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リアクション
「お姉様、人間の男性というのはどうしてこうもナンパしてくる生き物なんでしょう」
「あら、”ゴスホークさん”もナンパされていたのね」
話しは”ゴスホーク”が人工海岸に降り立った時にさかのぼる。
「おお、早速イコンちゃん達発見! しかも、あれは”ゴスホークちゃん”じゃね!? まさかもう擬人化されていたのか!
まぁ、女性イコンなら何でもいいけど早速お近づきになるぜ」
”ゴスホーク”を見つけた斎賀 昌毅(さいが・まさき)はカスケード・チェルノボグ(かすけーど・ちぇるのぼぐ)に言う。
「カスケード、『イーグリット型の魔鎧』になってくれないか。カラーリングは黒で」
「昌毅……あの『擬人化イコン』をナンパしてデートするつもりなのじゃな……わしを身に着けた状態で」
「いやいや、だって寿子さんからも『擬人化イコン』を原稿に戻すのを手伝ってくれって連絡うけたし。
”ゴスホークちゃん”と俺たちが協力できれば」
「まぁ、わしも力ずくで彼らを原稿に戻そうというのには反対じゃし……」
カスケードは魔鎧形状になって言った。
「これでよいかの?」
「完璧! 俺もこれで『擬人化イコン』だな!」
「そこのお嬢さん、俺とお茶でもしませんか?」
「あなたなに?」
「俺の名前は『レイブン―E』。俺もイコンだよ」
”ゴスホーク”をあれやこれやの言葉でナンパし続ける昌毅の様子にカスケードは心の中で思っていた。
――前々からイコン好きなのは知っておったが、まさかライクではなくラブだったとは正直わしもどん引きじゃ。
――その執念と暴走っぷりも含めての。
――ま、本当にアウトになったらわしが鎧化解除して強制終了じゃがの。
「”ブルースロートお姉様”を探して取り戻すのがわたしのお役目ですから」
「それを俺と”ゴスホークちゃん”とで協力すればさぁ」
「”ブルースロートお姉様”には! 男性なんて必要ございませんわ!」
「”ブルースロートさん”にちょっかいかける気はないんだって。俺も彼女を元の原稿に」
「お姉様にはわたしが付いていればいいんです!」
「待って、待ってよ”ゴスホークちゃん”って……」
「逃げられてしまったのう、昌毅」
「せっかく……せっかくイコンと楽しいティータイムをって思ってたのに……それにしてもかわいかったな”ゴスホークちゃん”」
「お姉様、お姉様もナンパされていたんでしょう?」
「……ええ、まぁそうね」
「いけません、いけませんお姉様。きっぱりと断らなくては。わたしはお姉様が心配で心配で」
「ごめんなさいね”ゴスホークさん”。いつも心配をかけてばかりで」
「お姉様、わたしは、わたしはお姉様のお側にいられればそれだけで」
「”ゴスホークさん”――」
「お姉様――」
「……っておいおい、”ゴスホークちゃん”は”ブルースロートお姉様”ラブってわけ?」
どうしてもこの人工海岸では目立ちすぎる『擬人化イコン』の二人を見つけた斎賀昌毅は魔鎧形態を解いたカスケード・チェルノボグと一緒に『彼女ら』を観察していた。
「――昌毅。これがいわゆる『百合』ってやつなのかのう」
「確かに……このままだとゆりゆりした展開になりそうだな……」
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【キャラクターDATA:ゴスホーク】
髪型:前髪ぱっつんロング
髪色:黒
瞳色:青
黒いゴスロリ服を着用。
ブルースロートの後輩で彼女を「お姉様」と慕っている少女。
性格は素直で真面目。
しかし、ブルースロートが絡むとなると若干暴走しがち。
ブルースロートを心酔するあまり、やや百合的な行動を起こす事もあります。
誰にでも優しく接するブルースロートが変な奴に引っかからないかと戦々恐々としています。
ブルースロートに近づく者には常に警戒レベルMAX状態。下手に手を出すと即戦闘なくらい。
武装:プラズマライフル内蔵型ブレード+2、二式(レプリカ)+1、エナジーバースト+1、ファイナルイコンソード
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「この設定じゃ……今、迂闊に近寄ったら襲ってくるかもしれないじゃん”ゴスホークちゃん”」
送られてきた”ゴスホーク”の設定を見ながら昌毅が言う。カスケードも『設定』を確認しながら言う。
「今は”ブルースロート”が傍におるからのう……その設定を見ておいて危険を回避できたのではないかな、昌毅」
「あのちょっとツンツンした態度もまたかわいいんだよ”ゴスホークちゃん”」
「この武装を使われでもしたら『ちょっとツンツン』どころではなかろう、『大爆発』になるじゃろうて……」
「ははははは! また”お姉様”にへばりついているのかよ”ゴスホーク”! コバンザメか」
「来ましたね、”アサルト”! ”ブルースロートお姉様”にまとわりつく害虫が!!」
「はんっ。害虫ってか。コバンザメの”ゴスホーク”!!」
”ゴスホーク”と”アサルト”が戦闘に入ろうとする。
「やっばいんじゃないの? これ!」
「昌毅、彼らを止めねば!」
「お二人ともおやめなさい」
”ブルースロート”が”ゴスホーク”と”アサルト”の間に割って入る。
「”ゴスホークさん”、わたくしを思ってくれる気持ちはうれしいですけれど……わたくしの為に戦ってはいけませんよ」
「お姉様……でも、お姉様をお守りする為にわたしは」
「”アサルトさん”も。”ゴスホークさん”をからかってはいけません」
「”ブルースロート”。だいたいな……俺か”イーグリット”かはっきりしないお前が悪いんだぜ?」
「お姉様は! あなた方のどちらとも! 誰とも恋人になんてなりません!」
「”ゴスホークさん”……」
「そうですよね、そうでしょう……お姉様――」
「”ゴスホークさん”――」
「またまた始まったよ『百合展開』……俺の”ゴスホークちゃん”、帰ってきて」
「おぬしのものになどなっておらんじゃろう”ゴスホーク”は」
「いや、さっきのあのツンツンした態度! やっぱりかわいいよ”ゴスホーク”!」
「イコンラブもここまでとはの……」
「”ブルースロート”、今ここではっきりさせろ! 俺を選ぶか”イーグリット”を選ぶのかを」
”アサルト”が”ブルースロート”に詰め寄る。
「わたくしは――」
「待ってください!」
「来やがったか、”イーグリット”!!」
「”イーグリット”! あなたもお姉様の周りをうろつくことは許しません!」
「”ゴスホークさん”、だめよ。ここで戦ったりしては」
「でも、お姉様……」
「”ブルースロート先輩”、俺は先輩に……原稿に戻る前に伝えたいことがあります」
”イーグリット”がややかしこまって何かを言おうとした。その時……
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