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少年探偵と蒼空の密室 A編

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少年探偵と蒼空の密室 A編

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ANOTHER 電報

 崩壊したロンドン塔からみなさんに守ってもらいながら抜けだして、あたしとくるとくんは、どうにか宿泊先のホテルにたどりつきました。
 すっかり、夜が明けてしまったわね。
 もともと、お客さんが少なかったせいか、ホテルのロビーは閑散としていて、ラウンジカフェのソファーに座って、優雅にコーヒーを口にしているのは、ひょろりとした獣人の男性一人だけ。
「やあ。くるとくん。お疲れ様。昨夜は眠ってないだろうけれど、おはようでいいのかな。そろそろ、マジェスティックから離ようと思っているベスティエ・メソニクスだよ。姫はアルと一緒になるようだね。アレイスターが消えて、ここにも新しい光と、そして闇が生まれる」
「ちょっと、ベスティエさん。失礼かもしれませんけど、あなたいつもすごく情報通なんですけど、なにをどこまで知ってるんですか」
「情報通? 僕の言うことが本当かどうかはわからない、といつも言ってるだろ。では、そろそろ」
 PMRの風来坊ベスティエさんは、軽やかに笑いながら椅子から腰をあげました。
「おっと、きみたち、部屋に戻る前にあの子と話すといいことがあると思うよ。僕の言葉を信じるならね」
「また、そういう」
 ベスティエさんは、行ってしまいましたが、あたしは、彼が指さした、フロントでホテルの人と話している、女の人がやっぱり気になったので近づきました。
 メガネをかけた二十代くらいの学生っぽい、ショートヘアの女性です。
彼女とフロントの人との会話が終わった後、話しかけました。
「あの、失礼ですが」
「は、はい。なんでしょう。あああ」
 ちょうど、彼女がふりむいたタイミングで、ホテルに入ってきた霧島春美さんたちとシャーロット・モリアーティさんが、あたしとくるとくんに近づいてきて、急にたくさんの人とむきあう感じになった彼女は、手にしていたものを絨毯に落としてしまい、
「驚かして、ごめんなさい。これは」
 メッセージカードを拾ってあげた春美さんは、渡す前に内容をみてしまったらしく、目を丸くしています。
「ジュリアン。あなたがここにいるということは」
「シャル。あなた、今回の事件にかかわっていたの。ふうーん。こっちでも、活躍中なのね」
「4thは、パラミタにいるのですか」
 シャルさんは、彼女と知り合いみたい。
「マジェは、ロンドン姉妹都市だから、協力を依頼されたのよ。あいつだけ呼ばれたのに、あの子、私にもこいって連絡してきて。きてみたら、もう終わってるし。あの子は、どっかに行っちゃったしで。医大生は、ヒマじゃないのにぃ」
「女王陛下のお墨付きのあなた方なら、多少のムチャはおおめに見てもらえるのでは、ありませんか」
「さあ、どうだか。悪いけど、行くわね。あいつを捕まえてロンドンへ帰んないと。それじゃ」
 よほど、あわてているのか、春美さんの手にカードを残したまま、彼女は行ってしまいました。
「なに、あれ。春美。それ、もらっちゃっていいの」 
 ディオちゃんが心配してます。それはそうね。
「たぶん、いいと思うわ。シャル。いまの会話は、もしかして」
「私が依頼された探し人は、あなたが保護してくれましたし、ここにくるまでの道での会話では、ルパンやアレイスターが本当にいたのか、すべては、ノーマンの自演ではなかったのかと、あなたはいらぬ心配をしているようなので、特別に教えてあげましょう」
 シャルさんは、いたずらっぽく笑いました。
「彼女は、私の祖国の秘密兵器の片割れです。政府の依頼で秘密裏に動くことがほとんどですから、表にその姿をあらわす機会は、まずありませんが。私は、以前、ある事件で彼女たちとかかわったのですよ。いまの彼女の名前は、ジュリアン・ワトソン。代々続く医師兼ある人物の助手の家系です。そして、彼女の相棒の少女は通称」
「4th。名前は言わなくてもわかるわ」
 春美さんは、すごく、すごくうれしそうです。
「本当に、いるのね。彼の血をひく四代目の私立探偵」
「いますよ。私は、彼女はあまり好きではありませんが。彼女がいる以上、ルパンもアレスタもいてもおかしくないでしょうし、くるとくんやノーマンもいるのですし」
「いまの人、ワトソンくんだろ。春美、追いかけてサインをもらおうよ」
 走りだしかけたディオちゃんを春美さんが抱きあげました。
「いいのよ。ディオ。彼女たちがいつも忙しいのは、よーく知ってるから、それに、ほら、このカード」
 春美さんがみんなに見せてくれたカードには、かの有名な伝言が。

The next event occurred.
Come at once if convenient if convenient come all the same. 4th
(次ノ事件ガ起キタ。都合ヨケレバコイ。ワルクテモスグコイ。4th)

Q.E.D.

担当マスターより

▼担当マスター

かわい家

▼マスターコメント

 まず、リアクションの公開が遅れたことをお詫びいたします。
 前回に続き、遅刻してしまい非常に反省しています。
 申しわけありませんでした。
 
 こんにちは。かわい家です。
 みなさん、ご参加ありがとうございました。
 PLのみなさんのANSWERを受けてのA編です。
 みんなの答えで、このような感じのお話になりました。いかがでしたか。
 それぞれに、楽しんでいただければ幸いです。

 公開が遅れてしまったことですし、今回のマスターコメントは、これくらいにしておきます。
 近日中に、マスターページにリアクションの感想などを書きますので、よければ、ご覧ください。
 みなさんとミステリできて楽しかったです。
 今回も楽しい時間をありがとうございました。
 また、お会いできる日をくると、あまねとお待ちしています。
 失礼します。