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『C』 ~Crisis of the Contractors~(後編)

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『C』 ~Crisis of the Contractors~(後編)

リアクション

「え? だれ?」
 どこからか声が聞こえてきたと同時にコード:S^2向けてサイスが飛来。バックステップして回避。サイスはそのまま地面に突き刺さる。
「やっと見つけたよ♪ 探したんだから♪」
 そのサイスの元に現れたのは辿楼院時雨(辿楼院 刹那(てんろういん・せつな)(てんろういん・せつな))だ。
「みんな、ずるいよー。なんで私を呼んでくれないのー?」
 頬を膨らませてせつな達に怒ってみせる。
「え、えっと……」
「話を聞いたんだけど、あの人『C』って言うんでしょ?」
「えぇ、そうだけど……」
「別に殺しちゃっても良いんだよね?」
「あぁ、やれるなら構わない」
「わーい! じゃあ、やっちゃうね♪」
 ナナシの返事を聞くとすぐさまサイスを引き抜き、時雨はコード:S^2に突撃した。大きなサイスを軽々と振り回し、素早い連撃を浴びせていく。
「それそれー♪」
 時雨の攻撃をうまくいなしていくコード:S^2。
「……反撃」
「おっと」
 隙を突いたコード:S^2の反撃。だが、時雨はそれを余裕で回避した。
「って、私たちも見てる場合じゃないわ。今がチャンスよ! 援護するわ!」
 せつなが氷の刃を形成し、放つ。
「そういうことならユメミも頑張るー!」
「私も手伝うわよ」
「僕もお手伝いさせていただきます」
 さらに、ユメミ、秋穂のサイコキネシス、セレナイトの雷術がコード:S^2に迫る。
「……!」
 さすがのコード:S^2も大きく後ろに下がって回避。
「行くぞ、合わせろ!」
「お任せください!」
 そこにナナシとアヤのコンビネーションアタック。
「……防御」
 二人の攻撃を、敵はナイフで防いだ。
「甘い!」
 だが、ナナシの攻撃でナイフが弾き飛ばされる。
「この人数相手に頑張るね♪ すごいすごい! こうでなくっちゃ!」
 そこに時雨がサイスを振るい奇襲を仕掛けた。
「……回避不可。ダメージ軽減」
 身体を捻り、時雨のサイスのダメージを軽減させる。コード:S^2。
「……損傷。戦況不利。一時撤退――」
「させないよ♪」
 逃げようとするコード:S^2の足を狙い武器を振るう。
「……! 脚部損傷……。逃走困難」
「もう終わりなの? これからってところだったのになぁ」
 物足りないなあ、と時雨は声を漏らした。
「未来をめちゃくちゃにしようとする人にはおしおきなんだからー!」
「悪いが、消えてもらうぞ」
「ばいばーい♪」
 これで終わり、と彼女はサイスを振り上げた。
「させないわよ」
 そこに、コード:S^2を守るようにパイロキネシスが放たれる。全員がコード:S^2から距離を取った。
「悪いけれど、殺させはしないわ」
 現れたのは茅野 茉莉(ちの・まつり)レオナルド・ダヴィンチ(れおなるど・だう゛ぃんち)ダミアン・バスカヴィル(だみあん・ばすかう゛ぃる)の三人。
「茉莉さん……?」
「どうして邪魔をするのー!?」
「申し訳ないけれど、『C』を保護させてもらう」
「『C』を保護? 正気か?」
「どうしてですか? 初日に『C』に関する行動について妨害はしないと約束したはずでは?」
「えぇ。だけど、例え未来から来た人物、未来に人類を支配するであろう人物だとしても、誰かが傷つく、あるいは死ぬ事を見過ごせないの。どんなマイノリティーでも手を差し伸べる、そう決めたから。だから前言撤回。『C』は私達が保護するわ」
 それは茉莉が生徒会選挙で掲げた公約だったが、時雨やナナシ、今年天学に入学したせつなには知る由もない。
「学院側には現在掛け合っている。時間はかかるだろうが、最悪亡命という形でも『C』を学院で保護できるように図らせてもらう」
「……それがどんな事なのか、分かっているのか?」
「たとえどのような結果になろうとボク達は、『C』を保護させてもらう」
「……悪いがさせるわけにはいかない。せつな」
「あ、うん……。茉莉さんには悪いですけど……」
「邪魔しちゃダメだよ!」
 時雨は先陣を切って突撃した。
「我が相手になろう」
 その前にダミアンが立ちはだかる。
「どいて!」
 時雨のサイスをミラージュや剣術を巧みに使い、受け流していく。
「茉莉さんの言い分も分かるけれど……ごめんなさい!」
「邪魔するなら容赦しないよー!」
 秋穂とユメミもサイコキネシスで物を飛ばし攻撃。
「甘い!」
 茉莉がそれらを銃で全て撃ち落す。
「行きます!」
 せつなも氷の刃を飛ばし、迎撃。
「この程度、造作もない」
 それらを時雨をいなしつつ弾き落とすダミアン。
「もう、邪魔しないで!」
「悪いがそれは出来ない」
「…………逃走準備完了」
 不意に聞こえたコード:S^2の声。茉莉がすぐに反応し、コード:S^2向けて銃を構える。
「保護するとは言ったけれど、逃がすわけには行かない。悪いけれど少し怪我を――」
「……フラッシュグレネード」
 どこからか取り出した閃光弾が炸裂。
「しまった!?」
「うわっ!?」
「わわっ! 前が真っ白だよー!」
 全員の視力が回復したときにはコード:S^2の姿はなかった。
「逃がしたわね……。でも、怪我の状態を見る限り、そう遠くへは逃げてないはず……! すぐに見つけるわ」
 茉莉達がすぐ行動に移る。
「ふむ、この勝負はお預けだ」
 ダミアンが時雨のサイスを防ぎ、弾き飛ばす。そしてその間に茉莉達と去っていく。
「……むぅ、もう少しだったのになぁ……」
「僕達はどうしますか?」
「やる事に変わりはない。保護される前に始末する」
「よーし♪ それじゃあわたしは一足先に探しに行くね♪ ばいばーい!」
 一足先に、時雨は探しに向かった。
「僕達も探しに行きましょう」
「あぁ、急ごう。向こうに先を越されると厄介だ」
「ええ!」
 せつな達もコード:S^2の捜索を開始した。

「……逃走成功」
 無事に逃げおおせたコード:S^2。
「やぁ、ちょっといいかい?」
 そのコード:S^2に声をかけたのはダヴィデ・アマネセル(五百蔵 東雲(いよろい・しののめ))だ。
「お前が、『C』ってやつなんだろ? さっきの戦闘、見させてもらったぜ」
「……!」
 コード:S^2は警戒し、すぐさまナイフを構えた。
「おっと、別にお前とやる気はないよ。むしろ協力させてくれ」
「……要求は?」
「あの、ナナシってやつが気に食わないんでね。だからお前の手伝いをしてやろうと思ってさ。どうだ?」
「……対象の排除が出来るならば……。好きに、すればいい」
「よし、じゃあ、少しの間よろしく」
 こうしてコード:S^2とダヴィデは手を組んだ。