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【ですわ!】パラミタ内海に浮かぶ霧の古城

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第6章 救出と制圧

 飛空艇。艦橋へと続く通路。
「刃向かうなら殺す」
 ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が通路を向かってきた兵士を撃ちぬく。
「だから嫌だったら、逃げるか、投降してね」
 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)が竜頭型の巨大槌で吹き飛ばす。
 救出部隊が派手に暴れているおかげで、予想していたより敵の数が少ない。
 二人は休むことなく、通路を走り抜けた。
「ルカ! あと少しだ! ゆだ――」
「『油断するな』でしょ? ダリルの言うことくらいわかってるよ」
 言葉を取られたダリルは、口元を緩めながら肩を竦めていた。
 敵を蹴散らして進み続け、ようやく艦橋の扉が見えた。
「お邪魔しまーす!」
 ルカルカは巨大槌で思いっきり扉を吹き飛ばした。

 飛空艇の貨物室に銃声が響き渡る。
 コンテナがいくつもの置かれ、行く手を阻む室内。
 そこでローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)は、【光学迷彩】とベルフラマントで姿を隠しながら攻撃を行う。
「見つけた……」
 遮蔽物で姿を隠しながら片膝をつき、狙って撃ちだす弾丸は確実に相手をとらえる。
 念には念を重ね、一回分の連射を終えるとすぐさまその場所を移動し、別の場所から攻撃を行う。
 そうして、仲間と共に着実と敵を減らしているはずなのだが、数が多くこの先の監禁部屋へ辿りつけない。
「このまま籠城されると厄介だわ」
 今は艦橋の方にいった分と、残してきた怪我人の救助で、敵の兵は割かれている。
 しかし、時間が経てはこちら不利になるのは目に見えている。
 それまでになんとかしなければ……
「ちぃ!?」
 上方から銃弾が飛んできた。
 ローザマリアの攻撃に即座に反応した者がいたようだ。
 身を隠して攻撃するローザマリアの存在が知られ、警戒範囲が果敢に斬りこむ弓彩 妃美達だけでなく、それ以外にも広がったためである。
 こうなると、いよいよ状況が厳しくなる。
 ローザマリアが多少強引でも、敵の数を減らすべきか思案した。
 その時――
「『救出の為に教導団からきました。ルカルカ・ルー大尉です!』」
 艦内放送でルカルカの声が流れてきた。
「『この飛空艇はルカ達が占拠しました。これより到着した本隊のど真ん中に着陸させます。抵抗は無駄ですので、諦めて投降してください。繰り返します……』」
 繰り返される勧告にかき消されるように、銃声は徐々に聞こえなくなっていく。