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リアクション
第6章 軍人たちのハッピーハロウィン
「だ、団長!
ようこそおいでくださいました!」
董 蓮華(ただす・れんげ)は、緊張しつつ、金 鋭峰(じん・るいふぉん)を迎える。
(ど、どうしよう、ひとまずお水飲んで!)
蓮華は、近くにあったコップを取り、中身を飲み乾した。
「あ」
「な……!?」
気づいたときには、蓮華は5歳くらいの姿になっていた。
鋭峰は目を丸くしている。
「なるほど、これが幼児化の薬か」
「団長! あの、おあいできてこうえいです!」
蓮華は、スカートをつまんで会釈する。
「トリックオアトリート!」
鋭峰は、子どもになった蓮華に視線を合わせる。
「私は子どもの好きなものはよくわからないのだが、
甘いものは好きか?」
「うんっ! じゃなくて、はいっ!
あ、団長はあまいものにがてなの……なんですか?」
「ああ、ちょっとな」
「じゃあ、おせんべい、いっしょに食べましょう!
あと、クラッカーも!」
蓮華は鋭峰の手を握り、パーティー会場の中で、しょっぱいお菓子を探して回る。
「おいしいですか、団長?」
「ああ。半分食べるか?」
「はいっ! ありがとうございます!」
鋭峰はせんべいをぱきっと割ると、蓮華に手渡した。
「いっしょにたべるとおいしいですね!」
「そうだな」
笑顔を浮かべる蓮華に鋭峰はうなずく。
「団長、だぁい好きっ」
蓮華は、にっこり笑って鋭峰を抱きしめる。
「よしよし」
鋭峰は、ごくわずかに微笑を浮かべ、
蓮華の頭を撫でるのだった。
「ありがとう、団長!
私、ずっと、いつまでも、団長のこと、だいすきです!」
蓮華は、幸せそうな笑みを浮かべ、
鋭峰の胸に自分の顔をうずめた。
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