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40)御神楽 陽太(みかぐら・ようた)

「新婚さんいらっしゃい!
陽太さんは、御神楽 環菜(みかぐら・かんな)さんとご結婚されていらっしゃいますが、
新婚生活について、できるだけ詳しくお聞かせ願えます?」

顔を真っ赤にした陽太は少し考えたのちに、
説明を始める。


「朝は大体は俺が先に起きて、朝食の準備を終えてから」
陽太は小声になる。
「『そっと目覚めのキスで』妻を起こしています」
陽太のポケットのマナーモードの携帯が振動する。

おそらくは、ホテルで
エリシア・ボック(えりしあ・ぼっく)と待っているであろう、
環菜からのメールではないか。
そう、陽太は思った。

「まあ、どこにキスされるのかしら」
「ええと……唇や、おでこに……」
「それで、それで?」
トッドさんが促す。
「家事は当番で分担していますが、俺が担当する割合が多いです。
俺自身はこの状況を歓迎していますが、
多分、環菜は少しずつでも自分の割合を増やしたいと考えてそうです」
これ以上詳細に言うと怒られそうなので、陽太は少し話をずらす。
「それで、お仕事は?」
「昼間は2人で鉄道事業に奔走しています。
パラミタ横断鉄道の実現が、
俺たち夫婦の夢なので2人で手を携えあって頑張っています」
「お家に帰られてからは?」
「帰宅後は主に俺が夕食をつくって、夫婦での団らんを楽しみます」
「お風呂もご一緒に入られるのかしら」
「え、はい、夫婦ですので」
ノーン・クリスタリア(のーん・くりすたりあ)が、さきほど確認していた入浴の件である。
赤面して陽太が言う。

「あと、入浴後のくつろぎ時間に、
2人で色々なことを語り合ったり、
TVを見たり、お茶を飲んだり、あるいはゲームをしたり、と。
穏やかで大切な時間を夫婦で過ごしています」
「その後は?」
「その後は……えっと、その、就寝します」
陽太はなぜか動揺しながら言った。

「環菜さんを愛していらっしゃるのね?」
「ええ、妻のことを世界で一番愛しています!」
全世界に向けて、陽太ははっきりと宣言した。

「では、匿名 某(とくな・なにがし)さんからの質問です。

恋人時代からの甘々ラブラブっぷりにさほど変化はないか、もしくは上昇したとして(ぇ
それ以外でその……恋人時代から変わったところってなんですかね
ちょっと漠然としてる質問ですいませんが、
さ、参考にまで聞いてみようかなと思いまして」

「俺は、愛する女性と夫婦になれて……
2人で『人生』を共有し合える幸福をかみしめています」
陽太は、とても幸せそうな表情で、
満ち足りた生活を送っている様子だった。