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リアクション
第4章
時間は戻り、解散直後。
こちらでは戦闘が開始されていた。
クレイ・フェオリス(くれい・ふぇおりす)がガードラインを使用すると後衛にあたる峰谷 恵(みねたに・けい)、漆髪 月夜(うるしがみ・つくよ)の防御と魔法防御力が上がった。
「有難う!」
「有難う」
2人はそれぞれ礼を言う。
「それでは、大掃除を始めましょうか」
クレイが言うとそれぞれ、自分の持ち場に付いた。
「桃の収穫をやるから手伝ってと来てみれば魔物退治ですか、本当にトラブルメーカーですね」
苦笑い気味の樹月 刀真(きづき・とうま)はツインスラッシュを使用し、次々とパラミタオオカミを切っていく。
その後ろに控えている月夜はスプレーショットを上空にいるコウモリへと標準を合わせ地面に落としていった。
クレイは前線に立ち、敵の背後に回っては頭部をデリンジャーで撃っている。
その援護をするように恵がサンダーブラストで周りの敵を一掃していく。
「まだまだ行きますよ!」
恵がそう言うと今度はアシッドミストを広範囲に放つ。
コウモリもパラミタオオカミも一緒くたになって、酸の霧に膝をついた。
「負けてられませんね」
クレイは微笑を浮かべると攻撃のスピードを上げた。
「頑張りますか」
「うん」
刀真と月夜も触発されたのか次々とオオカミ達を倒していく。
「炎よ」
月夜が敵が固まっているところに火術を使うと何体かが一緒に燃えた。
刀真は刀真で、ちょっとレベルの違うオオカミに苦戦をしていたかと思うとソニックブレードでそれを対処したのだった。
ここのチームは問題なく敵を次々と退治していった。
「んふ、うじゃうじゃ沸いて来よるのう」
楽しそうにファタ・オルガナ(ふぁた・おるがな)が桃の木に群がる魔物を見て言う。
「うわぁ、何これ〜!? ちょっと気持ち悪いかも……」
ファル・サラーム(ふぁる・さらーむ)はうねうねと動く木の根っこを指す。
「早々に片づけよう」
「はい」
早川 呼雪(はやかわ・こゆき)の言葉にユニコルノ・ディセッテ(ゆにこるの・でぃせって)は素直に頷いた。
「ユノ、開けた場所に魔物達を集めてくれ」
「畏まりました」
返事一つすると近くの木から桃を1つ採ると颯爽と魔物達の前を通った。
その香りにつられ、魔物達がどんどんユニコルノに集まっていく。
20体以上集めたところで、適当な開けた場所へと誘導した。
時たまある魔物からの攻撃は剣を使いかわし、牽制も入れていく。
「あやつ、やるのう。これはたっぷり魔物で遊べそうじゃ」
「もう! 今日はホイップちゃんのお手伝いで遊びに来たんじゃないよ!」
ファタの言葉にファルがつっこむ。
「そろそろ出番だ」
ユニコルノが誘導完了したのを見て、呼雪が2人に声を掛けた。
魔物を牽制しながら端に寄ったところを見計らって、3人の技が炸裂した。
「サンダーブラストじゃ!」
ファタが全体に雷を落とす。
「アシッドミストだよ!」
ファルは濃いめの酸の霧を発生させる。
「バニッシュ」
最後は呼雪が光を降り注いだ。
この場所にいた魔物は可愛そうなほどメッタメタにされてしまった。
「う〜ん、すっきりじゃ。次行くぞ!」
ファタは実に満足そうに、次の指示を出した。
それに呼雪達は1人にするのが不安だという事で付いて行くのだった。
「私の桃の横取りダメー!」
「いや、僕達のではないでしょう」
ミーナ・コーミア(みーな・こーみあ)が桃に群がっている魔物を見て叫ぶと菅野 葉月(すがの・はづき)が絶妙のタイミングで突っ込んだ。
「魔物から桃を守ろう!」
「我としては別の桃の方が気になるのだが……」
和原 樹(なぎはら・いつき)がまとめようとしたのに、フォルクス・カーネリア(ふぉるくす・かーねりあ)は腰を折るように和原樹のお尻にばかり目が行っている。
その視線から急いで逃げる。
「葉月の桃の方が素敵なんだから!」
「いいや、樹だ」
変なところで火花が散っていた。
「そこ、おかしな争いしてないで退治に行きますよ? うちのミーナがすみません」
「こっちこそ」
こちらはこちらで気が合いそうだ。
魔物が固まっている場所に到着すると戦闘が始まった。
「邪気払いじゃー!」
先頭を切ったのは和原樹のバニッシュだ。
「爆炎波ーー!」
その後をミーナが攻撃。
「雑魚は雑魚らしくお掃除されてください」
続いて葉月がアシッドミストを唱えた。
片付いたと油断したところで、和原樹の後ろから殺気が。
「樹を傷つける輩は容赦せん!」
和原樹(の尻)ばかり見ていたフォルクスは素早く気が付き、氷術を忍び寄って来ていたパラミタオオカミにお見舞いする。
一瞬にしてオオカミは固まってしまった。
「助かったよ」
「なに、当然のことをしたまでだ」
「うひゃぁぁぁぁ! 何すんだ!! この変態男!!」
途中までは格好よかったのに、最後に和原樹の桃を掴んでしまった為、パワーブレスで強化したグーで殴られることとなった。
「やーい、殴られてる」
ミーナが野次を飛ばす。
「ふっ……いつかは素直にさせてやるさ」
どうやらまた火花が散っているようだ。
「お互い大変だな」
「それも楽しいですよね?」
「……うん、まあ、ね」
普段は口にしない言葉をお互いに良い、パートナーには内緒の話となった。
「まったく……俺の昼寝を邪魔しやがって……良い度胸だぜ、お前らーー!」
侘助はそう叫ぶと周りにいた魔物を至近距離からデリンジャーぶっ放している。
「さっさと帰りたいので容赦はしません。覚悟して下さい」
火藍はランスを振り回し、侘助が取りこぼしている魔物を掃除していた。
侘助を見て、心なしか嬉しそうな表情をしている。
「お2人とも元気ですね。私も負けてはいられません」
そう言うと童顔なクレア・シュルツ(くれあ・しゅるつ)は魔物達が固まっている場所目がけて火術を連発した。
ある程度片付き、他にも居ないかと3人してきょろきょろ辺りを見回すが、残りはそう多くなさそうだ。
「そんなにここの昼寝は最高だったんですか?」
疑問に思った事をクレアが声に出した。
「勿論だ! 魔物は来ないし、桃の甘く豊かな香りはするしで最高だったんだ!」
「それは是非、堪能してみたかったですね」
「だろう? しかも人の気配もそんなになかったから邪魔される事もなかったしな」
楽しそうに会話をする2人を少し面白くなさそうに火藍は見つめる。
「こんな所属学校以外の場所まで探しにくる俺の身にもなってください!」
「あ、あははは」
「普段はあんなにひっついてくるくせに、どうして俺を置いてこんなところに昼寝にくるんですか」
「いや、えう……」
火藍のお小言に侘助はたじたじだ。
「ふふっ。仲が良いんですね」
クレアの言葉に赤くなる火藍だった。
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