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リアクション
１４）レロシャン・カプティアティ（れろしゃん・かぷてぃあてぃ）
レロシャン・カプティアティ（れろしゃん・かぷてぃあてぃ）は、
ネノノ・ケルキック（ねのの・けるきっく）とともに、入場してきた。
「本日はよろしくお願いしますね」
「はーいよろしくお願いします。
今日は特にオシャレしてきたんですよ〜。
私も百合園のファッションリーダーと言われる身ですから」
「言われてない言われてない」
ネノノのツッコミは無視して、
レロシャンはその場で一回転して見せる。
「百合園生にふさわしいフェミニンなワンピースにしてみました〜。
どうでしょうか」
「まあ、すてき！
かわいらしいわ」
「ふふ、ありがとうございます。
トッドさんも素敵なお召し物ですね〜」
そんな感じで和気あいあいと開始したインタビューだが。
「レロシャンさんはそのアホ毛でどんなこともできるという噂ですけれど、
アホ毛を抜くとどうなるのかしら。
ちょっと試させてくださらない？」
トッドさんがレロシャンのアホ毛を抜こうとしてきたのだった。
「えーちょっとそれは困ります〜。
でも、この番組のためにちょっと触るくらいならおっけーです
ってああ〜抜いちゃダメえ〜
あ……」
その場にバタンと倒れるレロシャンであった。
「あれ？レロシャンさん？」
「レロシャン！」
トッドさんとネノノに揺り動かされて、
レロシャンが目覚める。
「何よ……。眠いんだから起こさないでよ……」
普段より目つきが悪くなっていた。
「あああ〜……いつものアレがないと、調子が出ないわ……」
「このアホ毛かしら？」
トッドさんがアホ毛を差し出すが。
「アホ毛……？
なにそれ……。日傘よ、日傘。私のトレードマークでしょ……。
ちょっと何これ……私の服、誰が用意したの……。
いつもの黒のゴスロリコーデはどこよ……。
あれこそが完璧な調和なのに……」
「どうやら、別の人格になってしまったようですね」
「まさかこんなベタな事になろうとは……。
というか、トッドさん、順応性高いですね」
「わたくし、そう、よく言われるの」
「トッドだっけ……？
あんたもその服はありえないわ……。
その色の併せとかないから……」
「そんなことより、インタビューに答えてくださらない？」
トッドさんの目つきに息を飲むネノノだが、
レロシャンは平気であった。
「え、インタビュー……？
なにそれ……。
とりあえず……先にギャラ払いなさいよ……。
現金で……それ以外認めない……」
「さっさと進めましょうか。
百合園女学院に在籍する皆さんへ、
宇都宮 祥子（うつのみや・さちこ）さんからの質問です。
あなたにとって百合園女学院の校長、桜井静香様をどのように思っていますか？
また、そのパートナーであるラズィーヤ・ヴァイシャリー様をどのように思っていますか？
一寸曖昧なので補足すると、
公人、或は私人としての静香様やラズィーヤ様をどう思ってるか、ですね」
「桜井静香は手下にしてやりたいくらいには好みね……。
あれで男なのがむかつくけど……。
ラズィーヤ・ヴァイシャリーは、
まあとにかくむかつくわ……。
あいつがトップの座に居座るなら、
いっそこの手で百合園を滅ぼしてもいい……かな？」
レロシャンは危険な発言をしはじめた。
その様子を見て、
ネノノはうーん、と考え込んでから、言った。
「うーん、ワタシが思うにこれはプラシーボ効果（思い込み効果）じゃないでしょうか」
「思い込み？」
「レロシャンはアホ毛が自分にとってすごく大切な物なので、
それを抜かれたショックでどうにかなってしまうのではないか、という
中二的な思い込み故にこのように人格が変わる症状が表れたのでは。
加えて、番組に出演してるという
異常なテンションがより症状を加速させたのではないでしょうか。
元々妄想が激しい人ですからね」
「どうすれば戻るのかしら」
「アホ毛を植毛するか、自然再生を待つか、ですね。
ここまでひどいとテープでくっつけるとかはダメでしょう」
「なにをブツブツ言ってるのよ。
早く現ナマよこしなさいよ。
もう仕事は済んだでしょ」
「と、それとは別の可能性として、
アホ毛を抜かれたショックで過去の記憶やら人格が甦った、という事も考えられますねー。
正直どうしたものやらと。うーん……」
「早くしなさいよ。
私は百合園の頂点に立つのよ。
立ちふさがる奴はぶっ飛ばすわよ」
「まあとりあえず、この辺で一回ＣＭ入れた方が、いいんじゃないでしょうか」
レロシャンの発言がどんどん不穏になってきたので、
ネノノの提案により、ＣＭが流された。
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