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爆弾と危険なお空の旅!

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第3章 反撃? 

「来た!」
 電話を受け取ったのは1階運転室の前で待機していた、ルカルカ・ルー(るかるか・るー)だった。
 ルカルカの周りでは雅羅を始めとし複数人の突入組が集まっていた。
「さて、オレの出番かな」
 羅儀はサイコキネシスを使って運転室の鍵を開けようとする。
 少しすると、鍵を開く無機質な音が通路を響き渡った。
「いよいよですわね」
 雅羅が緊張の声を上げる。
「待て、雅羅。君はここに残れ」
「何でです!?」
「ここから先、私達軍人の仕事だ。一般人はついてきてはならん」
 驚きの顔で聞いてくる雅羅に白竜は淡淡と言い放った。
 叶 白竜(よう・ぱいろん)が落ち着いた声で、雅羅に牽制した。
「おとなしく今は言うことを聞いた方が良いと思うよ。このおじさん怒ると本気で怖いからね」
 世 羅儀(せい・らぎ)が優しく雅羅を説得する。
「でもっ、私ここまで来たんですよ!」
「だめだ! 行くぞ、武尊に羅儀」
 白竜を戦闘に、国頭 武尊(くにがみ・たける)と羅儀が中に入っていく。
 雅羅は背後でじっとそれを見送った。

「……静かね」
 ルカルカ達は静かな吹き抜けのある2階建て運転室を見回した。
 中央で飛行士が船を運転しているだけだった。
「どうなってんだ……おい飛行士さん?」
 さっきから微動だにしない飛行士に武尊は声をかける。
 だが反応はない。ゆっくり武尊は近づくと飛行士の体には大きな機械が取り付けられていた。
 そのパネルには180という数字が表示されていた。
「こりゃあ、爆弾だ!! 飛行士は気を失ってる!」
 武尊が叫んだ瞬間、銃弾が運転室上部が足下に降ってくる。
「上よ!」
 ルカルカは慌てて声を出しながら上を指さした。
「ちっ」
 白竜と武尊が上へと上がる。
「ダリル! 飛行艇を頼むね!」
「ああ、いつも操縦してるのと同じだ、どうにかいけそうだ」
 ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)はゆっくり頷いた。
 それを見届けたルカルカも白竜達の後を追う。
「さて、まずは安定させないとな……」
 ダリルは、操縦桿を握った。

「ちっ、どこだ奴らは」
 武尊は2階に上がり息を切らせながら周りを見回した。円柱状に張り巡らされた吹き抜けだった。
 だがそこには計器類が並ぶばかりで人影は見えなかった。
「しょうがないわね、私は左の方を見るから。他の人は右を頼わね」
 ルカルカが二手に分かれることを提案する。
「っと、バランス悪いから俺はルカルカについていくぞ」
 武尊はルカルカについていった。
「居た!」
 羅儀が声を上げると、鏖殺寺院は慌てて右の方へと走り始める。
 鏖殺寺院はそのまま走り続ける。その先にはルカルカの姿。
「うおおおおおおおお!!」
 鏖殺寺院の叫び声が響き渡る。
 だが、ルカルカの手刀によってその勢いはすぐに崩れた。
「さて……あなた一人だけだったのかしら?」
「……」
 ルカルカの問いに、鏖殺寺院は答えなかった。
「ちょっと失礼するぜ」
 武尊が突然鏖殺寺院の胸元に手を突っ込み始める。
「何をしてるの?」
 ルカルカが顔を赤らめながら武尊に聞く。
「ただの身体検査だが?」
 その答えにルカルカは、すこし暗い表情を浮かべながらダリルの元へと向かった。
「おい、この爆弾はどうするんだ。徐々に数字が減ってるんだが」
「あ!」
 すっかりルカルカは忘れていた。数字はすでにカウントが5を切っていた。
「おい、君。今すぐその爆弾を窓の外に投げろ!!」
「え!?」
 白竜が大声でルカルカに言った。
「早くしろ!」
 ルカルカは言われるままに爆弾を外に放り投げる。
 空に舞う爆弾を白竜はシャープシューターで爆弾を打ち抜いた。
 爆弾は飛行艇の目の前で強い光りを放って爆発する。
「わ〜!?」
 どうにか飛行艇は無事だった。
「白竜さん……やるなら前もって教えてよ」
 ルカルカは疲れ切った表情でため息をついた。
「なっ!? ちっ、面倒なことになったぜ。おい、携帯で爆弾解除組に連絡を頼む」
 武尊は突然大きな声を上げてきた。
 運転室に鏖殺寺院が1人しか居ない理由が分かったのだった。
「大きな爆弾はまだある! しかもこいつらのボスは逃げようとしてるぞ!」