空京

校長室

戦乱の絆 第二部 最終回

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戦乱の絆 第二部 最終回
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繭内部攻略

 繭内部。

「――こっちの通路は俺が罠でも仕掛けとくからよ」
 龍騎士たちと共に猫井 又吉(ねこい・またきち)が『門』へと続く通路の防衛計画を練っている。
 龍騎士の力がいくら強力とはいえ、通路の数と門へ向かう契約者たちの数は多い。
 熟練した契約者も多いだろう。
 よほど効率的に戦力を配置していかなければ、押し切られてしまう。
(……大帝の言葉に従うことでキマクや大荒野を含む東シャンバラが救われるなら……)
 国頭 武尊(くにがみ・たける)は腕を組み、背を内壁に預け、又吉たちの方を睨むように眺めていた。
(独善だろうと何だろうと、キマクや大荒野の民に対する義務と責任を果たせるなら、オレは――)




 繭の内部は白く滑らかな壁が連なりで出来ていた。
 突入口が開かれた後方から、外での激しい戦闘の音が響き重なって背中を打つ。
 繭の中央を目指す契約者たちは、幾つかの集まりに別れて迷路の中を駆けていた。


「さって、西シャンバラロイヤルガード――の『ティファニー・ジーン』に代わり846プロダクション社長、日下部 社(くさかべ・やしろ)
 推して参る!」
 鉄甲を纏った拳に雷気を迸らせながら、社が通路を塞ぐ従龍騎士たちへ駆けていく。
「はぅ! 社がいつになく真面目ですぅ〜!」
 望月 寺美(もちづき・てらみ)はツッコミのために用意していたハリセンを持て余していた。
「そら、こういう時くらいはカッコつけとかんとな。
 大事なんはメリハリやで、メリハリ」
 身を返して、従龍騎士の切っ先からスィっと逃れながら社がニマッと笑って見せる。
「や、わっかるなぁ。そういうの」
 後方、ソール・アンヴィル(そーる・あんう゛ぃる)が顎に指をかけながら笑う。
「ソール、すぐに忙しくなりますよ」
 本郷 翔(ほんごう・かける)の声にソールは「分かってますよ」とばかりに肩をすくめた。


「しかし、今回もまた損な役回りだぜ」
 ジェイコブ・バウアー(じぇいこぶ・ばうあー)がアサルトカービンを撃ち鳴らしながら吐き捨てる。
「何度目だ?
 まぁ――荒事担当としては、願ったり叶ったりだがなァ」
「ただ暴れれば良いというものではないのよ、分かってる?」
 フィリシア・レイスリー(ふぃりしあ・れいすりー)が、共に前線を切り開く仲間をパワーブレスで支援しながら口を尖らせる。
「私達の役目は、決戦のため、仲間達に余計な体力を使わせないことなんだから」
「そう、私たちは必ず皆を中央へ届けます」
 水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)がリカーブボウを構えながら言う。
 しかし、その表情には苦味がかすかに覗いていた。
 相手はつい先日までウゲンと戦っていた帝国の騎士たちだ。
「相手は手を抜いちゃくれねぇぜ?」
 ジェイコブの言葉にゆかりはうなずいた。
「分かっています。
 それに、これはアイシャ陛下が女王として下した決断。
 争いの現実から目を逸らさず、逃げることなく踏み止まってお下しになられたご命令です」
 そして、矢は放たれる。
「ならば、この生命に代えても果たしてみせましょう!」
 そんな言葉を聞きながら、
 マリエッタ・シュヴァール(まりえった・しゅばーる)は、横手の通路より迫った従龍騎士たちへとファイアストームを放った。
 ちらりと、ゆかりの方を見やる。
「カーリーったら、張り切ってるわね」
 次の魔法を準備しながら、小さく笑む。
「アイシャさまが女王として成長したことがよほど嬉しいのかしら?」

