空京

校長室

戦乱の絆 第二部 第四回

リアクション公開中!

戦乱の絆 第二部 第四回
戦乱の絆 第二部 第四回 戦乱の絆 第二部 第四回 戦乱の絆 第二部 第四回 戦乱の絆 第二部 第四回

リアクション


■空中ドック防衛

そのころ、空中ドックの防衛に当たった者たちは。

香取 翔子(かとり・しょうこ)は、
クレア・セイクリッド(くれあ・せいくりっど)とともに、
赤城に搭乗して、
【新星】の指揮を行っていた。
【新星】内部における空中ドック防衛のリーダーは、
サブリーダーの翔子の役目だった。
「我々のイコンは空中ドックの最後の守り。決して引き下がる訳にはいかない!」
「はやくやっつけて、シャケおにぎりをおなかいっぱい食べるのだ!」
翔子が強い責任感の元、そして、クレアがいつもの明るさを失わずに言う。
空中ドックの上に乗った赤城が、
味方機とともに、ゴーストイコンを集中砲火する。

「うーむ、こんなにいると適当に撃ってても当たりそうでありますね」
金住 健勝(かなずみ・けんしょう)がつぶやく。
ともにシルバーに乗る
レジーナ・アラトリウス(れじーな・あらとりうす)がたしなめる。
「そんなこと言ってると味方に当たりますよ! ちゃんと狙ってください!」
「了解であります!
対空機銃になったつもりで、
1体残らず、確実にしとめるであります!」
健勝が、ガトリングガンを撃ち続ける。

レジーヌ・ベルナディス(れじーぬ・べるなでぃす)
エリーズ・バスティード(えりーず・ばすてぃーど)
クェイルも、
アサルトライフルでの狙撃を行う。
「国軍として頑張ります。二つの世界を終わらせたりしませんっ……」
「世界が滅んだら困るっ!
まだ食べた事無いお菓子も食べたいし、最強の機晶姫にもならなきゃいけないしっ!」
レジーヌとエリーズの想いが。
「どうせ滅ぶならさっさと終わらせてしまえばいいと、
そう思う人も確かにいるであります。
しかし、そう思わない人もいるであります。
大勢の人がいて、たくさんの考えがあるから世界ができるのであります。
だから誰かひとりの都合で世界を滅ぼすなんて、絶対にあってはならないことであります」
「私は神子としてアムリアナ様と約束したのです。必ず未来を手に入れると。
それはアイシャ女王に受け継がれた今でも生きています。
もう二度と、全てを失うような思いはしたくないんです!」
健勝とレジーナの想いが、銃撃とともに青空に響き渡る。

ジェシカ・アンヴィル(じぇしか・あんう゛ぃる)
ステイア・ファーラミア(すていあ・ふぁーらみあ)
クェイルは、
アンデッド随伴歩兵をグレネードで吹き飛ばし、
アサルトライフルを撃つ。
「何としても、このドックを死守しなくてはならない。
私にできるのは、任務を全うする事だけだ」
ジェシカは、家族のことを想う。
「シャンバラも大事だが、地球は私の祖国! そして両親も居る!
絶対に、この地を滅ぼさせてなるものか!」
「ウゲンごときにシャンバラ人の生殺与奪の権利などない」
ステイアも、冷静に敵の弱点となる場所を伝えつつ、怒りに燃える。

志方 綾乃(しかた・あやの)も、空中ドックの上から、
イフリートバルバロッサを操り、
焔の嵐で、次々とアンデッド随伴歩兵を燃やしていく。
「綾乃、バルバロッサから離れすぎぬよう気をつけるのじゃぞ」
「わかってます!」
袁紹 本初(えんしょう・ほんしょ)がパートナーに注意を促す。
イフリートは、声の届く範囲でなければ操ることはできない。
なるべく、敵の真ん中で戦わせたいが、悩ましいところだった。
「今年の冬もコタツでヌクヌク出来ますように」
「世界はわらわが征服するのじゃ! 征服する世界を破壊されてたまるかぁー!!」
綾乃と袁紹が、多少自分本位ながら、世界のことを真剣に想う。

