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荒野のピストルランチ!

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荒野のピストルランチ!

リアクション

 騒ぎを無視して食事を続行しているエースたち。
 ただし、リリアのオートガードやディフェンスシフトで周囲を守っているからの無視である。

「ちょっちょと、この喧噪のなかで何事も無く食事してるエース達ってちょっとオカシイ気がするんだけれど?」
「この店はいつもこうだから気にするな」
「えと、えっと、凄く気になるんだけどー!?」
「ただのBGMで余興だからってホントなのー!?」
「「まあ落ち着いてランチを食べなさい」」
「……あくまで押し通すつもりね! 受けて立つわ!」

 リリアがいきり立ち、手始めにワインを努めてゆっくり味わう。



ドゴンッ



 勇平が投げ飛ばした装甲車本体が飛んで来て、壁を突き破りエースたちの近くの壁が開いた。

「え? な、なんで装甲車本体が……」
「まぁ、銃弾が乱れ飛ぼうが、装甲車が突っ込んで来ようが、食事を始めたクマラが止まる事は無い……」
「あっ、オイラあの装甲車欲しいにゅん! マスター、アレをおまけにしてもう一回お子様ランチ作ってー☆ 今度はオムライスにタコサンウィンナーとミニカツとサラダ。デザートはぷりんがいいにゃん!」
「図々しい注文をするんじゃない。あの装甲車はお子様ランチのおまけにはつかないぞ。既にここのメニューの半分を制覇している状態でそれを言うか」
「満足に食べさせてもらえないなんて、当局に児童虐待とかそんな感じで通報されちゃうヨ?」

 しれっとクマラはマスターに注文する。

 すっとマスターは装甲車のミニチュアケーキを添えたお子様ランチを差し出す。

「おぉぉぉぉ!! いっただきまーす!」

 出されたお子様ランチをパクつくクマラ。



 東雲の歌で激昂状態になっている敵にいい加減うんざりした託は、ついに立ち上がる。

「君たちの事情はどうでもいいから、僕たちのランチを邪魔しないでくれないかなぁ?」

 鬼眼を使っていないハズなのに、気迫が迫る笑顔でファイナルレジェンドを使用した。



ズダァァァァァァァァァァン!!



 生き残っていたバーボン一家も託のファイナルレジェンドで沈んでしまった……。

「ふぅ……これで静かに琴乃さん(と友人たち)とランチが過ごせるね」

 満足した託は自分の席に座り、残っているランチを食べ始める。



「ならばこれならどうだ! 金 鋭岬団長の秘密をよろしく!!」

 未だに無茶ぶりをしているアキラ。これは答えられないだろうとふふんとしている。

「……学校指定水着が決定された時、午後1時から午後3時の間、水着姿で校長室に立っていた」
「え、うそ、ほんとにマジで? というか完敗だ……アンタはすげーおっちゃんだぜ!」

 まさか答えられると思っていなかったアキラはマスターと硬く握手をする。
 握手を解くとマスターから領収書が渡される。

「いち、じゅう、ひゃく………り、りぽ払いでいいですか……?」

 アキラは大金を返せるまでここで働くことになった。
 隣に座っている煉は生温かい目でアキラを見る。

「ただいまー! あー、すっきりした」

 そこへ今まで外で暴れていたエヴァが帰ってくる。
 煉の隣に座るとマスターから超巨大パフェが出された。

「お、パフェだ! いっただきま〜す♪」

 先ほど食べられなかったパフェを食べ始めるエヴァ。



「ふにゅ〜」

 全力全開全力全開で歌っていた東雲だが、酒がまわり昏倒していた。リキュカリアはそんな東雲の介抱をしている。

「もう東雲ったら……大丈夫かな?」
「……んん〜? リュキカリア?」
「あ、起きた? 大丈夫?」
「大丈夫? ってなにが……というかこの惨状はどうしたの?」

 介抱もあって酒気が抜けた東雲だったが、なぜこのような状況になったのか記憶が無くきょとんとしている。
 周りは死屍累々のバーボン一家が積み重なっていた……。



◇          ◇          ◇




「これで、終わり!!」

 最後の一人をローザマリアの狙撃銃型光条兵器で仕留める。

「ふぅ……お疲れ、瑛菜」
「ローザもお疲れ。それにみんなも」

 外で暴れていたメンバーに瑛菜は労をねぎらった。

「ねぇ、瑛菜」
「なに?」
「終わったら酒場のステージで慰労ライブを開かない? あの兄弟も誘ってさ」