 一方、別の通路では、
 月島 悠(つきしま・ゆう)麻上 翼(まがみ・つばさ)の撃ち放つ機関銃の弾丸が激しく通路を貫いていた。
「進め!!
 道は私達が切り開く!
 みなは先に進み、分断を止めてくれ!」
「行け行け行け行けーーー!!」
 その後方。
 沢渡 真言(さわたり・まこと)は、マーリン・アンブロジウス(まーりん・あんぶろじうす)と共に、仲間たちを追おうとした従龍騎士たちと交戦していた。
 マーリンによって放たれた神の目の光が従龍騎士の視界を奪う。
 その間にパワーブレスで強化された真言のナラカの蜘蛛糸【憂うフィルフィオーナ】が従龍騎士の腕を捉えた。
「貴方たちもまた、世界を護るためにここに居るのだということは分かっています。
 しかし――」
「お前たちの気持ちも分かる。
 だが、お前たちは、失われる必要の無い多くの命を巻き込むかもしれないのだぞ!」
 従龍騎士がまだ自由の効く片手に剣を持ち、真言へと距離を詰める。
 真言は飛退りながら糸を放った。
「私は、女王の言う方法にかけたい。
 可能性がほんの僅かでも……それでも『在る』のであれば、私はその可能性を信じたいのです」
「くっ……」
 糸を避け切れず、従龍騎士が膝をつく。
 そして、また放たれた真言の糸が従龍騎士を――掠めて、彼の後方に出現していたモンスターを貫いた。
「……俺を助けたのか?」
「もし、世界が分断された方が良いのであれば、この5000年の時を経て再び2つの世界が繋がったのはどうしてなのでしょう?
 答えは、まだ出ていない。
 私はそう思います」


「運命を変える事が出来るかどうかは他人じゃなく自分が決める物ですぅ。
 だって想ったその時から運命は変わり始めてるんですからねぇ」
 寺美が自身に言い聞かせるように言いながら、真澄のマシンガンで援護射撃を続け――
 その先で社の雷気を帯びた鉄甲が従龍騎士たちを押し返す。
「それに、俺もアイシャちゃんの言う事に賛成や。
 前の女王さんがどう思っとったかは知らんが今は俺達がおる。
 なら俺達の『絆の力』っちゅうもんを見せてやらんとな、っと」
 そして、後方ではソールが負傷者の回復を急いでいた。
 従龍騎士との戦いで傷ついた者もあれば、唐突に出現するモンスターにやられた者も居る。
 単純な負傷、モンスターによる毒などを確認しながらソールは次々と契約者たちを癒し、再び戦線に復帰できるよう飛び回っていた。
 その傍らで翔が、負傷などで束の間の休息を得ることになった者、それぞれの様子に合わせたお茶を淹れ、彼らの気持ちを助け続ける。
 悔しげな顔で座り込んでいた負傷者へお茶を差し出し、彼は言った。
「ご安心ください。
 皆様が万全の態勢で世界の絆を護る為の用意は整っております」


