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第2回新ジェイダス杯

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第2回新ジェイダス杯

リアクション

 

第15ターン

 
 
『さあ、そろそろ結果が出るか、運命の第15ターンです。
 トップは……おおっと、ジャジラッド・ボゴル選手、ジャジラッド・ボゴル選手がトップに躍り出ました。終盤、恐ろしいほどの加速をもって、一気に各選手をごぼう抜き。ついに、トップに躍り出……。
 ああっ、速すぎたか!
 ジャジラッド・ボゴル選手、もろに機雷群に突っ込んでしまいました。
 まさに不運。
 南鮪選手と同じ末路を辿ります』
『まさに、やけくそ状態ですね』
「誰がうまいことを言えと……」
 思わず、お約束でアデリーヌ・シャントルイユがハリセンで綾原さゆみに突っ込みを入れた。
 
「ふふふ、わたくしの爆弾にこんがりと焼かれて、まさにやけくそ……。あら、被ってしまいましたわ。わたくしとしたことが、はしたない」
 にんまりとしながら、ほくそ笑むミネルヴァ・プロセルピナだったが、陣どった位置が悪かった。墜落していくジャジラッド・ボゴルの身体から飛び散った恐竜の糞が、流星雨のように降り注いできたのだ。
「えっ、ちょ、ちょっと……。ぎゅああああ……」
 
『ただいま、ジャジラッド・ボゴル選手の破片が観客席の一部へと降り注いでいったとの情報が入りました。約一名のお客様が救護室に運ばれたとのことです。皆様も、落下物には十分御注意してください。
 さあ、レースはその後どうなったでしょうか。
 現在、トップはイコナ・ユア・クックブック選手が返り咲きました。相変わらず、ドラゴンをペチペチしています。
 
 2番手はノーン・クリスタリア選手ですが、大帝の目ゾーンに突入してしまったようです。ですが、風術で、迫ってくる目玉を無事追い払ってレースに復帰しています』
『エリュシオン帝国内で、大帝の目を追い払うのははたしてどうなのでしょうか』
『いや、ただの障害物ですから、そこまで大事ではないと思いますが……』
 綾原さゆみの疑問に、ちょっと困ったようにシャレード・ムーンが答えた。もともと、ノーン・クリスタリアがエリュシオン帝国に敵意をいだいているわけではないので、大帝の目もそれほど睨んではいないようだった。
 
『おおっと、フォン・ユンツト著『無名祭祀書』選手、ここで止まってしまいました。なぜかしきりに後ろを気にしています』
 
「葵さん、どうしのかなあ。一緒に行こうって約束してたのに。もしかして、まだずっと後ろ?」
 フォン・ユンツト著『無名祭祀書』が、秋月葵を気にして後ろを振り返ったが、そこそこ離れていたので、豆粒のようにしか見えなかった。
 
『フォン・ユンツト著『無名祭祀書』が止まってしまったため、緋桜ケイ選手が追いつきました。揃って3番手ということになります。
 
 5番手は、雪国ベア選手。6番手は、秋月葵選手、7番手はクリストファー・モーガン選手、8番手はペルセポネ・エレウシス選手と続きます』
 
    ★    ★    ★
 
 
『ジャジラッド・ボゴル選手の盛大なリタイアによって、レースの行方はまたも分からなくなりました。
 上位の欄手は、ゴールの可能性が大です。
 それでは、各選手の順位と現在位置です』
 
 
1番手 イコナ・ユア・クックブック            93ブロック
2   ノーン・クリスタリア               90
3   緋桜ケイ                     85
    フォン・ユンツト著『無名祭祀書』
5   雪国ベア                     83
6   秋月葵                      77
7   クリストファー・モーガン             75
8   ペルセポネ・エレウシス&ヘスティア・ウルカヌス  72
 
 
リタイア    ジャジラッド・ボゴル