天御柱学院へ

蒼空学園

校長室

イルミンスール魔法学校へ

【ぷりかる】みんなの力で祖国を救え!

リアクション公開中!

【ぷりかる】みんなの力で祖国を救え!

リアクション


歌え、仲間のために


「グィネヴィア様、お手伝いに来ました」
「わたしも来たよ! たくさん頑張るよ!」
 御神楽 陽太(みかぐら・ようた)の子孫御神楽 舞花(みかぐら・まいか)とパートナーノーン・クリスタリア(のーん・くりすたりあ)グィネヴィア・フェリシカ(ぐぃねう゛ぃあ・ふぇりしか)の手助けのためにやって来た。
「……ありがとうございます。舞花様に……」
 グィネヴィアは礼を言うも初対面のノーンに戸惑う。
「こんにちは、はじめまして、ノーンだよ!」
 ノーンは気さくに自己紹介をする。
「はじめまして、ノーン様」
 グィネヴィアは丁寧に挨拶を返した。
「ねぇ、これが終わったら美味しいごはん作ってみんなで食べよーね!」
 ノーンは場を和ます愛らしい笑顔をグィネヴィアに向けた。
「……はい」
 グィネヴィアは答えつつ幽霊城を見上げた。武器で相手を傷付けるよりもケーキで相手の服を汚す方がずっと良い。
「それはいいね。出来れば、敵味方関係無くみんなで仲良く食べたいね」
「……無理矢理戦わされている人もいると聞きますし」
 風馬 弾(ふうま・だん)ノエル・ニムラヴス(のえる・にむらゔす)がグィネヴィアの言葉に賛同しながら登場。
「弾様にノエル様。ありがとうございます」
 グィネヴィアはまた丁寧に礼を言った。
「感謝はいりませんよ。困っている時はお互い様です」
 ノエルは優しく言った。
「ノエルの言う通り。さぁ、行こうか」
 弾は天と地の切迫した状況に視線を巡らせてからノエルを促した。
「はい」
 ノエルはうなずき、弾と共にやるべき仕事に取りかかった。
「ノーン様、私達も始めましょう。ご助力をお願いします」
「任せて、舞花ちゃん!」
 舞花とノーンも動き始めた。

 舞花達が準備に入ってすぐ、
「グィネヴィアさん、来たまふ。大丈夫でふか?」
 リイム・クローバー(りいむ・くろーばー)は仲間の誰よりも一番に声をかけた。
「はい、リイム様。ありがとうございます」
 グィネヴィアはリイムの気遣いに感謝し、礼を言った。
「お兄ちゃん、挨拶だよ☆」
 コアトー・アリティーヌ(こあとー・ありてぃーぬ)は後ろに隠れている十文字 宵一(じゅうもんじ・よいいち)に言ってグィネヴィアとお喋りするきっかけを作ろうとする。リイムから宵一とグィネヴィアの事は聞いて知っており応援したいと考えているのだ。
「……あぁ」
 コアトーにきっかけを作って貰ってもグィネヴィアの前に立つ事など出来やしない。脳裏には以前、老魔女事件解決後告白した時の事がよぎってどうにも上手く振る舞えない。
「……あ、あの」
 グィネヴィアもまた告白の事を思い出してか顔を赤くして言葉が出ない。結局、告白の返事はまだしておらず、この時も出来なかった。そのような状況でも無かったが、それ以上に驚きと戸惑いと好意を持たれている事に対しての不安があったためだ。
「……あなたが……宵一、行きましょう」
 宵一の代わりにヨルディア・スカーレット(よるでぃあ・すかーれっと)がズイっと前に出て頭から爪先まで品定めをするかのようにグィネヴィアを見てから宵一に振り返った。
「……そうだな」
 微妙な気分の宵一は助かったとばかりにヨルディアに答え、仲間達の護衛に急いだ。
「……あの、宵一様、お怪我にはお気を付け下さいませ」
 グィネヴィアは振り絞り行ってしまう宵一に言葉をかけたが、その言葉は宵一には届かなかった。
 しかし、聞いている者はいた。
「僕はここでグィネヴィアさんを手伝うでふ」
 リイムだ。グィネヴィアの援護と宵一に対する彼女の気持ちを観察するために残ったのだ。コアトーは宵一と共に行った。
「……リイム様、お願いします」
 グィネヴィアは残ったリイムと共に支援に集中する事に。
「グィネヴィアちゃん、リイムちゃん、頑張ろう!」
 ノーンはこんな大変な時でも元気いっぱい。いやこういう時だからこそノーンの明るさは皆の支えとなる。
「グィネヴィア様、心配ありません。皆様、強い方々ばかりですから」
「そうまふ」
 舞花とリイムは胸の内に仲間への心配を抱えている事を察し、励ました。
「……はい。お気遣いありがとうございます」
 グィネヴィアは三人に礼を言って仕事を始める事に。

「……グィネヴィアさんを守ろうと思ったけど、別の仲間を守った方がいいかな」
 グィネヴィアと宵一のやり取りを離れた所から見ていた酒杜 陽一(さかもり・よういち)は予定を変更した。

「……グィネヴィアちゃんは……放っておけないし……一緒に、協力して……」
 人見知りの激しい冬蔦 日奈々(ふゆつた・ひなな)はグィネヴィアのためにと頑張ってやって来た。