 そうして、契約者たちが突き進んだ先――


「ここからも中央へ向かえそうだな」
 仲間たちと共に進んでいたクローラ・テレスコピウム(くろーら・てれすこぴうむ)は、銃型HCによって得た自身のマップ情報と他を行く仲間たちのマップ情報を照らし合わせながら呟いた。
 どうやら、中央へ向かう道は複数存在しているようだった。
「しかし、妙だな。
 他の通路では既に龍騎士と遭遇しているようだが、ここは……」
「気配すら感じ無いね」
 セリオス・ヒューレー(せりおす・ひゅーれー)が、白く輝く通路を見渡しながら言う。
 通路は太く真っ直ぐと伸びており、死角も少ない。
「まあ、十中八九、罠が仕掛けてあるね」
 ひょい、と顔をのぞかせた夏野 夢見(なつの・ゆめみ)が言う。
「罠、か」
 クローラの反芻に夢見がうなずく。
「龍騎士の人は強力かもしれないけど、外でイコンと闘うために多くを割かなきゃいけないのに対して、
 あたし達の人数も多いし、ここの通路の数も多いから、頭数が足らない分は罠で補うのが定石だと――っぇぐ」
 なにやら襟首を引っ張られて、夢見が乙女らしからぬ声を上げる。
 ケホッと咳き込みながら、夢見は、己の背中にぷらんっとぶら下がった格好のメモリカード 『イ・ティエン』(めもりかーど・いてぃえん)を見やった。
「な、なに?」
「トラップであります」
 イ・ティエンの示した、夢見の足先には確かにそれが在った。
「やっぱりね、思った通〜り!
 で、解除できそう?」
「少し、時間が掛かるかもしれないであります」
「じゃあ出来る限り急いで解除する方向で!」
「了解であります」
 イ・ティエンが床に降り立って、手早くトラップの解除に取り掛かる。
「本営に報告しておくか。
 セリオスはイ・ティエンが集中できるように警戒を」
 そして、クローラは自分たちに続いていた仲間に事情を告げてから、本営との通信を行った。




「――行くなら、そこしかないでしょうね」
 繭へ突入した契約者たちの戦力配分、繭内部の情報把握などを行っていたルイーザ・レイシュタイン(るいーざ・れいしゅたいん)が銃型HCのマップを展開して見せながら言う。
 そこには、先ほど入ったクローラたちの通路情報が映し出されていた。
「そうみたいね」
 フレデリカ・レヴィ(ふれでりか・れう゛い)は頷き、ヴィルヘルムの方を見やった。
 彼の頷きを確認し、すぐに携帯を通じて皆へ情報を伝える。
「現状は今伝えた通りよ。
 少しでも相手の虚を突くなら、そのトラップがあった通路しかない」
『なるほど……』
 携帯の向こうでクレーメック・ジーベック(くれーめっく・じーべっく)が言う。
『敵の配置から鑑みても、その通路に絞って攻略する方が良さそうですね。
 ですが――各通路の配分に意図を感じます。
 このまま、その通路を攻めても敵に挟み撃ちされる可能性は否定できません』
「でも……」
『分かっています。
 それでも、その通路がベストなのは代わりない。
 まずは相手に悟られないように他通路の者の撤退させるルートの選定を。
 敵を引きつけながら、干渉攻撃を行う者たちを突入ルートへ集めましょう。
 私の隊から先行する者と後方で足止めを行う者を出します』
「分かったわ。
 ルイーザ――軍人さんの言う通りのシュミレートを急いで
 私は、先行してくれる人と後方で足止めをしてくれる人を他にも呼びかけてみる」




 ジーベックは、フレデリカとの通信の後、すぐに自身の隊の者たちへの通信を行っていた。
「水原中尉の班は通路に集まる者の援護を行った後、通路後方の護りに。
 残りの者は私と共に先行、おそらく待ち構えているだろう龍騎士の対処にあたります。
 香取大尉の班は当初の作戦通り、干渉攻撃のため、温存を。
 以上です」




