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第5章 生徒会長に相談


 百合園女学院の生徒会・白百合会の会長であるアナスタシア・ヤグディン(あなすたしあ・やぐでぃん)が、果たして相談に向くか相手どうかは疑問が残る。
 ……が、生徒会長であることは確かで。
 蒼空学園の生徒会副会長・小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)と、パートナーであり恋人でもあるコハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)が手土産を携えて訪問したのもまた自然なことだった。
 アナスタシアが来客に紅茶をいれると、差し入れの、甘くてふわふわのワッフルを三人で囲む。
「今まで見かけてたけど、ちゃんと話したことなかったね」
「そうですわね。今日は生徒会の副会長としてのご用件……と伺いましたけれど……?」
 美羽は蒼空学園の生徒であり、副会長でもあり、ロイヤルガードでもある。どの立場の話か次第でアナスタシアの心構えも変わるというものだった。
「うん。今後の百合園と蒼空学園の関係がどうあるべきか、って、話したいと思って。私も副会長として百合園やパラ実とは頻繁に交流を持ちたいと思ってるんだ。
 百合園は素敵な学校だし、パラ実では元百合園生の瀬蓮ちゃんとアイリスが頑張っているもん」
 ふわふわのワッフルにフォークを入れながら、美羽は親友たちの名前を出した。
「このワッフルは蒼空学園カフェテリアで評判なんだよ。ヴァイシャリーで見かけるような高級品じゃないけど」
 コハクが美羽のいい食べっぷりを微笑んで見ながら、
「百合園も蒼学も、自校だけで解決できない問題を、他校に協力してもらうことがいろいろあるから……これからは、各校と交流するようなお茶会を
定期的に開いたらどうかなって思うんだけど」
 アナスタシアは少し考えて、
「そうですわね……。たとえば、部活動同士の交流はどうかしら? 同じスポーツに励み、同じものを学ぶ同士、交流会や交流試合をすることはお互いの向上に役立つと思いますわ」
 それからいくつか互いに交流のアイデアを出し合って、最後にコハクはこう言った。
「今度はアナスタシアさんもぜひ蒼空学園に遊びに来てほしいな」
「ええ、楽しみですわ」
 美羽とコハクは、アナスタシアと握手を交わし、お茶会を楽しんで蒼空学園へと帰って行った。