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リアクション
４１）冬蔦 日奈々（ふゆつた・ひなな）
「新婚さんいらっしゃい！
日奈々さんは、ヤンデレという噂を聞いたのですけれど、
お相手のことを考えるあまり、どうなってしまうのかしら？
詳しく聞かせてくださらない？」
「私が……ヤンデレ、ですか……
もう……一体、誰ですかぁ……そんなこと、言ったのは……
私は……そんなのじゃ、無いですよぉ〜
まったく……千百合ちゃんに……誤解されちゃうじゃないですかぁ……」
冬蔦 千百合（ふゆつた・ちゆり）のことを考え、
日奈々が黒いオーラを放つ。
「こんなこと……もし、誤解されちゃったら……千百合ちゃんが、離れて行っちゃう……
だめですよね……そんなの……
うん……千百合ちゃんに、伝わるまでに……なんとかしないと……」
うつむいた日奈々が、ぶつぶつとつぶやき続ける。
「あの、もしもし？」
トッドさんの声は届いていないようだった。
「まずは……いったい、どこの誰が……こんなこと、
言いだしたのか……突き止めて……もう、話せないように……
あれ……でも……もう、ある程度は……噂、拡がっちゃってるのかな……？
だったら……千百合ちゃんに、伝わらないように……千百合ちゃんを、隔離して……
でも、これだと……千百合ちゃんが、かわいそうだし……
あ、そっか……知ってる人、全員を……黙らせれば……うん、それがいいよね……
ちょっと……大変かも、しれないけど……何とか、なりますよね……ふふ、ふふふふ……」
「日奈々さん？
まさか、この番組をご覧になっている全世界の人を敵に回すつもりですか？」
「全世界でも……がんばれば、なんとか……」
「だめですね。話題を変えましょう。
松本 恵（まつもと・めぐむ）さんからの質問です。
女の子と結婚をするほどの百合な人なようですが、男には興味が無いんですか？
それとももしかして、男に対するトラウマでもあるんですか？
言える範囲で構いませんので教えてください。
（この質問は別に自分が男だから知りたいと言うわけではなく、純粋な興味本位です）」
「恋愛感情とか……そういう意味でなら……男の人に、興味は、ありませんねぇ……
あ、でも…女の人に、特段、興味があるっていうことでも……ないんですよねぇ……
私……この通り、目が、見えないですから……
外見は、判断材料に、できないっていうのも……ありますかねぇ〜
千百合ちゃんだから……結婚するほど、愛しているんですよねぇ〜」
日奈々の空気がほわわん、としたものに少し戻る。
「でも、じゃぁ……男の人に、
トラウマが、あるわけじゃないのかって……言われると、ちがって……
若干ですけど……トラウマは、あるんですよね……
目が、見えなくなってから……学校で……男の子に、苛められてたことが……あったから……
それが……学校を、百合園にした理由ですねぇ……
そのトラウマが、原因で……千百合ちゃんを、愛したわけでは……無いですけどねぇ〜」
日奈々は、微笑を浮かべた。
「私は……今は、幸せ、です……。とても……。
千百合ちゃんが、そばにいるから……。
千百合ちゃんと、愛し合って、いるから……」
いい話としてまとまるのであった。
