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リアクション
延長戦。攻撃は西チーム。
「これから延長戦開始ネ。時間は五分。お互い一、二回攻められる程度の時間しかないカラ、果敢に攻めるネ」
「これで勝負が決まるでしょうか! 皆さん頑張ってください!」
「よし! 行くぞ!」
「一気に決めるですっ!」
パックを持ち突撃する宵一と灌。
「ヒャッハー! ここから先はとおさねぇぜ!」
「ヒーハー!」
立ちはだかるモヒカン達。
「今止まるわけにはいかないの!」
「頼む!」
郁乃が素早くモヒカン達の間をすり抜け宵一のパスを受け取る。
「なんだと!?」
「まだまだ俺様達はいるんだぜぇ!」
「ここは私が……、はぁっ!」
「のわっ!」
加夜が『グレイシャルハザード』で道を作る。
「ありがとうっ!」
作られた道を通る郁乃。
「スサノオ頼むで!」
その先には優奈とスサノオ達。
「こっちです!」
「お願い!」
郁乃が灌へパス。
「ウル達だってやるんだから!」
「うっ……」
ウル達の妨害を受け、思うように前へ進めないでいる灌。
「こっちだ!」
少し遠くにいた涼司が灌へ呼びかける。
「お願いするですっ!」
『抜刀術』からの鋭いパス。
「良いパスだ!」
それをしっかり受け止める涼司。
「ここから先は通行止めよ!」
レロシャンが『パイロキネシス』で炎のカーテンを作り、行く手を阻む。
「ちっ……!」
「こっちよ!」
「おうっ!」
涼司が、セレンフィリティへパス。
「させねぇっての!」
「ヒャッハー!」
すぐさまモヒカン達がブロックに入る。
「全力で止めろや!」
「なかなか良いディフェンスするじゃない……!」
「セレン!」
「頼むわ!」
セレンフィリティの後ろにいるセレアナにパス。
「させませんよ」
クロセルが『超電磁ヨーヨー』でセレアナのスティックを破壊。
「くっ!」
「私が行きます」
打てなくなったセレアナの代わりにパックを取るベアトリーチェ。
「まだまだじゃぁ!」
「失礼します……!」
「なっ! 二人だと!?」
『ミラージュ』を使い困惑するモヒカンの横をすり抜けるベアトリーチェ。
「分身だろうがしらねぇ! 両方止めろ!」
「おうよっ!」
「させないよっ!」
「ぶへっ!」
「へぶしっ!」
美羽の『サイコキネシス』でぶっ飛ぶモヒカン。
「悪いがこの先は通行禁止だ」
その先にいたのは毒島。
「っ……!」
「悪いがそれは使わせない」
『ミラージュ』を再び使おうとしたベアトリーチェに対し『蒼き水晶の杖』でスキルを封じる毒島。
「いただきだぁ!」
「しまった……!」
動きのとまったベアトリーチェからパックを掠め取るモヒカン。
「これでこのまま――」
「いけると思ったら大間違いですよ」
「あべしっ! だ、だが。ただでくたばる――」
「うるさいですよ?」
「にべしっ!!」
優梨子が一瞬でモヒカンを粉砕。モヒカンは倒れる間際にパックは誰もいない方へ弾く。
「ヒーハー! いただきだぁ!」
「そう簡単にあげないわよ」
モヒカンがとろうとしたところを陽子が『風術』を使い回収。
「ぶるあぁぁぁぁ!!」
奇声を上げて陽子に迫るモヒカン。
「させません!」
それを柚が『氷術』で拘束。
「おまけだよっ!」
さらに三月が『雷術』で攻撃。
「うぼあぁぁぁ!!」
「今のうちだ!」
「助かるわ。よし……!」
陽子がゴールへ向かう。
「俺達を忘れてもらっては困るよ」
「ここは行かせないわ!」
ゴールまでもう少し。そこで陽一達が立ちはだかる。
「どうすれば……」
相手は四人。抜くのは困難。
「おう! こっちだ!」
「っ!」
声のしたほうに向けてとっさのパス。その先には垂とセイカの騎馬。
「ありがとうございます」
「一気に突っ切るぜ!」
「汚物はブロックだぁ!」
「それで止められると思うな!」
モヒカン達を華麗に避ける垂。
「行かせぬ!」
ミアの『天のいかづち』が垂達を襲う。
「残念だったな! ルカルカ!」
だが、それは予測済みとばかりに垂達に動きをあわせ動いていたルカルカ達の騎馬へパス。
「ぴったり!」
前方には北都とモーベットのみ。
「いけ! ルカルカ!」
「了解ですっ!」
「させないんだから!」
シュートの瞬間、レキが『サイコキネシス』で軌道をずらし、威力を弱める。
「この程度……!」
モーベットがパックを弾き返す。だが、その先にはカリバーン達。
「残り一分! さぁ、どうなる!」
「フハハハ! 絶好のチャンスではないか! 今一度見せてやるのだ!」
「最後だよっ! ファイト! オー!」
「がんばれー!」
「かっこよく決めるのじゃ!」
観戦している貴仁達も一生懸命応援する。
「みんなの声、しっかりと聞き届けた! マグナ! ハーティオン!」
聖剣形態へとチェンジするカリバーン。
「最後……頑張って!」
マグナとハーティオンがカリバーンを持つ。
「これで決めてやろう!」
「受けるが良い!」
『ブレイブ・フィニッシャー!』
再び放たれた必殺技。パックは宙を飛び、まっすぐゴールへ。
「これは……、止める!」
北都が二つのスティックを構え。飛んでくるパックをしっかりと見据える。
「くっ……!」
しっかりと受け止める北都。しかし、勢いが止まらない。ただでさえ、踏ん張りの利かない氷の上。少しずつ後ろへ。勢いが止まった頃には身体ごとゴールへと押し込まれいた。
ピーッ! と無常にも延長戦を終えるアラームが鳴り響く。
「ゴールです! 西シャンバラチーム、時間ギリギリで見事ゴールを決めました! これで14対13! 西シャンバラチームの勝利です!」
「良い試合を見せてもらったぜ! お前達の熱い闘志がここまで伝わってきた!」
「これニテ、試合終了ネ。みんなゆっくり休むといいネ」
会場は大歓声に包まれていた。
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