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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第1回/全2回)

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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第1回/全2回)

リアクション

「…アバズレって…」
「直ぐ、もどってくるっスよ! ちょっとだけ引きましょう!」
「ボクもそうするべきだと思うよ、ファイ」
「うううう〜おぼえてらっしゃいですぅ〜!! 絶対に、負けないもん!!」
 ファイリア達は一旦、戦線を離脱する。


 その頃、総司はアンジェラと対峙していた。
「悪くはないが…足りねえなぁ…十二星華いちの巨乳と比べるとやはり物足りねえ…それよりオマエ、クククこのオレの前にそんな格好で出てきてどうなるか、覚悟はできてるんだろうなぁ? アンタのお仲間がウチの部員を傷つけてくれた礼もあるし、ちょっとやそっとのお仕置きじゃあ済まないぜ…天国見せてやるよ」
「あらあ、まるでどっちが悪役か解らないみたいなセリフね。坊や。…天国? 私のこと、イカせてくれるのかしら? そう、あそこで伸びてるボクちゃんは、あなたのお友達なのね。じゃあ同じように美味しくいただけそうだわ」
「さて、どうなるかはお楽しみってところか…のぞき部部長弥涼総司…推して参る!」
 と言ってバーストダッシュで飛び、アンジェラの関節を狙う総司。しかし、アンジェラはそれをひょいっと避け、鞭を振るうが、総司も同じく、ズザアアっと後退して逃げ延びる。
(なかなか、やるじゃないか…しかも武器はどうやら鞭だけじゃないみたいだな)
 総司はアンジェラが隠し持つ小型の剣、テレクの存在にも気がついていた。
(作戦変更だ!)
 総司はピッキングで、さきほど周がされたように、アンジェラのシャツのボタンを全て外してしまったのだ。
 その瞬間、アンジェラのシャツの前がバリッと音を立てて開き、ぶるんっと二つの乳房が震えるようにして現れる。いや、実際に白い肉が上下に震えていた。そしてその乳房をステッチが美しいデザインの明らかに高価な下着が守っている。黒のスーツに白のシャツ。なのに、下着はパッションピンク。腰のラインで履いているパンツスーツからも、同色のショーツが少し、見えている。デザインも相当の凝りようで、なにより、アンジェラの白い肌、デコルテ部分、そして引き締まった腹部になだらかな臍のあたりが全て丸見えになってしまったのだ。
 その瞬間、ぶわああっと凄い音がする。それは総司の鼻孔から大量の出血がなされた音だった。
「あわああああ」
 さすがののぞき部部長も、成熟した女盛りのボディをこれほどしっかりと目の前にしたのは、はじめてだったのだろう。
 だがアンジェラはニヤリ、と笑うと。
「坊や、どう?これがラテンの女のボディよ…その中でも私は特別な存在なの」
 胸をはだけたまま、腰に手を当てるパンツスーツのアンジェラは、自信に満ちあふれ、総司を挑発してくると、そのまま、総司に向かってくる。
(やられる…!!)
 総司は身構えたが、次の瞬間、アンジェラの白い肉、乳房に自分の顔が埋まっていることに気がつく。
「あははは! かわいいわ! 東洋人の男の子ってたまらなく良い匂いがするのね! いいわ、あなたも私のものよ。私の胸はどう? 柔らかいかしら? ねえ、気持ちいいなら、嬉しいわ。女の子は大嫌いだけど、男の子は特別に見逃してあげるわ!」
 肉食獣のようなアンジェラだったが、顔はその名の通り気品があって美しく甘い女のニオイをさせている。
 そして、アンジェラは総司の胸元に噛みつくと派手なキスマークをつけてやる。
 へたり、と腰を抜かす総司。
 出血多量のせいか、そのまま、気を失ってしまった。

 アンジェラはシャツを脱ぎ、スーツの第一ボタンを留めた状態で軽やかに生徒達を次々、と鞭の餌食にしていく。そのたびに胸の谷間が揺れる。



 斎藤 邦彦(さいとう・くにひこ)は小型飛空挺で近づく際に猛スピードで突っ込み、上空で『破壊工作』を行った。それを迎え撃つアンジェラ隊。それが邦彦の狙いでもあった。回避しつつ迎撃で兵が集中するだろうことを睨み、爆破を起こし、そこで展望台に降り立つと白兵戦に入る。
 ショットガンの引き金を引き、状況を攪乱させた。
 アンジェラ隊はそれなりに持ちこたえていたが、徐々に劣勢へと追い込まれている。
「赫夜に一言かけようかと思ったがもはや言葉は不要か。信頼して私は私の役目をこなすのみ。救出に一番近い中央部だが他から奇襲を受ける可能性がある。後顧の憂いを断つ為に展望台の敵を制圧しておくべきだ。脱出の際も使える。左の展望台を落とす!」
 そして、ネル・マイヤーズ(ねる・まいやーず)は『白兵武器』を駆使して左の展望台を制圧にかかる。
「さっきも聞いたけど、邦彦にしては珍しい理由で戦うと思ってね。別にいいんじゃないか、ようやく大人としての自覚が出てきたってことだ。私としては相棒が成長するのは嬉しく思うよ。前々からそのそぶりは見えてたしな。…全力で援護する!」
 そこにアンジェラが立ちはだかると、鞭で邦彦のショットガンを落とそうとするが、間一髪、避けることが出来た。
「…あら、あなた、羽根 季保(はね・きほ)の言っていた『クニヒコ』って人?」
 アンジェラは邦彦を見ると、そう切り出す。
「…『鬼大刀会(グェイ・ダー・ダオ・フゥイ)』の羽根季保のことか? 知っているのか?」
「知ってるも何も、あの女と私は姉妹弟子の関係よ。あの女は同門ながらも恐ろしい女だわ。でも、この間、貴方たちに散々にやられて片目を無くしていたけれど。でも、今は随分、回復しているみたいよ。あなたのこと、気に入ってたみたい」
「どうして私のことが直ぐにわかった?」
「あの女と私は因縁が深くてね。…なんてことはないわ、男の趣味が似ているの。ずっと男の取り合いを繰り返していた因縁の仲なのよ。だから女の直感でピンときただけ…そういうわけで、私もあなたが嫌いじゃないわ。ストライクゾーン、よ。でも私、好きな人にはイジワルをしたくなるの」
 くっと笑い、舌なめずりをすると、そのまま、アンジェラはまた、鞭を振るおうとする。
 その時、煙幕ファンデーションがまかれ、ブラインドナイブズがアンジェラを襲おうとした。
 それは先ほどまで身を潜めていた祥子であった。
 だが、それはアンジェラの鞭を叩き落としたのみであった。しかし、祥子は叫んだ。
「状況はこちらに既に有利! ここは制圧させて貰う!」
「ち!」
 アンジェラは祥子の忘却の槍で同士討ちしかねない部下を守るため、一旦退却する。
 そんな緊迫した状況の中、緋山 政敏(ひやま・まさとし)は戦う姿勢を見せながらも、
「頼む、三池先輩と話がしたいんだ!」
 とアンジェラにストレートに切り込んでくる。