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リアクション
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『さあ、そろそろ決着はつくのでしょう。第7ターンです。トップを走るのは遠野歌菜選手&月崎羽純選手、続くのは小鳥遊美羽選手、両選手とも、ゴールはもう目の前です。続くのは風森巽選手&ココ・カンパーニュ選手ですが、なんと、ここで風森巽選手、加速を受けたあ!』
「運がいいな。まあ、まだ結果は分からないがな」
テンク・ウラニアが、シルバージョンを加速しました。
「よし、いっけえー!!」
風森巽とココ・カンパーニュが声を揃えて叫びます。一気にフル加速された二人が、なんと遠野歌菜たちとならびます。
『これは、分からなくなりました。トップスリーが、ほぼ横一線です。はたして、栄冠は誰の手に輝くのでしょうか! さあ、それを追うのは、4位の綾原さゆみ選手&アデリーヌ・シャントルイユ選手と5位のクリストファー・モーガン選手です。こちらも、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げています。さあ、第3グループも予断を許しません。こちらも、ここでイコナ・ユア・クックブック選手が加速したか!?』
「加速ですね。いってらっしゃーい」
パイフ・エラトの加速を受けて、イコナ・ユア・クックブックが頭一つ抜け出ました。
『6位、イコナ・ユア・クックブック選手。7位クリスティー・モーガン選手。8位、ルカルカ・ルー選手。9位、御神楽舞花選手です。やや遅れて、エリシア・ボック選手が10位でこれを追い上げます。さあ、最終グループは、11位スープ・ストーン選手&ナウディ選手。12位源鉄心選手&トレリン選手。13位、ミルディア・ディスティン選手です』
「スープに抜かれただとお!?」
ちょっとショックを受けて、源鉄心が叫びました。その後頭部に、後ろから迫ってきたジェイダス人形がゴツンと当たります。
「いってえ!」
「大丈夫リン?」
頭を押さえる源鉄心を心配してトレリンがなでなでしました。
『14位はダリル・ガイザック選手。ついに、最下位を脱出しました。替わって最下位に落ちたのは、ノーン・クリスタリア選手です。では、ここで全体の順位です』
1.99 風森巽&ココ・カンパーニュ
遠野歌菜&月崎羽純
3.98 小鳥遊美羽
4.87 綾原さゆみ&アデリーヌ・シャントルイユ
5.86 クリストファー・モーガン
6.78 イコナ・ユア・クックブック
7.77 クリスティー・モーガン
8.76 ルカルカ・ルー
9.74 御神楽舞花
10.69 エリシア・ボック
ジェイダス人形群
11.58 スープ・ストーン&ナウディ
12.57 源鉄心&トレリン
13.54 ミルディア・ディスティン
14.46 ダリル・ガイザック
15.36 ノーン・クリスタリア
★ ★ ★
「ふふふふ、漁夫の利最高!」
すでに勝ち誇ったマネキ・ングが叫びました。
「いや、結構真面目に戦ってなかったか」
セリス・ファーランドが突っ込みました。
「とにかく勝てばいいのだ。まずは、弱そうな奴から全力で叩き潰す。あのぶっ壊れかけた戦艦に全力攻撃でぼっこぼっこにするのだ!」
「ぼこぼこにすればいいのですな。はあっ!」
マネキ・ングの言葉に従った願仏路三六九が、カイザー・ガン・ブツの超空間無尽パンチを放ちました。
「うあああ、どこから殴ってるでありますか!?」
伊勢のブリッジは、戦隊を激しく叩くガンガンという騒音で満たされました。たまらず、葛城吹雪が両手で耳を塞ぎます。
「じゃ、定時なので、私はこれで。お先に……」
そう言うと、コルセア・レキシントンがさっさと小型飛空艇で脱出しました。直後に、残っていた右カタパルトが崩れ落ち、墜落した伊勢が大地に突き刺さりました。
「これも御仏の思し召し。な〜む〜」
葛城吹雪の墓碑と化した伊勢にむかって願仏路三六九が両手を合わせました。
「ま、まだであります。この世のリア充を滅ぼすまでは、自分は死ねないであります!」
生きねばという強い意志で、葛城吹雪が、スクラップと化した伊勢から這いずりだしてきました。
「伊勢の修理代をハデスに渡すまでは……」
葛城吹雪はドクター・ハデスのいる解説席を目指して、ズルズルと地面を這っていきました。