 グィネヴィアが仕事を始めようとしていた時、
「……グィネヴィアちゃん」
 日奈々はグィネヴィアに声をかけた。
「日奈々様、手助けに来て下さったんですね。ありがとうございます」
 グィネヴィアは日奈々に礼を言い、手助けを歓迎した。
「……友達の危機を、助けるのは……当然ですぅ」
 日奈々は喋るのが苦手ながらも仲間を助けたいという気持ちは強い。
「……私は、グィネヴィアちゃんの近くで、守るですぅ〜」
 日奈々は回復役として立ち回ると同時に『殺気看破』で周囲の警戒を始める。
「……皆様のおかげで安心ですわ」
 グィネヴィアは自分を手助けしてくれる仲間達を見回した。こんなにも緊迫した状況なのに恐怖はない。これも皆仲間のおかげ。

 日奈々が手助けに現れてすぐ、
「グィネヴィアさん、ご友人の方が事件に巻き込まれているようですね。グィネヴィアさんには大変お世話になっている故、手助けをさせて頂きたく参上致しました」
 フレンディス・ティラ(ふれんでぃす・てぃら)ベルク・ウェルナート(べるく・うぇるなーと)忍野 ポチの助(おしの・ぽちのすけ)を連れてグィネヴィアの元にやって来た。
「……本当にありがとうございます」
 グィネヴィアは丁寧に礼を言った。ベルクはフレンディスが相手をしている間にグィネヴィア達がいる周辺に『インビジブルトラップ』を最大数設置した。
「では、マスター、ポチ。行きましょう。戦場には負傷された方が沢山いらっしゃいます」
 挨拶を終えたフレンディスは罠設置を終えたベルクと側にいるポチの助に声をかけた。
「ご主人様、お任せ下さい! 裏方小細工ならこの優秀なハイテク忍犬の出番ですよ!」
 ポチの助は胸を反らし、ピンと尻尾を立てて答えた。これまで何やかんやでハイテク忍び犬としての実績もそれなり積んでいるため自信があった。
「……そうだな」
 ベルクもフレンディスの意見に異議は無かった。
 三人は前線の負傷者救出のため急いだ。出発する前にベルクは設置した罠について知らせた。

 グィネヴィア達と別れてすぐ、
「……マスター?」
 フレンディスは少々考え込んでいるベルクに何事かと問うた。
「いや、いつも通り厄介な事件に巻き込まれるっつーのは仕方が無いとして戦闘向きとは思えねぇグィネヴィアが戦場にいるのが不安に思ってな。念の為、仕掛けはしているが」
 ベルクはため息をつきながら話した。
「心配ありませんよ。強い仲間がいますからすぐに終わります」
 フレンディスは当然だと言わんばかりの顔で答えてから先を行った。
「ご主人様、この僕もいますよ!」
 ポチの助は役に立つ自分をアピール。
「はい。頼りにしてますよ」
 フレンディスは笑顔ではなく真面目な顔でポチの助に答えていた。
「……俺が心配するべきはフレイの方だな。気持ちは戦闘モードだが万が一もあるからな」
 ベルクはぼそりとやる気に満ちたフレンディスの後ろ姿を見守りながらつぶやいた。

 フレンディス達が戦場に突入しようとした時、
「……敵も無理矢理従わされているらしいからそれも助けないとね」
「そうですね。でも二人だけでは大変ですよ」
 弾とノエルは困ったように話していた。仲間だけではなくテミストクレスの被害者となっている従龍騎士も治療しようと考えていた。ただ二人では大変だと。負傷者は味方よりも敵の方が多いので。
「……何かありましたか?」
 仲間を引き連れ、戦場へ突入しようとしたフレンディスは弾達に気付き、言葉をかけた。
「どうした不測の事態でも起きたか?」
 ベルクも話しをするよう促す。
「……実は」
 ノエルが事情を話した。
「それは大変ですね。よろしければ、お手伝い致しますよ」
 フレンディスは事情を聞くなり即協力を申し出た。
「ちょうど、突入しようとしたところだしな」
 ベルクも協力には反対しない。
「ありがとうございます」
 ノエルが安心したように礼を言った。
 ここで
「ふふー、ここは優秀なハイテク忍犬たる僕の出番ですね! ご主人様、この僕が安全に現場へ向かうルートを見つけますよ!」
 出番が来たとばかりに胸を張って登場するポチの助。
「そうですか。お願いします、ポチ」
 とフレンディス。
「任せて下さい!」
 ポチの助はそう言うなり、獣人化して情報処理に特化しているイヌプロコンピューターを取り出した。『情報通信』と『コンピューター』を持つポチの助は現場に関するあらゆるデータを瞬時に入れ込み、ルートを構築する。

 そして、結果がはじき出される。
「……えと、分かったです」
 豆柴時と違って少しばかり内気気味に結果を示すポチの助。
「ありがとう。それじゃ、急ごう。またお願いするよ」
 弾はポチの助に礼を言った。
「……むぅ」
 礼を言われた事に少々照れるポチの助はパソコンで顔を隠す。
「ポチ、お願いします」
 フレンディスは返事の無い事に拒否しているのかと思い頼み込む。
「……やるのです」
 ポチの助は小さな声で答えて豆柴に戻り、イヌプロコンピューターを背中に背負って突入の準備をする。
「それでは急ぎましょう」
 ノエルの言葉を合図に突入した。
 指揮官のポチの助は安全のため『運転』を持つ弾が操縦する小型飛空挺に乗る。ポチの助は小さいので小型でも平気に乗る事が出来た。
 ノエルは空飛ぶ箒でフレンディスは移動忍術・縮地の術を生かし、ベルクは闇氷翼で素速く移動する。ポチの助を乗せている弾は空を警戒し、少しでも危険があればポチの助に報告してルート変更をして貰い、負傷者の元へ急いだ。
 ノエルは他の仲間にも出来れば味方以外の人も救ってくれるように頼んだ。