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荒野のピストルランチ!

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荒野のピストルランチ!

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「これ以上は先へ進ませないよ」

 ローザマリアは装甲車のスリット目掛けエイミングで狙いを定め、火を付けた火炎瓶を投擲。
 次々に投げていく火炎瓶はサイコキネシスで微調整し、確実に目標の場所に当てて巻き起こる火炎で装甲車の視界を塞いでいった。

「火炎瓶だけじゃ数が足りないな、やっぱ」
「分かりきったことよ。それならタイヤを狙撃して足場を崩すだけ」
「ならあたしは表に出ている、まぬけな奴らをこれで落としてくか」

 突っ込んで来る装甲車に対して、狙撃銃型の光条兵器で言葉通りエイミング&スナイプを使用し、装甲車のタイヤを狙撃し足場を崩していくローザマリア。
 瑛菜は茨の鞭で装甲車から顔を出していたバーボン一家を、鞭で落としていく。

「お前ら! チンケな酒場ごとぶっ潰して、アレを取り返すのだわサ!!」

 バーボンの命令で、走行機能を失った一部の装甲車から降りてくるバーボン一家の下っ端たち。

 数にものを言わせて攻め込んで行く下っ端たちに対して鞭を振るって薙いで行ったり、ナイフを持った敵には利き手の動きを封じて反撃したりする瑛菜とローザマリアの二人。

 動ける装甲車は砲台でローザマリアと瑛菜に向けて弾を撃っていく。
 中には撃たれた砲弾が酒場に命中したりもしていた。



◇          ◇          ◇




「バーボン様から奪った新型麻薬の苗を返しやがれ!」
「てめぇらまとめて始末してやる」

 などと言った台詞を吐きながらどたばたと酒場に乱入してくるバーボン一家。

「うるさい」
「げブっ!?」

 マグナは食事をダメにはされなかったが日常を壊したからと、容赦なく乗り込んで来たバーボン一家を殴り倒した。

「酒場で暴れるな。ここは、いろんな奴らが最近の事とか趣味とか駄弁っているわけで、そういう空間をぶち壊すな」

 マグナは気絶している下っ端にそれだけ言い捨て席に戻って行った。

 バーボン一家がぞろぞろと酒場に入ってくる中、ローズはパフェを運んでいた。

「お待ちどう。はい、超巨大パフェね」
「おー! うまそうなパフェだぜ!」
「おいおい、この量1人で食べる気かよ。残したら俺に食えとか言わないよな……」

 桐ヶ谷 煉(きりがや・れん)エヴァ・ヴォルテール(えう゛ぁ・う゛ぉるてーる)が頼んだ超巨大パフェに呆れる。
 そんなことはお構いなしにエヴァは目を輝かせてスプーンを手にする。

「それじゃあ早速いっただきま……」



ズドンッ



 壁を突き破って飛んで来た砲弾が、エヴァの頼んだ超巨大パフェに直撃した。
 隣では煉があっけにとられている。

「おい、このパターン前にもあった気が……」
「……………」

 無言でエヴァはパイルバンカーを持って立ち上がり、バーボン一家の集団の前に立ち塞がる。
 案の定といった表情でエヴァを見送り、バーボン一家を可哀想に思う煉。

「おいおい譲ちゃん、こんなとこに立ってちゃ危ないでちゅよ〜」
「ぎゃはは! そうそう痛い目に逢いたくなければ引っ込んでな」

 どっと笑いが巻き起こる。

「……の、怨み」
「あん?」

「パフェのうらみぃぃぃぃぃ!!!!!
真空波でふきとびやがれぇぇぇぇ!!!!!」


 完全にキレた目つきでバーボン一家に真空波を叩きこむエヴァ。
 宙を舞うバーボン一家たち。それを眺める煉。

「おーすごい、人がゴミのように吹っ飛んでるな」

「可変バイク、イコプラ行きやがれ! あのクソボケどもに地獄見せてやれッ!!」

 エヴァは可変バイク、イコプラを穴が開いた壁から外へ出し、自分も外へ出ていった。

「……ご愁傷様、生きてたらめっけもんだと思え。さて俺はどうするかね……」

 ふと横を見ると、マスターにどんな無茶ぶりをしようかと考えていたアキラに声をかける。

「なぁ、ニルヴァーナについてどう思ってるんだ?」
「あれじゃ簡単すぎ……ん? ニルヴァーナのこと?」
「あぁ。連れがちと外に行ったから、話し相手がいなくてな」
「ふーん。俺でよかったら相手になるぜ」
「サンキュ。おっと、1つ忘れていた。マスター、さっきの超巨大パフェもう1つ。外の喧騒が落ち着いたらくらいで頼む」

 頷くマスター。
 アキラはしばらくの間、マスターの無茶ぶりを考えるのを止め、煉とニルヴァーナについて語った。