リアクション
アリサの入ったカプセルは天御柱が回収した。しかし、極東新大陸研究所に引き渡すかは帰ってから検討する事となる。今は結論が出るまで、天御柱で保管し、アリサが目覚めるのを待とうと言う事になった。
生徒たちを襲った怪現象はアリサの仕業だったので、これで近隣住民たちの苦情や、研究所に入った人を襲うポルターガイストも無くなるだろう。
「いや、一時はどうなるかと思ったよ」
光が背伸びをして、夜明けの光を拝む。
「そうだね。僕の友達もみんなに感謝してるよ」
ニコも久々に夜明けを見たと言う。
「心霊現象とか全部、サイオニックスキルが原因だったわけだし、やっぱり幽霊やお化けなんていなかったんだね! キミの友達の子も無事回収できたしね」
「え? 何のこと?」
ニコが首を傾げる。
「あれ? キミの友達って。アリサのことじゃないの?」
「何言ってるの? 僕の友達があんな生きている人間なわけないよー。
――僕の友達は、この研究所に居る子供たちの幽霊に決まっているんだよ」
光は後に知る。この研究所が子供病院を買い取って作られた事実を。
そして、この依頼の後、研究所から『嘆き声』は聞こえなくなった。
代わりに、子供たちの楽しそうな声が聞こえてくるようになったと――。
「おばーけなんていなーいさ! おばーけなんてうっそさーっ!!!」
大変だった。意外と。
皆さんお楽しみいただけたでしょうか。黒井威匠でございます。
今回、『強化人間』をテーマにした話でしたが、この話はマスターを始めてすぐに思いついた話だったりします。今まで温めていたら、いつの間にか腐卵になっていました。
なんで、こんな大変複雑な話になったし! と思っています。
さて、今回これは単発ではありますが、ストーリー的にはこれの続きを用意するつもりです。今度は戦闘メインで行きたいなーとか思っています。
それではまた、よろしくお願いします。