 門――。

「立川るるは危険ですわ」
 サルガタナス・ドルドフェリオン(さるがたなす・どるどふぇりおん)は大帝へ言った。
 シャンバラ大荒野での出来事を聞くに、今は御人 良雄(おひと・よしお)の意識が大帝の意識に負け抑えこまれているのだと考えられた。
 しかし、良雄が惚れているというあの女。
 あの奇妙な天然ぶりによって良雄の意識を刺激し、活性化させる……おそらく、大帝にとって最も邪魔な存在だ。
「わたくしのパートナー、“風紀委員”でもあるジャジラッド・ボゴル(じゃじらっど・ぼごる)が彼女の到達を阻止すべく迷路内に張っています。
 しかし、彼女はシャンバラの軍勢に紛れております。
 成功は難しいかもしれません」
 それに、過去、サルガタスたちは立川るるの拉致を試み、失敗したことがある。
「何か考えがあるようだナ?」
「立川るるを敵として排除するより、アスコルド様が取り込むことが出来るならば、それが一番の手かと」
「契約か」
 アイシャと同じように大帝も複数の地球人と契約が可能である、とサルガタスは見ていた。
「その必要はあるまい」
「何故ですの?」
「世界の分断が成されれば、“全て”解決されることだからナァ」
「…………。
 では、せめて、分断が成されるまでの時間稼ぎの手を。
 小手先になりますが、上手くいけば立川るるを追い返すことができますわ」
「言ってみろ」
 そして、サルガタスは自身の計画を告げた。
 大帝が呟く。
「……心変わりカ。
 それは誰に止めることのできぬものダ」
 それから彼は続けた。
「とはいえ、御人良雄の意識を刺激する者は、あの女だけではないようだがナァ。
 まあいい、汝の好きなようにしてみろ」
「感謝いたしますわ。
 では、御人良雄の携帯を――」




「ななななー、なー」
「え?」
 立川 るる(たちかわ・るる)立川 ミケ(たちかわ・みけ)のしつこい鳴き声で、自身の携帯が鳴っていたのに気づいた。
「あ、だいじょぶ。メールだったよ、ミケ」
 彼女の周囲には干渉攻撃のために力を温存している者たちが居た。
 仲間に護られながら繭の中央を目指している。
 そこに、るるは紛れ込んでいた。
「良雄くんからだ」
「なな?」
 ミケが何やら不審げに鳴く。
「ええとー……」
 開いたメールには、こう書かれていた。
『俺は、るるさんよりアスコルド大帝の男気に惚れたっス。
 だからもう俺の事は忘れて欲しいっス』
「…………」
「な……なななー、なー、ななななー!!」
 ミケが酷く憤慨したような、強く訴えかけるような声で鳴き続けるのを聞きながら、ぱちくり、と大きく瞬きをした。




「さてはて……」
 毒島 大佐(ぶすじま・たいさ)は【如意鉄棍】で肩をトツトツと叩きながら、目の前に現れた龍騎士を上目使いに見やった。
「おあつらえ向きに一対二か」
「運、良かったですね」
 プリムローズ・アレックス(ぷりむろーず・あれっくす)がにわかに表情を緩めたのが分かる。
 龍騎士がやれやれと大剣を構えながら口の端を上げ。
「イコンにも乗っていない者が、二人掛かりなら俺を倒せると?」
 毒島は片目を歪ませながら笑ってやった。
「こちらも肝心な事に数を割かねばならんとか。人手不足らしい。
 まあ、二対一でも、そう簡単に足止めが出来るとは思っておらん」
「覚悟は定まっている、ということか」
「そういうことになる。
 とはいえ、我らは負けなければいいだけだ。
 多少はイイ勝負というヤツをしてやれると思うがな」
 三人が同時に駆ける。
 予想を上回るスピードで引き回された、龍騎士の大剣。
 毒島は、その奔流から身を逃がすように棍先を地に打った。
 寸でのところで直接刃に触れることは無かったが、爆ぜた風圧に吹っ飛ばされる。
 目まぐるしく騒いだ視界の中で、プリムローズが龍騎士へと距離を詰め、【爆炎斧エクスプロード】の切っ先を旋回させていたのがしっかりと分かった。
 大剣が、繭の内壁を擦りながら強引にプリムローズへと振り下ろされていく。
 ズゥッ、と毒島の手が地面を打つ。
 落下した格好から態勢を整えることより先に――
「ソリッド・フレイム!」
 毒島はフラワシに命じた。
 滑り走った焔のフラワシが龍騎士の顔面へと羽を広げ、目眩まし代わりの炎をぶちまける。
 プリムローズの一撃が龍騎士を掠め、大剣がプリムローズの舞っていた髪先を裂いて地を打つ。
 毒島はバランスを取りきれずに一度尻餅をついたが、すぐに飛び起き、機晶爆弾を手に取った。




