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第四師団 コンロン出兵篇(最終回)

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第四師団 コンロン出兵篇(最終回)

リアクション

 
 
それは暗い闇の中/ミカヅキジマ
 
 やっと本当に敵を撃退したクレセントベースの、洞窟の奥深く。先日の戦闘で崩壊したのがやっと片付けられて通れるようになった、迷路部分を歩いている三人組がいた。
(どうして、こんなことになったんだ……)
 心の中でブツブツと愚痴を呟きながら、シャンバラ教導団のシャウラ・エピゼシー(しゃうら・えぴぜしー)は、パートナーの吸血鬼ユーシス・サダルスウド(ゆーしす・さだるすうど)と、沙 鈴(しゃ・りん)のパートナーの英霊秦 良玉(しん・りょうぎょく)をちらりと見た。ユーシスはパートナーだからまだいい。だが、良玉は。
(可愛い女の子を誘ってトレジャーハンティングのはずだったのになぁ……)
 戦闘の後ということで負傷者の手当てやクレセントベースの日常の仕事、制圧した大陸側の軍港や軍事基地の探索や片付けなど、生徒は誰も彼も大忙しで、仕方なくユーシスだけを誘って迷路の探索に来たその途中で出会ったのは……深部の地図を作っていた秦 良玉(しん・りょうぎょく)、という次第である。
「……ん? 何じゃ?」
「い、いや……別に……」
 しかし、良玉も、ただ地図を作っているだけではないようで、時々洞窟の壁を調べたりしている。
「何やってるんすか……?」
 年上の女性が相手なので、一応敬語を使って尋ねるシャウラに、良玉はにっと笑って応えた。
「長猫ではなく、タイプライターを打つ猿でも出ないものかのう」
「……??」
 シャウラとユーシスは、顔を見合わせて首をひねる。
「根気良くていねいに調べれば、意外な結果に出くわすこともある、ということじゃ」
 良玉はほほ、と笑い声を上げた。
(このばーさんも、俺たちと同じでイコンとか、そうじゃなくても何か奥の方にあると思って探してるんじゃないか?)
 シャウラはぼそぼそとユーシスに耳打ちした。
(そうかも知れませんが……地図作りながら調べてるってことは、虱潰しにしてるってことですよね。崩落後の片付けはもう終わってますし、やっぱり何もないんじゃ……)
 絶対に存在しないことを証明するのを、『悪魔の証明』って言うんですよ、とユーシスは囁き返す。
 果たして、洞窟の奥に何か眠っているお宝はあるのだろうか?
 
 


 
 カタカタ、カタカタ、カタカタ……洞窟の奥から、タイプライターを打つ音が、響いてくる……?
 まさか良玉の言った、タイプライターを打つ、猿…… ……? いや、違う……
(ん? この扉は……【リアクション執筆中】? もしかして、来ちゃいけない場所に来ちまったの、かも……?)