リアクション
同時刻 空京大学付近
歌菜の駆る念竜とシンの駆る“ヴェレ”bis。
二機の戦いはいよいよ激しさを増していた。
ぶつかり合う超能力と超能力。
そして魔法と魔法。
その果てに、歌菜は心の底から湧き起こる想いを歌にして叫ぶ。
――どうして戦うというの。
――私達が戦う理由なんてないのに。
その想いは光となり、念竜を中心に溢れ出す。
暖かな光が晴れた後、シンからの声が歌菜に届く。
『どうやら貴方の勝ちのようです。貴方の想いは、僕達の想いに勝った――』
直後、漆黒の“ヴェレ”が膝をつく。
漆黒の“ヴェレ”が各部動力のみを狙ったように機能停止していたことがわかるのは、まだ先の話である。