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【ぷりかる】みんなの力で祖国を救え!

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【ぷりかる】みんなの力で祖国を救え!

リアクション

「……(敵)」
 舞花は演奏しながら敵接近に気付く。
「……大丈夫、ですぅ」
 日奈々も『殺気看破』で気付くも落ち着いている。敵の気配のする所にはベルクが設置しておいた『インビジブルトラップ』がある。
 そして、激しい爆発音。
「……!!」
 音に驚くも歌はやめないグィネヴィア。
 ノーンとリイムも落ち着いている。

「……治しますよぉ〜」
 日奈々は戦闘終了を気配で察し、先ほど弾けた敵兵の所へ。
「……ひどいですぅ、無理矢理戦わせるなんて」
 そう言って『命のうねり』で戦闘不能程度に回復させた。
「……こんな戦い早く終わって欲しいですぅ〜」
 日奈々は切に思っていた。盲目でも気配や音で分かる。魔法の飛び交う音、剣戟の音、悲鳴、そしてグィネヴィアの歌声。戦いなど楽しいものではない。
「……グィネヴィアちゃん。私も頑張るですぅ」
 仕事を終えた日奈々は気を引き締めながらグィネヴィア達の所に戻った。

 その少し後、空からの攻撃が歌い手達に降り注ぐ。幾筋もの色鮮やかな魔法の光となって。

「攻撃まふ」
「……あ、危ないですぅ」
 『殺気看破』を持つリイムと日奈々が空からの攻撃に気付き、歌い手達に危険を知らせる。
「……!!」
 グィネヴィアの声は止まり、驚きの表情で迫り来る光を見る。
 誰かが行動するよりも早くスレイプニルに跨る宵一が駆けつけ『オートバリア』で歌い手達を守った。
「ヨルディア!」
 宵一はすぐにヨルディアに合図。
「えぇ」
 ヨルディアは『群青の覆い手』で大津波を起こし、歌い手に攻撃を仕掛けた従龍騎士達を巻き込み、落下させた。
 無事を確認するなり宵一はグィネヴィアには目もくれずに現場へ戻った。まだ相手にするべき敵がいるためだ。
「……グィネヴィアちゃん、大丈夫?」
「無事ですか」
 ノーンと舞花がグィネヴィアの無事を確かめる。
「……はい、大丈夫ですわ。でも……」
 グィネヴィアは舞花達に答えながら戦闘に戻る宵一を心配していた。リイムはその視線をしっかりと確認していた。これもまた報告に追加された。

 宵一が現場に戻ると
「お兄ちゃん、回復するよ☆」
 コアトーが慈悲のフラワシで宵一の傷を癒した。歌い手達の元に駆けつける際に魔法攻撃を受けたのだ。かすり傷ではあるが。グィネヴィアの心配はそれだった。
「コアトー、助かる」
 宵一はコアトーに礼を言い、戦いに戻った。

 戦闘からしばらく、
「……もうそろそろ」
 従龍騎士の相手を終えるなりヨルディアは長時間歌っている歌い手達と負傷者達に視線を向け、瞬時に『金色の風』を使った。
 金色の光が降り注いだのは腹ごしらえの時だった。

「……グィネヴィアさんの体力が少し消耗しているようだ」
「ですわね。何かお腹に入れた方がいいですわ」
 陽一とユーリカはグィネヴィアの様子が気になっていた。随分疲れている事が見て取れる。二人はすぐに行動を開始した。

「グィネヴィアちゃん、少し休んだ方がいいよ」
 ずっと歌い続けているグィネヴィアを心配したノーンが歌を中断した。
 グィネヴィアは答えず、ひたすら歌い続けている。
「舞花ちゃん!」
 ノーンは歌ではなく演奏をやめさせる事にした。
「……はい」
 舞花はうなずき、演奏を止めた。
「ノーン様、舞花様。どうしてやめるのですか。皆様を援護しなければ」
 グィネヴィアは疲れの見える顔で舞花達に柳眉を逆立てた。
「そうだけど、グィネヴィアちゃん、とっても疲れてるから」
「そうまふ。少し休むでふよ」
 グィネヴィアを気遣うノーンにリイムも加勢する。
「それは出来ませんわ。皆様が戦っているというのにわたくしだけが休む事は」
 そう必死に答えながらグィネヴィアは前線で戦う仲間や空で自分達を護ってくれている宵一達を見る。
「その気持ちは分かるけど、倒れては前線の人が困ってしまう。心配する人もいるからね」
 と陽一がペンギン形態にしたペンギンアヴァターラ・ヘルムのペンタを連れて現れた。ペンタにはペット用治療キットが装備されている。
「……休んでも、大丈夫ですぅ……みんな、強いから」
 日奈々も何とかグィネヴィアを休ませようと言葉を挟む。
 そこに
「そうよ。歌なら大丈夫。休んでいる間はあたしが歌ってるから」
「歌でしたらアルティアもいるでございますよ」
 歌い手達のやり取りを聞いたマーガレットとアルティアが駆けつけた。
「……ありがとうございます」
「わぁ、可愛い」
 こくりとうなずくグィネヴィアとペンタに喜ぶノーン。ペンタによって歌い手達を回復し、陽一は持ち場に戻った。
 マーガレットは『幸せの歌』を使いアルティアは歌いつつ『熱狂』を使って仲間達を鼓舞した。二人は歌い手達の代理を見事に果たす。

「何か食べて気力と体力を回復ですわ。あら、これは……」
 ユーリカがスープ『ギャザリングヘクス』を持って歌い手達の元に現れた。その時、金色の粒子が空を漂い、皆を癒した。ヨルディアが『金色の風』を使った後だ。
「これはお姉さまでふ」
 リイムは空にいるヨルディアの方を見ていた。回復が終わるなりヨルディアは戦いに戻っていた。
「綺麗だね。スープ、ありがとう!」
「疲れがとれていきますね……スープ、頂きます」
「……疲れがとれていくですぅ……スープ、ありがとうですぅ」
 ノーン、舞花、リイム、日奈々は金色の粒子に心を和ませつつスープを受け取ってすぐに食べた。
「どうぞですわ。少しぐらい休んでも誰もやられはしませんわ」
 ユーリカは笑顔でグィネヴィアに器を渡した。
「……ありがとうございます。皆様に助けて頂いて本当に」
 グィネヴィアは礼を言ってスープを受け取り、歌うマーガレットやアルティア、消える金色の粒子を見るも感謝しかなかった。
 腹ごしらえが終わると歌い手達はマーガレット、アルティアと交代し応援を再開した。
「お疲れ様ですわ」
 ユーリカは、代理を終えたマーガレットとアルティアにスープを渡した。
「……ありがとう。これでもう少し戦えるわ」
 マーガレットは腹ごしらえを終え、所定の位置へと戻った。
「ありがとうでございます。まだまだ頑張るでございますよ」
 アルティアも腹ごしらえを終わらせるなり自分の役目に戻った。