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シャンバラの宅配ピザ事情

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シャンバラの宅配ピザ事情

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 とある怪物とのファーストコンタクトをとったにも関わらず、何も抵抗することなく、ピザをとられてしまった瀬乃は、2回目の配達に勤しんでいた。
 ただし今回は護衛付きである。
 瀬乃としては護衛など必要ないと主張したのだが、失敗した人間は信用が薄れていくものである。
 というわけで、同じくバイトの柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)が彼の護衛についていた。
 しかし、瀬乃は護衛の人選に不満があるようで、
「なんでよりによってコイツなんだ…」
 と呟いていた。
 柊には、とある体質があった。
 それは、とんでもなく『不幸』という体質である。
 まぁ、面倒なことに巻き込まれやすい、といった感じか。
 このバイトの場合、柊の行く先々には必ずと言っていい程蛮族が待ち伏せているのであった。
 柊あるところに戦場あり、といったところである。
 そして今回も例外ではないようで。
「オイ、にーちゃん達。その荷物全部置いてけ! そしたら悪いようにしねぇからよォー」
 とか言いながら数十人の蛮族が彼らの前に現れた。
 それに対し、瀬乃は
「ほーらな、コイツと一緒にいると絶対こうなるってのは分かってたはずだろ…。樹さんの人選絶対間違ってるよ」
 と、呟かずにはいられなかった。
 一方柊はもう慣れてしまっているようで、
「客でも無いテメェ等にくれてやれるのは鉛弾だけだボケェ!」
 とか言いながら既に戦闘態勢に入っている。
 それを見て、瀬乃はもう色々と諦めたようだ。
「ま、ここで騒いだところで状況が変わる事は無いしな。相手してやるか」