「……追われて……追って……壊れるのは、どっちかな……」
 斎藤 ハツネ(さいとう・はつね)が白狐の耳と尻尾を揺らしながらクスクスと笑う。
 ハツネらは、龍騎士に追われながら撤退していた。
 陽動するために奇襲をかけたものの、相手は自分たちの実力では勝てるものではない、と知ったばかり。
「やれやれ……右天の弔い合戦だってのに。
 パッとしねぇなあ」
 大石 鍬次郎(おおいし・くわじろう)が目の前に現れたモンスターを【黒刀・無限刃安定】で斬り捨てながらボヤく。
「我が主のため、このようなことを共に。
 お二人には感謝いたします」
 アルカ・アグニッシュ(あるか・あぐにっしゅ)は龍騎士の迫る後方へとアシッドミストを放ちながら言った。
「右天ちゃん、壊れちゃった……
 悲しいの……
 だからせめて、ハツネが代わりに壊してあげたかったの……」
「まあ、なんてぇか、結果的にナラカに届きゃいいじゃねぇか。
 これから生まれる声がよ」
 ウゲンを倒すために犠牲となった悪人。
 ウゲンと似通った思想を持ち、破壊と殺戮の限りを尽くし、人の絶望的姿を見るのを至高の楽しみとしていた者。
 横倉 右天(よこくら・うてん)――というのは偽名であり、本当の名はデューン・ヴァーンズィンという。
「我が主……デューン様は望む姿のまま逝かれました。
 ならば、私はそこに不満など無い。
 ただ、この状況、デューン様ならばこうしていたに違いないのです。
 負と絶望にまみれた世界を、あの方は知っていたのだから」
 細い通路を抜け、『示し合わせていた地点』へと向かう。
「デューン様が壊し、そして、護った世界……そう易々と手放してなるものか!」
 後方へと最後のファイアーストームを放ち、アルカたちは、西城 陽(さいじょう・よう)たちの待っていた『そこ』を駆け抜けた。

 アルカたちが通り過ぎて、その後を追う威圧的な幾つもの足音が近づく。
「ここなら味方は誰もいない。来るのは敵だけだ。
 でも……本当に、いいのか?」
 陽は言った。
「陽くん。
 陽くんは私を信じてくれるの?」
 横島 沙羅(よこしま・さら)が問いかける。
「…………。
 信じるっていうか……お前を理解してやれるようなやつ、他にいねーからというか、なんというか」
「そっか」
 布で目を隠している沙羅の手が探るように陽の顔に触れる。
「そういえば、陽くんの顔ずっと見てないね」
「ウゲンの呪縛がぶっ壊れれば、また見れるさ。
 だが……超霊が暴走するのは怖くないのか?
 自分が自分で無くなってまで戦うなんて――」
「怖いのは、そういうのじゃないから」
「……え?」
「来るよ、陽くん」
 彼女の言葉通り、気配はすぐそこへ迫っていた。
 陽は一つ息をついて。
「沙羅」
「ん?」
「さっきの答えだ――
 俺は、沙羅を信じるぜ」
 そして、陽は沙羅の目隠しを解き、その場を離れた。

 沙羅は、ゆっくりと目を開いた。
「作戦が成功するにしろ、分断するにしろ、私のこの力は失われる……」
 龍騎士たちの姿を視界に捉える。
「未来を見てれば押し潰されそうになっちゃうから……私は今を楽しむよ、ウゲンくん!
 あははははははははははは!!」
 沙羅の超霊が発動し、龍騎士たちの精神を強烈に惑わす。
 やがて、彼らは凶悪なモンスターと化した沙羅によって掻き散らされたのだった。