一方、
天貴 彩羽(あまむち・あやは)は、ポータラカ人に提案をしていた。
「エネルギーチューブでもつないでビームキャノン用のエネルギーを補給できれば、
連射や継続戦が出来ると思うのだけど」
イロドリCの大型ビームキャノンを連射できれば、
大きな戦力となる。
根回しは成功し、イロドリCはエネルギーを供給される。
スベシア・エリシクス(すべしあ・えりしくす)にサポートされつつ、
彩羽がビームキャノンを放つ。
「世界を終わらせはしないわ」
高火力の前に、ゴーストイコンは、次々に吹き飛んでいった。
(すごい女王器のゾディアックも敵に奪われてしまったのでござる。
力が強いだけでは何かダメなのかもしれないでござるな)
スベシアは、そう考えながらも、エネルギー供給のサポートを行う。

かくして、
エースパイロットの機体の継戦能力が向上されたこともあり、
ゴーストイコンは食い止められるのだった。


■空中ドック内部

とはいえ、イコンでは倒しきれないアンデッド随伴歩兵が、
味方の間を潜り抜けて、空中ドックに迫ってきていた。
そうしたアンデッドを、迎え撃つ者たちもいた。

日比谷 皐月(ひびや・さつき)が、空中ドックの上で、
近づいてきたアンデッド随伴歩兵をスラッシュギターで粉砕する。
「七日、イコンにゃ気をつけろよ。巻き込まれたりしたら大惨事だ」
パートナーの雨宮 七日(あめみや・なのか)が、
不機嫌そうに答える。
「本当に愚図ですね……。
守護天使であり、死霊術師である私が、
そんなドジを踏むはずがないでしょう?」
とはいえ、そんな風にひねくれた軽口を叩いていられるのも。
「私に従って現世に残るか、私に討たれて幽世に行くか……選ばせてあげましょう。
それ以外の選択肢? 知りません」
パートナーへの全面の信頼の証である。
七日の放ったファイアストームで、アンデッドは消し炭になっていった。
「疲れてきたらいつでも戻って休んで良いからな?
お前が休んでる間くらい、きっちりここは守ってみせるさ」
罵詈雑言も、襲い掛かる敵も、余裕で受け流して、皐月が、自分の持ち場を守る。
「このオレが守るんだ、意地でも通らせやしねーよ」

なお、この時の貢献が認められて、
後に、日比谷 皐月は、蒼空学園へ復学許可が下りることになる。


「ま、個人の都合で勝手に世界を終わらせてもらっちゃたまらんな」
「これでも今の生活はなかなか気に入っているんだ」
斎藤 邦彦(さいとう・くにひこ)と、
ネル・マイヤーズ(ねる・まいやーず)が、
軽い口調で、しかし、あくまで冷静に、随伴歩兵を迎撃する。
邦彦たちは、契約者ではない一般兵や、
サポート要員とも連携して、遊撃として空中ドック防衛を行っていた。
「融合して巨大になった敵は、契約者に任せて、
各個撃破を行おう」
ネルが、一般兵たちに注意を促す。
「まずいな。やはり、数が多すぎる。
一部の敵が戦線を突破したようだ」
邦彦が、味方に注意を呼びかける。
「空中ドックの内部の味方に応援を頼む」
「大丈夫、中で迎撃の準備をしてくれている皆を信じて、
私たちはここでできることをしよう」
邦彦とネルが冷静に対処したおかげで、一般兵もパニックにならずにすみ、
各所に素早く連絡を行うことができたのだった。



