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46)匿名 某(とくな・なにがし)

匿名 某(とくな・なにがし)
大谷地 康之(おおやち・やすゆき)と一緒に出演し、
その様子を観覧席の結崎 綾耶(ゆうざき・あや)が見守る。

(すごい質問がくるらしいけど、大丈夫なのかよ。
まあ、一般人の俺にはそう変なのはこないはず……)

「よろしくお願いしますね。
まず、いろいろな方から来ている質問からです。

宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)さんから。


トッドちゃんからすでに質問されていると思うけど、敢えて質問します。
本名教えてください。

白波 理沙(しらなみ・りさ)さんからも。

じゃ、折角だから私も……

何で本名を隠してるんですか?
他の人のかぶせネタでゴメンねー。
言ってみたかっただけって事で許してw」

「やっぱりきた! 絶対一つは来ると思ってたよそういう質問!
本名ですからぁぁ!
生まれてから一文字たりとも偽ってない正真正銘俺の名前ですからぁぁぁ!」
某が全世界に絶叫する。

(わ、私が出るわけじゃないのになんだか緊張しますね……
それにしても、某さんがテレビ出演なんて、ちょっと前からは考えられない事ですよねぇ……
やっぱりなんだかんだで有名なのかな? な、名前とか……)
綾耶がパートナーを見つめる。

「じゃあ、次は、
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)さんからです。

その名前で得をした事、損をした事を教えてくださいませんか?」

「現役ロイヤルガードから、だと……
え、えっと、得は……ないですね。損ならいっぱい。
例えばレンタルショップで会員カードとか作る時とか
必ず店員から『……本名ですよね?』とか聞かれるんですよ。
さっき出した生徒手帳にも書いてあるでしょォォ! て事がよくあります。
というかパラミタ来てからも続いてます。
多分ずっと続くと思います。もう一生の腐れ縁みたいなもんですよねぇ!」
ヤケになって某が叫ぶ。

「では、続いて、
青葉 旭さんの質問です。

自身の所属校ってどの程度大事に思っている?
質問がアバウトですが、極端な例を挙げると、
王国が滅んでも学校を守る。
他の学校を全部潰して自分の学校1校だけにしたい。
友達よりは大事だけど、恋人よりは大事でない。
嫌い、早く転校したい。
全く大事でないどころか明日にでも破壊したいくらい嫌い。
といったところかな。

自分の学校のこういう点が改善されたらもっと好きになれるのに、
というのがあったらそれもお願いしたい」

「今の学校は大事ですよ。
度合いでいうと……ふ、普通ぐらい?
あと改善点があるとすれば一つだけ
まず校長の裸ブレザーの改善が最優先だと思うんですよ。
まずなんか下に着てくれと。
一部じゃ『あの格好はないわぁ……』って言って転校した人もいるっていうぐらいだし
あっ、これやばかったら編集でカットを……えっ、生放送? あ、そ、そうですか……」

(あ、でも色んな方々から質問もきてますね。
やっぱり名前以外でも有名なの、かな……そ、そうだよね。きっとそう!)
綾耶が、パートナーへの期待を膨らませる。

「では、最後にわたくしからです。
某さんは、周りの方に対して『ツンデレ』という噂ですけれど、
たとえばどんな時に『ツン』で『デレ』られるのかしら。
詳しく聞かせていただけます?」

「ツ、ツンデレって……別に俺はそういうつもりじゃ……」

「そんなの簡単じゃねえか。
某のツンってやつは、あんまり親しくしてない奴に静かに冷たくツッコミ入れる事で、
デレってやつは仲のいいダチとかと一緒にいる時とかに見せるんだ。
けど一番デレを見せるのはやっぱり恋人のちみっ子にだよなぁ〜」

「……って何を言い出すか康之ぃぃぃ!」
某が慌てるが。

「おぉ、ちょうど観客席にいるじゃねえか。
お〜いちみっ子からもなんか……」
康之が綾耶を見つける。

「……って、えぇぇ! そこで私に振りますか康之さん!
そ、そんなデレとかそういうのは関係なくて……ってそうじゃなくて
あ、えっとその……あぅあぅ……と、とにかくノ、ノーコメントということでお願いします!」

「って、なんだよ某〜。ホントの事なんだろ〜!」
「康之! 今、生放送だってわかってるのか!?」
「うん、だから、テレビで流れるんだろ?」
「どうしてそんなに平然としていられるんだよ……」
ぐったりする某だった。
「なるほど、これが『ツンデレ』ですね」
「トッドさんも納得しないでください!?」