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JYOUBUTU

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JYOUBUTU

リアクション

「ハハハッ、ビーチバレーですか! 皆さん、実に健康的で楽しそうなことをしてますね!」

 と、そんな快活な声と共に、人影がンガイを覆う。

「んッ、誰であるか?」

 ンガイはそういいながら起き上がり、人影を仰ぎ見た。
 すると、そこには全身を青色に包まれたのっぺらぼうのような男――益荒男・葵井(ますらお・あおいゐ)の姿があった。

「い、イヤアァァッ! ノーイメェィジッ!? 恐ろしいのであるぅぅッッ!?!?」

 ンガイはそう絶叫しながら、一目散にどこかへと逃げ去ってしまう。

「ハハハッ、元気な猫だなー。うん、実に健康的でいいぞ!」

 葵井そういうと、さわやかな笑い声を海に響かせるのであった。

「あの、猫さんが逃げちゃったからこっちの人数が足りなくなったんだが……」

 もっくんはポリポリと頬をかいてそういう。

「フッ、ついに俺様の出番だ……!」

 と、照りつける太陽を背中に抱き、逆光の中からひとりの男が現れる。
 そしてその男は空高く舞い上がると、チームやもりの陣内へと見事に着地した。

「天知る、地知る、人が知る――変熊 仮面(へんくま・かめん)ただいま参上! さあ、みんなで力を合わせて権兵衛をJYOUBUTUさせてやろうではないか!!」

 変熊仮面は意気揚々と立ち上がり、くるりと後ろへ振り返る。
 だがそんな彼の姿を見た女性陣は凍りついた。
 なぜなら変熊は、全裸に薔薇学マント1枚という姿でそこに立っていたからだった。

「うわっ、変熊さん! あんたまたそんな恰好で――!?」

 もっくんは、前回の事件で知り合いとなっていた変熊に向かって思わず声を荒げる。

「いやァァァッ、エースッ!」
「お嬢様、見てはいけません!」

 エースはとっさにリリアの目を覆った。

「なに粗末なもの見せてんのよ!」
「ヘッ、ヘンタイだぁッ!」

 リキュカリアとルカルカはそういって両目を手で覆う。

「俺様はヘンタイではない……変熊仮面だッ! さあ、美しすぎるこの肉体見てもらおうか!」

 変熊はそういうと、当初の目的をすっかり忘れて女性陣を追いかけ回す。

「これは愉快ですね」

 ハハハッ、と楽しそうに笑いながら、権兵衛はそういった。

「笑い事じゃないのじゃ! コラッ、変熊! いい加減にしろッ!!」

 アリエティはそういって、ポケットの中に入っていたやもりのビンを変熊に向かって投げつける。

「へぶしっ!」

 その直撃を頭に受けた変熊は、バタリと浜辺に倒れた。

「――イタタタッ、何するんだアリエティ! ……んっ?」

 と、起き上がった変熊は目の前に落ちたビンを拾い上げた。

「これは、なんだ?」
「それは今日のラッキーアイテムじゃ!」
「ラッキーアイテム? ――なるほど!」

 何かを思いついた変熊は、後ろを向いてなにやらゴソゴソとやりはじめる。
 そして再びくるりと振り向くと……。

「じゃーん、俺様のJYOUBUTU(上物)とくと見よ! ラッキーアイテムでパワーアップだァッ!!」
「変熊さん、もうダメだよ! それ以上はアウトだよ!!」

 ルキは涙ながらにそう叫び、ビンと合体した変熊のナニかを慌てて隠す。
 そんな中、変熊は髪を掻き上げうつむきポーズでビシッと決める。

「ふっ……照りつける太陽と皆の視線がまぶしすぎる」