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リアクション
「攻撃開始! 総員、可能な限り敵戦力を削れ! みと、火力砲撃許可! 範囲攻撃で足止めだ!」
扉の正面に構えた洋が声を張り上げると共に、階段を上って来るゴーレムに向けて、機関銃で乱射していく。
弾幕が辺りを覆うけれど、ゴーレムたちは怯むことなく、階段を上ってきた。
「いきますよ。洋さま。皆さま、感電しないように注意してくださいね」
彼の言葉に頷くみとの構えたハーフムーンロッドの先から雷撃が放たれる。放たれた雷撃はゴーレムたちへと降り注ぎ、傷を与えていく。
「ゴーレムぶっ壊せばいいんだよな?」
訊ねるような口調ながらもエイミー・サンダース(えいみー・さんだーす)は手にした輝く銃器――ブライトマシンガンから十字を描くように、炎熱の攻撃を与えた。
「やっつけちゃっていいんです?」
パティ・パナシェ(ぱてぃ・ぱなしぇ)もパートナーのクレアへと訊ねながら、扉から外へと出てくるゴーレムに向けて、機晶石から放射されるエネルギーを電力に変換すると、弾体を電磁加速し発射させた。弾は雷電を纏いながらゴーレムへと飛来し、傷を与える。
パートナーの一輝がゴーレムのビーム発射口を潰すまでの間、他の学生たちの支援をしようと、前衛にて古代王国の紋章が入った盾を構えたユリウス プッロ(ゆりうす・ぷっろ)は、味方全体の防御を上げるべく、ディフェンスシフトを掛ける。
扉の上空に控えていた一輝は、扉から出てきたゴーレムに向けて、飛空挺に取り付けた機関銃にて、攻撃を仕掛けた。
危惧していた機関銃を手にしている間の飛空挺の操縦も、重火器の取り扱いや様々な乗り物の操縦を身に付けた一輝には容易いことだったようで、飛空挺が落ちてしまうような心配はなく、ゴーレムたちの頭上からの攻撃を続ける。
狙うは、ビームの発射口だ。
(ゴアドーは離島だし、ゴーレムが暴れた所で誰も困らないんじゃないか)
そう考えもした国頭 武尊(くにがみ・たける)であったが、エメネアへと恩を売っておくには良い機会だと考え直して、パートナーのシーリル・ハーマン(しーりる・はーまん)と共に、同行していた。
全身をパワードスーツで固めた武尊は、ゴーレムたちから距離を取り、背負ったパワードバックパックからエネルギーを補充しながら、構えたパワードレーザーにてゴーレムの手にする武器や脚の関節部分を撃ち抜いていく。
「エメネアさん、ゴーレムの構成素材が何であるか、分かりますか?」
シーリルはエメネアへとだめもとで訊ねてみる。
「逃げるのに必死でしたから、分からないのですーー。見える限りで判断していただければー……」
地下への入り口でもある扉の辺りで一進一退を繰り返しているゴーレムと仲間の学生たちへと視線を送りながら、エメネアは答える。
「そうですか……仕方ありませんわ」
シーリルは礼を告げると、火龍の杖を構えた。辺りに酸の霧が漂い始め、ゴーレムの身の表面を削っていく。
続けて放たれた炎の嵐もゴーレムたちを巻き込んで、傷を与えていった。
「ゴーレムさん、こっちよ!」
歩み寄ってくるゴーレムの攻撃を見切ったアリアは素早く且つ大きく動いて見せながら、別のゴーレムの脇をすり抜けるように駆け回る。
アリアに避けられたゴーレムの一撃は、彼女の狙い通り、脇をすり抜けたゴーレムへと当たった。
同じゴーレムからの攻撃を受けたゴーレムはその原因であるアリアを視界に捉えると、銃口のようになっている片腕を彼女へと向ける。銃口の先に光が集まっていき、ある程度の玉になったところで、アリアに向けてその光が放たれた。
「くぅっ、きゃあ!?」
放たれた光――ビームを避けるべく、見切ろうと試みるけれど、速さに勝てず、ビームはアリアの脚を掠めた。黒のタイツが破れて、色白の肌に赤い傷が走る。
「ふははは! 民の困るを助けるは、帝王として当然のこと」
魔法的な力場を使った高速ダッシュで、ヴァルはゴーレムを足場にすると、その上を跳ね回る。
「暴れるゴーレム、何を守護しているかは知らぬがこの帝王の目に留まったが不運よの。木石にあらずば情けもかけようが、まさに木石そのものではな」
足場にされたゴーレムは大きな剣や斧を振るうなどして、ヴァルを捕らえようとするけれど、超感覚にて動物の耳と尻尾を生やして獣特有の鋭い感覚を働かせ、更に近付いてくる気配、中でも害意を感じ取れるよう周りに気を配りながら、動き回る彼を捕らえることが出来ず、振るわれた武器は同じゴーレムに当たるだけだ。
それでもゴーレムたちは武器を振るい、ビームを撃ち出して、ヴァルを捕らえようとする。
「臣民を脅かす前に、我が拳で大人しく眠るが良い。この帝王が許可してやろうではないか!」
告げるヴァルは、同士討ちにて弱り始めたゴーレムを見つけると、鬼の金棒に良く似た巨大な棒でそのゴーレムを叩き付けた。
ぐらりとその巨躯が傾いて、ズシン……と重たい音と共に、倒れ込む。
瞳の部分に点っていた光も消え、そのゴーレムが動きを停止させたことが分かれば、次のゴーレムを倒すべく、ヴァルはまた彼らの周りを飛び跳ねるように動いた。
「アンジェラ、そろそろ出番ですよ」
最初のうちはエメネアの傍で皆の戦闘の様子を観戦していた戦部 小次郎(いくさべ・こじろう)であったが、前衛の隙を突いて扉の外へとゴーレムが出始めると、パートナーのアンジェラ・クリューガー(あんじぇら・くりゅーがー)へと声を掛けた。
「任せて!」
アンジェラは頷くと、エメネアや小次郎たちから離れる。対人相手には威力が高すぎるだろうと使用することが出来ない機晶姫用レールガンを構えると、ゴーレムたちに向かって、狙いを定めた。
機晶石から放射されるエネルギーを電力へと変換して、電磁加速させた弾を撃ち出す。雷電を纏ったその弾は、ゴーレムたちの身を貫いた。
「今のは胸部を貫いてますから、点数高いですね」
ゴーレムを的とした射的ゲームのように見立てた小次郎は、解説をつけながら、エメネアとその様子を観戦する。
「まだまだよ!!」
2発目を撃ち出そうと狙いを定めるアンジェラ。
そんな彼女に気付いたゴーレムの1体が、腕部の発射口を彼女へと向けた。
「そうはさせません」
小次郎は、そのゴーレムへと駆け寄り、氷を呼び出すとゴーレムの足元を凍らせる。
「!!」
足元が凍りついたことでゴーレムは一瞬動きを止めるけれど、直ぐにビームを発射せんとその発射口にエネルギーを集め始めた。
撃ち出されたビームに、アンジェラはギリギリのところで横へと避ける。
「アンジェラ、無事ですか!?」
声を掛けながらも小次郎は戦闘用の先端部分に螺旋状の溝が入った円錐形のドリルを回転させ、ゴーレムの腕部を削った。
「大丈夫!」
アンジェラは改めて、レールガンを構え直すと、小次郎が腕部を壊したその1体目掛けて、再び電磁加速させ、雷電を纏う弾を撃ち出した。
弾はゴーレムの頭部を貫く。駆動回路を破壊することが出来たのか、立ったまま、ゴーレムは動きを止めた。
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