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リアクション
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「さあ、これで、カイザー・ガン・ブツこそがオリュンポスの次期主力イコンと決まった。ライセンス料はふっかけるぞ」
「ちょっと待ってください。まだ、私がいます!」
すでに勝った気になっていたマネキ・ングにむかって、ペルセポネ・エレウシスが異議を唱えました。
「ほほう、ちっこいSSサイズのパワードスーツの分際で、このLLサイズのカイザー・ガン・ブツに逆らうだと」
すずいっと、カイザー・ガン・ブツが機晶神ゴッドオリュンピアに近づきました。キモいです、暑苦しいです、眩しいです。
「まさか、こういう展開になるとはな。仕方ない、ペルセポネ、ファイナルアタックを許可する!」
なんだか格好つけてドクター・ハデスがペルセポネ・エレウシスに命じました。
「了解しました、ハデス先生。機晶リアクター制限解除。必殺フルパワーでいきます」
ペルセポネ・エレウシスが、機晶神ゴッドオリュンピアの動力炉のリミッター解除しました。全ての火器にエネルギーを回してのフルバーストです。
「撃ちます」
「はははは、その程度の火力でこのカイザー・ガン・ブツが……」
嘲笑うマネキ・ングでしたが、ペルセポネ・エレウシスの一撃を受けたカイザー・ガン・ブツの頭部が吹っ飛びました。
「何が起こったのだ!?」
「どうやら、頭部のぽっちに命中したらしい……」
状況を確認して、セリス・ファーランドが答えました。
「それがどうした」
「いや、あの下にはエネルギーパックが……。誘爆だな……」
「そんなバカにゃあ〜!」
マネキ・ングの叫びもむなしく、次々に全身に爆発が広がっていったカイザー・ガン・ブツが、バラバラになって吹っ飛びました。シャンバラ大荒野に、部品が降り注ぎます。特に、頭部は半壊しつつも、地面から生え出たかのように斜めに突き刺さりました。新たな観光名所の誕生です。
「ハデス先生。勝利いたしました……。あれ、エネルギーが……」
『システム、オーバーヒート。装甲を強制パージします』
突然、音声によるアラームが鳴り響きました。
「変身が解け……きゃあああ……」
全力攻撃を敢行した機晶神ゴッドオリュンピアの装甲が、結合エネルギーを失って強制排除されました。もちろん、ペルセポネ・エレウシスは身につけていた物を全て失ってすっぽんぽんです。
「うむ、予定通りだな」
「どこが、予定通りなんですかあ!」
ぺたんと座り込んで、豊かな髪の毛で身体のあちこちを隠しながらペルセポネ・エレウシスが叫びました。
「優勝は、ペルセポネ・エレウシスの機晶神ゴッドオリュンピアと認定する。オリュンポスの次期主力イコン……あらため、次期主力パワードスーツは機晶神ゴッドオリュンピアだ」
高らかにドクター・ハデスが宣言しました。とは言っても、すでにこの場所に残っているのは、やけ酒をかっくらっている朝霧垂と、つまみを作っているお菊さんだけです。後の者たちは、早々と帰るか、レースの方を見に行ってしまいました。
「とりあえず、安くはすみそうかな……。だが……」
お財布の中身と相談しながら、ドクター・ハデスがつぶやきました。イコンでなくパワードスーツになったので、予算は少なくてもすみそうです。ただし……。
「ええっと、本来はオリュンポスの幹部である機晶姫三人をベースパーツとして合体させたものであるから、もしかして、ペルセポネたちも量産しなくちゃならないのか……ううーん」
ちょっと怖い考えになって、考え込むドクター・ハデスでした。