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合コンしようよ

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合コンしようよ
合コンしようよ 合コンしようよ

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「次は、ええと、エメリヤン・ロッソーさんですね」
 シャレード・ムーンに呼ばれて、エメリヤン・ロッソーがおずおずとノーン・クリスタリアの前に進んでいった。
「こ、……これ……」
 そう言って、いつの間に作ったのか、ノーン・クリスタリアの姿をしたチャームを差し出した。
「わあ、これくれるの? ありがとー。また私の歌を聴いてよね」
「うん、おと……もだち……。また、他にも……な、何か、作る……ね」
「うん、友達だよ」
 エメリヤン・ロッソーの言葉に、ノーン・クリスタリアが嬉しそうに言った。
「新しいお友達の誕生です。では、お友達シートへどうぞー」
 
    ★    ★    ★
 
「続いては、白石忍さんです。はたして、どこへむかうのかな」
 観客たちが見守る中、白石忍がトレーネ・ディオニウスの前に立った。
「あ、あの……、よ、よかったら……」
 お友達になってくださいまで声にだして言えず、うつむいたまま白石忍が両手を突き出した。
「あら、可愛いい。お友達でしたら、遠慮することなんてありませんわ」
 そう言うと、トレーネ・ディオニウスが白石忍の頭をナデナデする。
「まるで、もう一人妹ができたかのようですね」
 
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「さあ、ディオニウス三姉妹の長女にお友達ができました。残る姉妹はどうなるのでしょうか。それでは、桜月舞香さん、いってみましょう」
「シェリエお姉様、今度はお客さんじゃなく、友人として遊びに行ってもいいですか?」
 シェリエ・ディオニウスの前に進み出ると、桜月舞香が素早く手を突き出した。
「ちょっと待ってえ!!」
「おおっと、ちょっと待ったコールだあ。いったい誰か? フェイ・カーライズさんです」
「どうか私と恋人としてつきあって……、いえ、最初からそれじゃおかしいですよね。ということで、これからも楽しい思い出を共有できる、と、友達でいてほしい!」
 思いっきり叫ぶように告白して、フェイ・カーライズがその手を差し出した。
「お友達としてなら、二人ともよろしくお願いします。お友達として、またお店にコーヒーを飲みに来てくださいね」
 なんだかちょっとちゃっかりして、シェリエ・ディオニウスが二人の手を握った。
「なんで、姉さんたちばっかり……。でも、ぜーんぶ女の子じゃない。あたしにだって、まだチャンスはあるわよ」
 羨ましいやら、ちょっとほっとしたやらで、パフューム・ディオニウスがつぶやいた。
 
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「さあ、次は東朱鷺さんです。はたして、おおっと、これはニルス・マイトナーさんの所へ行ったあ」
「同じ道を研究した者同志として、一緒に八卦術、陰陽術を極めましょう」
「ちょっと待ってえ!」
 東朱鷺が告白したとき、御神楽舞花が割って入ってきた。
「私も、友達として混ぜてもらえませんか?」
 どうやら、御神楽舞花が気になったのは同性の東朱鷺の方だったようだ。
「こ、これは、複雑な関係になってしまったようです。はたして、どうなるのでしょうか」
「いや、お友達としてなら、みんな一緒でもいいんじゃないでしょうか。この組み合わせなら、お互いの会話にもついてこられそうですし」
 友達なら、そう堅苦しく考えることもないと、ニルス・マイトナーが言った。そう言うと、自分は東朱鷺と御神楽舞花の手をとって、東朱鷺には御神楽舞花の手をとらせた。
「えー、なんで、ニルスばっかり。あたしもおんなじ顔なのにい」
 ちょっと納得のいかない、フレロビ・マイトナーであった。
 
    ★    ★    ★
 
「さて、続いては、ミネッティ・パーウェイスさんの登場です。はたして、彼女のお目にかなったのは誰でしょうか。おおっと、エヴァルト・マルトリッツさんの前で立ち止まりました!」
「今日一番よかったのはあなたなの。あなたから見て、あたしはどうだった?」
 じーっとエヴァルト・マルトリッツの顔を見つめながら、ミネッティ・パーウェイスが熱い視線を送った。なにしろ、その資産は高額だ。ここで玉の輿を逃してなるものか。
「ええっと、ごめんなさい。本当は、俺は今日ここへ格闘の手合わせに来たんだ。そういう、男女のつきあいは苦手、むしろ無理なんだ。そういうわけで……」
「そっか、……ごめんね」
 そうつぶやくと、光る涙を拭う仕種をしながらミネッティ・パーウェイスが駆け去って行った。これならば、別の男性が同情して自分を気にとめてくれるかもしれない。振られたばかりの女はチョロいと考えるチョロいさんが来てくれればいいカモだ。
「でも、逃した魚は大きかったわね」
 人気のない所まで来ると、チッとミネッティ・パーウェイスが小さく舌打ちした。
「おおっと、ごめんなさいだ。しかし、だったらいったいなんでこの会場に来たのでしょうか。エヴァルト・マルトリッツさん、まったく、謎です」
「予定どおーりよ」
 シャレード・ムーンの言葉に、陰で小さくほくそ笑むアドルフィーネ・ウインドリィであった。