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リアクション
「大破を狙わなくても普通の戦いが出来るってことね。だけどさ……」
クェイルへの被弾にセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)が顔をしかめる。
「……イコン戦闘演習で赤点ぎりぎりのあたしにイコン戦闘をやらせるとは、末期戦もいいところだわ!」
「仕方ないでしょ。落第しない程度にしか頑張らなかったツケが回ってきたのよ」
そうセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)が言うが、セレンフィリティはとにかく、イコン操縦が苦手なのだ。それはセレアナも同じ。
二人は、最後方で抜けてくる魔獣の処理にバズーカを放っていた。空中戦はできないため、それくらいの対空砲火しかできない。
「しまった! 弾が!」
残弾数の管理が疎かだった。セレンフィリティは魔獣を一匹逃してしまう。傷を負っているとは言え、イコンサイズの魔獣が村を襲えば脅威となる。
「楽しそうなことやっているね。私も混ぜてよ」
【第三世界】ゲート付近での激戦の匂いを嗅ぎつけたのか、緋柱 透乃(ひばしら・とうの)と緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が嬉々として襲い来る魔獣へと歩いて行く。
そして、襲いかかる魔獣を殴り倒した。《龍鱗化》した右手からのカウンターがライオン型の魔獣の腹をえぐった。
「こんな弱っているの倒してもツマラナイよね」
「透乃ちゃん。ゲートの近くにはまだワンサカ元気なのがいますよ。そちらで思う存分暴れてはどうです?」
透乃が暴れるのを想像して、嬉々として陽子が提案する。
透乃は空を覆い尽くす敵の群れを見る。
「そうだね。折角こんなに倒せる敵がいるんだから、本気で《※ヴァンダリズム》しようかな――!」
透乃は《金剛力》で闘気をまとい、《肉体の完成》を行う。
「サポートは任せて、おもいっきり暴れて来てください、透乃ちゃん」
「うん!」と強く頷いて透乃は蹂躙飛行ブーツで飛び上がる。敵の密集する上空に飛び、《※ヴァンダリズム》が開始される。
まず、カマキリ型の魔獣に襲いかかり、《龍鱗化》した腕であらゆる間接を殴る。
続いて、黒いシパーヒーへ。【ハンドガン】による攻撃はフレアライダーで飛ぶ陽子が、《グレイシャルハザード》でかき消し、《ヴォルティックファイア》で敵の体制を崩す。
透乃は肩関節に取り付き、《チャージブレイク》。イコンの腕をもぎ取って、もぎ取った腕で《自動車殴り》。頭部を破壊して、更に次へ。
「おいおい、あれはマジかよ……。あたしたちも生身で戦ったほうが良かったんじゃないの?」
唖然なセレンフィリティ。
「やめときなさい。それこそ無謀ってものよ」
セレアナ冷静に却下する。
《補給艦を持ってきたよ! 各機、弾薬の補充が必要なら言ってよね!》
朝野 未沙(あさの・みさ)が、{ICN0003898#AFS−d’Arc}の到着を知らせる。
アルジャンヌ・クリスタリア(あるじゃんぬ・くりすたりあ)が舵を取り、戦線の最後方にAFS−d’Arcを停泊させた。
《着陸完了だ。補給のいる奴は直ぐに来い、修理も未沙がやってくれる》
「セレアナ、あたしらは補給と修理に行きましょうか」
「また、壊し屋セレン、って言われるわね」
それでもクェイルの損傷を直さなければいけないので、未沙の元へと向かう。
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