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リアクション
プロローグ
シャンバラ大荒野の乾いた大地に突如一部の荒野が一晩で大雪に見舞われた。その知らせを受けた金 鋭峰(じん・るいふぉん)は、謎の異常気象としながらも『人為的被害』を視野に入れた調査をシャンバラ教導団の団員達に指示を出した。
「真夏の異常気象としては、突飛な事ではあるが……放っておくわけにもいかないとであろう。手の空いている教導団の者は調査に入る事と、少々人手も必要と思われる。他校の者にも調査員の募集をかけておくべきであろう、もし人為的と確定した場合には一番考えられるのは魔法によるものであるからイルミンスール魔法学校のエリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)にも協力要請を出すのだ」
調査の指示と、シャンバラ中の学校に通達をする手筈を整えた鋭峰は自らも調査の為に大荒野へ赴くのだった。
◇ ◇ ◇
シャンバラ大荒野の一角が雪に覆われた知らせはエリザベートの元にも届いていた。
「教導団団長から調査の依頼が来たですが〜……面倒くさいですぅ、せっかく降った雪なら融ける前に遊ばないと損ですぅ〜」
良くも悪くも子供の言葉そのものなエリザベートであった。実際、真夏の暑さにはエリザベートもうんざりしており、雪の冷たさで暑さから開放されたい気持ちの方が強かった。
「……決めたですぅ、イルミンスール魔法学校の生徒は調査じゃなくて遊びに行くですぅ!」
シャンバラ教導団からは調査の募集があり、イルミンスール魔法学校からは雪遊びのお誘いがシャンバラ中に広まったのでした。
◇ ◇ ◇
シャンバラ大荒野に着いたエリザベートは同行した契約者達を前に宣言した。
「教導団の団長達が来る前に遊ぶですぅ、埋まらないように気を付けるですぅ」
――と、言ったエリザベートが真っ先に埋まりながら雪遊びを堪能に来た契約者達は大荒野へ飛び込んでいったのでした。
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