空中ドック内部。
未来の宇宙船のような、長い通路が続く。
アンデッド随伴歩兵が、そこを走ってくる。
「ベタなSF映画みたいだな……!」
如月 佑也(きさらぎ・ゆうや)が、
アンデッドに接近戦を仕掛けながら言う。
(リフルさんは無事脱出。
赫夜さんも今のところは無事……
けど、ここでゾディアックを止めなきゃ、何の意味も無いもんな……)
「こんな所で世界を終わらせてたまるかよ……!
まだ、遣り残したことは沢山あるんだ!」
パートナーのアルマ・アレフ(あるま・あれふ)が、
佑也がカタクリズムで吹き飛ばしたアンデッドの頭を、
二丁拳銃で撃ち抜く。
「ココが正念場ね。気合入れていくわよ!」

一方、
風森 望(かぜもり・のぞみ)も、
大切な人のために想いをみなぎらせていた。
「アーデルハイト様がお戻りになられない内に壊されてたまりますか!
恋する乙女が無敵である事を見せてあげます!
見ていて下さい、アーデルハイト様!
月に相合傘を描きたくなるほどに愛しております、アーデルハイト様!
アーデルハイト様! アーデルハイト様! アーデルハイト様! アーデルハイト様!」
望が施設まで破壊してしまわないか心配していた、
パートナーのノート・シュヴェルトライテ(のーと・しゅう゛るとらいて)だが、
敵を前に、武門の一人娘らしく戦う。
「自分の住む土地を……世界を護る!!
貴族でなくとも当然の事ですわ!」

そのころ。
「僕、この戦いが終わったらソランに婚約申込むんだ……」
竜螺 ハイコド(たつら・はいこど)の発言に。
「言わせてもらおう、ハイコド! それは死亡フラグだ! やめてくれ、うん!」
藍華 信(あいか・しん)が、
全力でツッコミを入れていた。
「と、話してたら来たみたいだよ。 それじゃ気合入れてがんばろう! 相棒!!
「お約束だな、うん! さぁて……やってやろうぜ、相棒!!
ハイコドと信が、連携して戦い始める。
「ゾディアックにいる十二星華の方々を大切に思う人がいる、
その人達のためにもこの装置を守りぬくんだ!
それが大切な人がいる人間に思える最大の想い……誰も欠けずに皆で笑って帰るんだ!
例えそれが甘い考えだとしても! それすら願ってはダメか!」
ハイコドの想いが、空中ドックに響く。

「めんどくせーな……まぁでも、ストレス発散にはちょうどいいか?」
大豆生田 華仔(まみうだ・はなこ)が、
アサルトカービンを連射する。
「おぉー、ハナちゃんは相変わらず強くて可愛いなぁ」
九 隆一(いちじく・りゅういち)が、そう言いつつ、
パートナーをフォローする。
「隆一、気持ち悪い事言ってんじゃねーぞ」
しかし、華仔はうざったそうに言う。
「あはは、怒ったハナちゃんも可愛いー」
華仔は、隆一に蹴りを入れて、アンデッドにさらに銃弾を叩き込んだ。

「これまでに会ってきた友や強敵(とも)、
これから出会うであろう友や強敵(とも)。
諸々ひっくるめて護るでやんすよ! 世界の消滅なんてさせやしないでやんす!」
踏鞴場 銑鉄(たたらば・せんてつ)も、
主 人公(もり・きよゆき)とともに、
アンデッド随伴歩兵を迎え撃つ。
「経験でいえば他のお歴々には劣るでやんすが、
この胸に灯る熱き想いは誰にもまけないでやんすよ!
覚悟はとうに完了してるでやんす!
さぁ、あっしの魂を篭めたこの拳、受け止められるものなら受け止めてみるでやんす!」
「世界消滅だと?
ふん、くだらんな。そんなばかげた行為は俺が、いや、俺たちが止めてみせる」
銑鉄と対照的に、人公が、クールな口調で言う。

生身の契約者達は他にも空中ドック内に散らばっており、
アンデッド随伴歩兵の各個撃破を行った。