リアクション
◎第10章−3 コルニクスの撃破
「バ、バカな。世界統一国家神様から与えてくださった≪闇巣食う牢獄≫が……」
コルニクスが驚愕の表情で亀裂の入った天井を見上げる。
周囲の黒い壁面には今にも崩れそうなほど亀裂が入り、外部から陽光が差し込んできていた。
「言ったろ……信じればどうにかなるもんだって……」
エヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)がよろよろと立ち上がる。
その姿は、限定解除状態に戻っていた。
コルニクスは後ずさり、エヴァルトから距離をとる。
「だ、だが、それだけ体力を奪われれば、もうほとんど動けまい」
「関係ないな――」
エヴァルトが床を蹴り、一気に距離をつめると、顔面に拳を叩き込む。
「てめぇを一発ずつぶん殴れれば、それでお終いだ」
「そういうこと――」
さらに、脇から飛び込んできた緋柱 透乃(ひばしら・とうの)。
「ここでお終いにさせてもらうよ!」
腹を殴られて吹き飛ばされならも、コルニクスが顔面と腹を抑えながら踏ん張る。
すると、想詠 夢悠(おもなが・ゆめちか)が正面で稲妻を放つ準備をしていた。
咄嗟に防御の構えを見せるコルニクス。
振り下ろされた稲妻が目の前に落ちる。
「なっ――」
「受け取れっ!」
目の前の攻撃に気をとられていたコルニクスは、接近する夢悠に気づけなかった。
夢悠はフロンティアスタッフで腹部を殴りつける。
さらに、後ろに吹き飛ばされたコルニクスをセシル・フォークナー(せしる・ふぉーくなー)の【ホワイトアウト】が襲う。
「こ、この程度の吹雪など……」
「知ってます……ポラリス、後は頼んだわよ!」
「行きます!」
コルニクスの正面で、魔法少女ポラリス(遠藤 寿子(えんどう・ひさこ))が杖を構える。
残った魔力をかき集め、全力を叩き込む。
先端が眩く輝き、最後の一撃を――
「ポラリス・パニッシュメント!!」
魔力の束はコルニクスにぶつかり、壁に押し付ける。
ポラリスの全力を注いだ攻撃は、黒い球体の壁をぶち破り、コルニクスを外へと吹き飛ばした。
「ぐあああああああああああああああああ!!」
グサッ
テラスまで吹き飛ばされコルニクスは、胴体を紫の水晶に貫かれて息絶えた。
パラミタ内海は元の静けさを取り戻していく……。