自らと日奈々の身を守る。
 策の第一段階、エヴァルトの注意を引く及び行動の抑制は成った。
 二人がエヴァルトを引き付けてる間に、残りの六人は甚五郎がいる曲がり角へ移動。
「数を引き連れてきたか。いい判断だ」
「あの人数、押し切られるかもしれませんね」
「わしたちはここを抑える、ブリジットは抜けたものの阻止。これしかできぬ、あとは気合だ!」
「……どうやら精鋭四人で押し切るようですね」
『受けてたつぞ! 存分にかかって来い!』
「言われなくともそのつもりです!」
 真、セレン、セレアナ、レオナーズが同時に甚五郎へと向かい戦闘を開始。
『閉所でのショットガン、その凶悪さを思い知るがいい!』
 飛散する弾、一斉に広範囲に飛び散り四人を襲う。だがレオナーズの『氷術』を主に契約者側も攻撃に対して応戦。
 その攻防も始めは甚五郎の優勢だったが、一時を境にそれは逆転する。
「甚五郎、もうすぐショットガンの弾が切れます。リロードをしてください」
「……やむを得ぬか。一旦下がる。ブリジットの支援を期待しよう」
 そうして甚五郎が角から退き、通路へと移動。それを見逃さず、四人も通路へと進行。
 更に蒼と四季も行動を開始。曲がり角まで走り、何やらしている。
「いそがないとー!」
「そうねーこの戦いはそーたんにかかっているのかもしれないわよ」
「い、いそげいそげー!」
 二人が後方で何かをしている際も、四人は戦い続ける。
「……さすがに狙いが付けにくい。こうも狭い場所にもう一機がいれば当然ですか。ですが、狙い撃ちます」
「頑張ってください! ブリジット!」
 乱戦状態にも屈せず、甚五郎に当たらないように契約者を狙い打つブリジット。だがやはり照準は完璧とは言えず、甘い弾道の弾はことごとく阻まれる。
「……おっけー! みんなかんせいしたよー!」
「さがってくださーい!」
 その掛け声に反応し、四人は後退する。
「おかしいですね。このまま押し切れたかもしれないのに、一度引くとは……何か策があるのでしょうか?」
「何にせよ、こちらも角を死守せねばいずれ突破される。待ち伏せがあったとしても、気合で乗り切れよう!」
「……腑に落ちませんが仕方ありませんね」
 勇は訝しげながらも甚五郎の言っていることに間違いはなく、角への戻ることを容認する。
 甚五郎たちは待ち伏せに備え、角に戻る。がそこに待っていたものは待ち伏せではなかった。

―――――ズガシャッ!

「なっ!?」
「これは、落とし穴ですか?」
 小さな、人一人が落ちれる程度の落とし穴。甚五郎はその落とし穴に片足を突っ込んだ状態に陥る。
「それに、油か? うまく抜けられんぞっ!」
「ならブーストを使って抜けましょう」
「そうはーさせないんだー!」
 蒼が【オイルヴォミッター】と『放電実験』を交互に使い、抜けようとする甚五郎の行動を制す。
「四季さん!」
「はいはーい! お料理開始ね♪」
 真と四季が身動きの取れない甚五郎へと向かう。
「悪いけど、足腰を叩かせてもらうよ!」
 『ヒロイックアサルト』で強化した肉体を使い、間接部等隙間がある部分を重点的に攻撃。
「やっぱり油には火よねぇうふふ」
 油にまみれた機動兵器に対して、【メラうさちゃん】が突貫。燃え滾っているその身を武器にしてフライパンを振るう。
 そして引火。油を伝い炎が燃え盛る。
「蒼、四季さん! ここは任せます!」
「はーい!」
 それを見た真は攻撃をやめて、ブリジットの方へと向かう。それに続き、セレン、セレアナ、レオナーズも進行を再開。
「……ライフルの連射速度では間に合いませんが、近づかれる前にお一人でも行動不能にしたいところですね」
「っていうか甚五郎めっちゃ燃えてる!? あれ平気なの!?」
 燃え盛る甚五郎が乗る機動兵器。だったが。
「気合だ気合! うおおおおおおおおおおおおおおおお!」
 ブーストをフルスロットルで噴射する、その際の衝撃で巻き起こる風圧により強引に炎を消す。
「あーきえちゃったー」
「なら、こっちもラストクッキングよ♪」
 【メラうさバーニングタイム】を使い、更なるフライパン捌きを会得した凶暴度満点の【メラうさちゃん】が甚五郎が乗る機動兵器を滅多打ちにする。
『ぬ、ぬおおおおおおお! いい気合だ! 兎よおおおお!』
「うわー……あのうさちゃん可愛い顔して、怖いですね……」
「そう言ってる間に、間を詰められましたよ?」
「えええええええ!? 速くないですか!?」
 四人は既にブリジットを間合いに捕らえていた。
「お三方は先に行ってください。射撃型との近接戦闘であれば、倒すことはできなくても足止めなら何とかなると思います!」
「オーケー! よろしくね!」
 そう言ってセレンとセレアナ、レオナーズはまだ見ぬ先へと姿を消した。
「射撃型での近接ですか。どうなるかはわかりませんが、尽力しましょう」
「こ、こうなったら私もできることをしますよ! どこに敵がいるかはまかせて! あとこの辺のボタンを適当に押してみて……」
「その辺は脱出装置ですので押さないでください」
「あっぶない!? もう少し早くに言ってくださいよー!」
「……ホリイは敵の索敵をお願いします」
 間合いを詰められても尚戦闘を続行するブリジットたち。
 こうして、何とか難関を潜り抜けた契約者たち。残すはフラッグの奪取のみ。