リアクション
同時刻 空京大学付近
『団長に手出しなんて……させないっ!』
盾竜・改のコクピットで董 蓮華(ただす・れんげ)は戦い続けていた。
相棒のスティンガー・ホーク(すてぃんがー・ほーく)はもはや何も言わず、操縦のサポートを続ける。
庭坂 まりあ(にわさか・まりあ)と国吉 遥(くによし・はるか)が乗る彩竜。
そのサポートを受け、盾竜・改は不可視の障壁の隙間へと砲撃していく。
ファンクスで幾つもの敵機をハチの巣にし。
ミサイルで次々と敵機を爆破していく盾竜・改。
迫り来る敵をすべて殲滅した後、サブパイロットシートのスティンガーはメインパイロットシートに座る蓮華へと声をかけた。
『やったな、蓮華。これでひとまずは安心だ』
だが、返事はない。
――気絶しているのだろうか?
そう思って彼女を見たスティンガーは絶句する。
『ッ……!』
思わず落涙しそうになるのを必死に堪えるスティンガー。
蓮華は気絶してなどいなかった。
目は開き、というより開いたまま微動だにせず蓮華はシートに座っていた。
瞬き一つも微動だにせず、ただ座り続ける蓮華。
きっと、スティンガーの声も本当に聞こえていなかったのだろう。
スティンガーに激しく身体を揺すられても気付かない。
まるで彫像のようになってしまった蓮華。
その身体を、スティンガーはじっと抱きしめた。